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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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ドラマティックはもうたくさん!!

世の中には普段からドラマティックな展開とかサプライズとかイベントを求める人もいるそうな。


だけど僕は声を大にして言いたい。


「ドラマティックはもうたくさん!!」


ってね。


運命すら感じるくらい自分と噛み合う相手を見付けられたのに、そうして結婚して、結婚してからもお互いにがっかりとかせずに幸せにやってこれたのに、その人を病気で喪うとか、どんなドラマだよ!?


しかも、大好きな娘が小学校に上がる直前にその子を残して死ななければいけないとか、まだまだ甘えたい盛りに大好きなお母さんを亡くすとか、脚本ふざけすぎだろ!!


って正直思うんだ。


だけどそれはもう書き直すことも取り消すこともできない<現実>なんだ。それを思えば、物語の中の不幸なんて、所詮はただの作り話。現実には存在しない。そしてそれ自体が<救い>だと思う。現実じゃないってことがね。


登場人物がどんなに苦しい思いをしてても傷付いても命を落としても、それは現実じゃないんだ。アニメだったらそれ以前の回を見返せば、マンガだったらそれ以前の巻を読み返せば、その登場人物は確かに生きててそこにいるんだから。


だから思う。そんなたかがフィクションが自分の思い通りに展開しなかったからって感情的になる人は、たぶん、子供を育てるには向いてないんじゃないかなあ。だって、子供って全然、親の思い通りにならないから。当たり前だよね。子供は、アニメや漫画の登場人物じゃない、生きてる人間なんだから。


アニメの登場人物は、一回何かを経験するだけで同じ失敗はしなくなったり成長したりするけど、生身の人間はそうじゃないんだよ。子供は特に、何度でも同じ失敗をすることが多い。言われたことを忘れてしまって同じ過ちを繰り返すことも多い。一回で完璧に理解して二度と失敗しないなんて、逆に珍しいことだと思う。


アニメの登場人物が何度も同じことを言ったり、同じ失敗を繰り返したり、経験を活かしてないようなことをするだけでキレる人も多いみたいだ。生身の人間ならそんなの当たり前なのに。


『だってアニメだろ』


って言うかもしれない。でもだったら、自分の思う通りにならなくても『だってアニメだろ』で済ませばいいじゃないか。たかがアニメにそんなにムキになるような人が、自分の思い通りにならない現実の中でどうやって生きていくつもりだよ?。


僕は、妻を亡くしたことでそれを本当に思い知らされた。現実は残酷だ。理不尽で不条理だ。でも逆に、現実の中の幸せも、確かに現実なんだ。作り話の中の幸せじゃなくてね。


ドラマティックな展開はもう要らない。日常の中の小さな幸せがあればそれで十分だよ。


と、「パパ、大好き」って微笑みながら言ってくれる美智果を見てそう実感する僕なのだった。



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