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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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ぐはっ!。それはイヤすぎる!!

「ねえ、パパ。動画とかネットにアップしちゃダメ…?」


不意に美智果がそんなことを言い出した。


「ヨッシーがね。私らも動画作ってアップしたりってどうかなって言うの」


この子達も今どきの子供のご多聞に漏れずそういうのにも興味があるみたいだ。ただ僕は、ネット利用の先輩としてそういうことに対しては慎重であって欲しいと思ってる。でも頭ごなしに『するな』とは言いたくなかった。


「う~ん。やってもいいけど、自分の顔とか名前とか自分が誰か特定できるようなことは一切出さないことと、誰かを傷付けたり迷惑かけたりということはしないっていうのを守れるのならっていうのが最低条件かな」


「そうか~、やっぱりね~」


「そうだよ。自分がどこの誰か分かるような情報出してストーカーとかされたり、誰かを傷付けたり迷惑かけたりして炎上とかして嫌な思いしたりってなったら、お父さんも守り切れないし」


「だよね~」


最近、動画再生回数を稼ごうとして無茶なことをしたり他人に迷惑かけたりする人がいるらしい。そういうのが現れる度に『なんで炎上するのが分かんねーのかな』みたいなことを言われるけど、僕は正直言って、


『いや、他人を馬鹿にしたり叩いたり弄ったり吊し上げたりするのが楽しいことだって、そういうのが注目を集めるって、自分らがやってるからじゃん』


って思うんだ。


誰かがちょっと気に入らないことをしてたり、変なことをしてたり、滑稽だと思ったらみんなで晒し者にして貶めて玩具にしてるだろ? そういうのって、やられた人とその周りの人に対する迷惑になるって分からないのかな? そうやって『誰かを苦しめることが楽しい』って見本を示してるじゃん。そういうのがウケるっていうのを見せてんじゃん。だったら自分もそうやってウケようと思うのが出てくるのも自然なことだよね?


僕はそういうのはイヤだ。相手がどんなに自分の気に入らないタイプの人でも、吊し上げて晒し者にして弄り倒して玩具にしたいと思わないようにしてる。美智果がそんなことをするような人になるのがイヤだから。


そんな風に、誰かを傷付けて苦しめて痛めつけて楽しもうっていう空気が、<度の過ぎた悪ふざけ>の土台になってるんだって僕は思ってる。


それと同時に、<誰かを傷付けて苦しめて痛めつけて楽しもうっていう空気>の標的にわざわざ自分からなりに行く必要もないとも思ってる。


「全然知らない人がうちに押し掛けてきたリしたらどうする?」


「ぐはっ! それはイヤすぎる!!」


美智果も、今の幸せを壊されたくはないと思ってくれてるんだなって改めて思ったのだった。



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