表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
86/201

そういう子に告白とかされたらどう?

「パパ、うちのクラスに女の子っぽい男子がいて、その子が他の男子のこと好きみたいなんだけど、パパはそういうのどう思う?」


今日もまた唐突に美智果がそんなことを訊いてくる。いつものことだ。だから僕もいつも通りに応える。


「あ~、お父さんは別に何とも思わないな~。そういうのもいるのが普通だと思ってるし」


「じゃあ、そういう子に告白とかされたらどう?」


「さあね。お父さんはそもそもそんな経験ないから何とも言えないけど、たぶん断ると思うよ」


「それって、相手が男子だから?」


「う~ん、って言うか、そもそも好きじゃない人の告白とか受け入れる必要ある?」


「あ、それは…」


「好きになれる可能性がないと思ったらお父さんは断るだけだよ。相手が女性だろうと男性だろうとね。男性に告白されたら気持ち悪いと思っちゃうかもしれないけど、でもだからって同性愛そのものは否定しない。単にお父さんがそうじゃないってだけだからね」


「同性愛って異常じゃないの?」


「どうなんだろ。お父さんが聞いた限りだと生物学的には同性愛の個体がいるのは自然なことだって聞いたけどね。それが本当なら、同性愛者がいるのはむしろ自然の摂理ってことだと思うよ」


「そうなの?」


「うん。だからお父さんは同性愛のことを正常だとも異常だとも思わない。単に<そういうもの>っていうだけ。ま、外見上の差異程度の違いとしか思ってないかな。


だいたいさ、同性愛のことを『自然じゃないからおかしい』とか言ってる人がいるけど、そもそも人間自体が自然に反したことを当たり前にやってる生き物じゃないか。それを今さら『自然じゃないから認めない』なんて、人間そのものを否定してるのと同じだと思うよ」


「……」


「お父さんは浮気とか不倫とかしてママや美智果を悲しませたくないからやらないでおこうと思ってるけど、それだって自然かどうかっていう意味では自然に反してるらしいからね」


「マジ!?」


「マジ。人間だってそもそも特定のパートナーとだけずっと一緒にいる動物じゃないらしいよ。本来は。だけど『人間は動物と一緒じゃないから』っていう理由でずっと同じパートナーと一緒にいるのが正しいと思ってるらしいし。これがもう自然じゃないよね。


でもお父さんはその『自然じゃない』価値観の方を選んだ。だったらもう、同性愛を『自然じゃないから』っていう理由で否定はできない。


それにさ。今は、結婚したくないならしなくていいとか子供が欲しくないなら産まなくていいとかいうのも認められてるだろ? それこそ自然の摂理に反してるのにさ。


自分は自然の摂理に反した価値観を信じてるのに『自然の摂理に反してるからダメ』なんて、ただのワガママとしかお父さんは思わないよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ