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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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そんなの、ただの甘えだよね

美智果は本当にいい子だ。僕にはもったいないくらいにいい子だ。でもそんな美智果も、子供らしいワガママも言うし僕の思い通りにならないことだって何度もあった。


僕が仕事中にも拘らず何度も話しかけたり、抱き付いてきたりしたのもその一つだ。


だけど、自分の子供だって人間である以上、何でもかんでも自分の思い通りになると考える方がおかしいと僕は思う。そんなの、ただの甘えだよね。何でもかんでも自分の思い通りになってほしいっていう甘えだよ。


だから僕は、美智果が自分の思い通りにならないからってイライラしないように心掛けてきた。もちろん、僕だって人間だから虫の居所が悪い時だってある。そんな時にはつい、「今、仕事中だから!」って強い口調で言ってしまったりしたこともあった。


でも僕は、仕事中だからっていうのを理由に苛立ちをぶつけてしまったことを正当化したくなかった。イライラしてしまったのは僕が未熟だったからだ。大人としてそういう部分を切り替えていくことを身に付けるべきだと思ってるのにそれができてないのは僕自身の責任であって、美智果の所為じゃない。きつい言い方になってしまったのはただの八つ当たりだ。それを『仕事中だったんだから仕方ないだろ』とは言いたくないんだ。それは甘えだから。


子供に『甘えるな』って言うんだったら、親が自分自身を甘やかしてる姿を見せちゃ駄目だと思う。と言っても親も人間だから完璧じゃないし、つい甘えたくなってしまうこともあると思う。だったら逆に、子供が甘えてくるのをある程度は許容するべきなんじゃないかな。少なくとも、自分が甘えたいと思ってしまったのと釣り合う程度には。


そういう訳で、僕は仕事中に美智果が甘えてくることもある程度は許してる。ただ、特に忙しい時や、僕が他の理由で虫の居所が悪い時には『ごめん、今、忙しいから』って言って我慢してもらうようにしてるんだ。そうすることで、美智果の方も、いつでもどこでもいくらでも甘えていいっていう訳じゃないっていうのを少しずつ学んでいってくれてる。むしろ、普段、甘えられる時があるから、甘えちゃいけない時は我慢できるっていうのもあると思うんだ。今は我慢して、次に甘えられる時に甘えさせてもらおうって。


まったく甘えることができないっていうのは辛すぎると思う。僕も美智果に対して甘えてる部分は間違いなくあるから、だったらこの子が僕に甘えたいっていう思う気持ちについても許容するべきだと僕は思ってる。


我慢してもらわないといけない時っていうのがあるのも事実だからね。そうじゃない時にしっかり甘えてもらって、我慢しないといけない時には我慢してもらう。メリハリが大事ってことかな。



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