マジで害虫だよ害虫!!
「ねえねえ聞いてよ、みっちゃん!。まとめ見てたらアンチがしつこくてホンっとムカついた!。あいつら何がしたいんだろうな!。マジで害虫だよ害虫!!」
ある日、好美ちゃんが来るなりそう言って憤慨してた。どうやらそれを聞いてほしくて来たみたいだ。
「そっか~、大変だったね」
美智果は好美ちゃんの愚痴に耳を傾けながら付き合ってた。
話を聞いてると、アンチが荒らしてるというよりは、好美ちゃんが好きで見てたそのアニメの展開に納得できなかった視聴者がしつこく批判を書き込んで、他のサイト利用者と揉めてたってことのようだった。
僕はそういうのに巻き込まれるのは嫌だから、あまりコメントはしないようにしてる。するときは自分の意見だけ書き込んで、それ以降は見ないようにしてる。反応があってもさらに反応しないようにする為だ。
嫌なら見ない。今の僕の基本的なスタンスだった。
アニメとかについては、僕はどんなに納得のいかない展開とかがあってもそれについてはあまりとやかく言わないタイプだ。出来不出来に拘わらず自分が楽しめる部分を見付けて楽しむようにしてる。見てイライラしてしまうようならそもそも見ない。話題にもしない。完全無視が一番だと思ってる。
炎上商法っていう言葉もあるように、例え批判が殆どでも話題になるならそれは何らかの利益として返ってくるらしい。騒げば騒ぐほど一部の関係者を利することになる。だから僕は、本当に嫌な時は一切口にも出さないんだ。
『嫌なら見るな』っていうのは、見たら反応せずにいられないのならそれは一部の関係者の思う壺だからっていう意味もある。
それとは別に、アニメに対する批判で他の利用者と揉めたりするっていうのは、結局、<そのアニメを批判する自分を認めてほしい>っていう承認欲求の表れなんだろうなと、自分が子供を育てるようになって思うようになった。
美智果は、<アイドルは好きじゃない>っていう自分の主張を、リンちゃんを始めとしたアイドル好きの人の前では口にしない。<アイドルに価値を感じない自分>を、他人に承認してもらう必要がないからだ。それでアイドル好きの人と揉めて時間を無駄にしてでも自分を認めてもらいたいって思ってないからだ。
そして、まとめサイトでのそのゴタゴタを見てムカついてることを美智果に愚痴ってる好美ちゃんは、そういう風に感じてる自分を認めてほしくて言ってるんだろうなとも思う。
どこの誰かも分からないサイト利用者の承認欲求を受けとめる義理は僕にはないから一切関わらないし美智果にも関わってほしくないけど、好美ちゃんの承認欲求なら受けとめるだけの価値はある。
だって、美智果の大切な友達だからね。




