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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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結局、気晴らしの為の娯楽だろ?

フィクションなんて、結局、気晴らしの為の娯楽だろ? だったらどうしてその<気晴らしの為の娯楽>を見てわざわざイライラしてるんだ?


僕にはそれが分からない。


現実の中では、どうしたって回避できない、こっちが回避しようとしても向こうからやってくるイライラっていうのがある。だけど、フィクションなんて気に入らなければ見なければいいだけじゃないか。


ううん。フィクションだけじゃない。現実でも、見なければ済むものがいくつもある。ネットがその一番に来るのかな。


美智果は、携帯を持ってない。欲しがらない。友達との連絡は基本的に家の電話。もしくはメール。SNSもコミュニケーションアプリも使わない。それがなくちゃ友達になれないっていう相手とはそもそも友達にならない。


それは僕も同じ。ネット上に僕の<友達>はいない。リアルに付き合いがある人とは、ネット上では付き合わない。ネット上にリアルは一切持ち込まない。今ではSNSにコメントを書き込むことも殆どしない。


妻と結婚した前後は、掲示板にコメントを書き込むとかしてた時期はある。しかも、妻がその掲示板で他の利用者と言い合いになって、それに加勢したことがある。


僕は、基本的には典型的なネット弁慶だと思う。リアルでは他人に対して殆ど言いたいことは言わない。それは、お互いに相手が誰か分かってて、トラブルになると後を引くから。でも、ネット上でお互いどこの誰か分からないならどうせ後腐れもないと思って言いたいことを言ってた時期もあった。それがちょうどこの頃。


ネット上では元々友達とか作らなかったから、味方なんかいなくても全く平気だった。相手がいくら食って掛かってこようが罵ろうが叩こうが自分のことなら気にもしなかった。だから徹底的にやり合った。リアルでは割と言いたいことを言う妻がドン引きするくらい徹底的に。


「もういいから、ね? やめよ…!」


と、妻が泣き言を言い出してもやめなかった。


「だから言っただろ? ネットでやり合う時はここまでとことん行く覚悟が必要だって。相手も後腐れないと思ってるから引かないんだ。リアルとは違うんだよ。ネットのやり合いは、我慢比べなんだ」


そう言い捨ててからさらに半日、相手が呆れて落ちるまで徹底的にやり合った。妻はそれ以来、掲示板で他人に噛み付くことはしなくなった。


僕もさすがにここまでやったのは初めてで疲れたから、それ以降、掲示板には殆どコメントしなくなった。虚しくなったっていうのもある。


やがて、掲示板そのものを見なくなった。だって、それも気晴らしの為のただの娯楽だから。そこに気に入らないことが書かれてても、見なければイライラすることもないから。すると気分もすっきりとした。仕事以外じゃネットなんてなくても何も困らないって実感したんだ。



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