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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
52/201

痛いんだからしょーがないでしょ!

「あ~もう! オッパイ邪魔~! うっとうしい~!」


最近、ようやくオッパイぽくなってきた自分の胸を掴みながら、美智果がそんなことを言い出した。


「邪魔って言っても、そればっかりはお父さんにもどうにもできんからな~」


視界の隅でその姿を捉えながらも、僕は平然とそう応えてた。小六の女の子のオッパイとか、世のそういう趣味の連中からしたら狂喜乱舞のウラヤマケシカランのかも知れないけど、それも見慣れてしまえばただの脂肪の塊だからね。中年太りのオッサンの腹と変わらない。いや、オッサンの腹には乳腺はないけどさ。


まあそれはさておいて、美智果は、両手でオッパイを支えるようにして軽く揺らしつつ、


「ちょっと走ったくらいでもドィンドィン揺れて痛いんだよ~、マジこんなの要らない~!」


だって。


「え~? 揺れるほどありそうに見えないけどな~」


そうだった。僕が見る限りだと精々Aカップあるかどうかって感じにしか思えないのに、痛いくらい揺れるものなのかな。


そんな僕の疑問に美智果は、


「痛いんだからしょーがないでしょ! ウソじゃないもん!」


と口を尖らせて怒った顔をした。


僕も別に美智果が嘘を言ってると思ってる訳じゃない。ただ、正直な感想を述べただけだ。まだまだチッパイの範疇にしか見えないそれが揺れて痛いというのは僕にとっても驚きだった。


今ではスポーツブラもしてるけど、それでも揺れるらしい。そういうもんなのか。


ここで母親が相手だったら共感できるところかもしれないものの、男の僕には分からん悩みだな~。


ただ、美智果の様子から見て、本当にどうにかしてほしいと思ってる訳じゃないのは分かった。ただ愚痴りたいだけなんだ。


世の中には、他人の他愛ない愚痴すら許さないのがいるけど、それ、他人の愚痴は見たくないっていう愚痴だからね? 自分は愚痴るけど他人が愚痴るのは許さないって、どんだけ甘えたいんだろう。


僕はそう思うから、よっぽどしつこいのでない限りは愚痴をこぼすのも仕方ないと思ってる。僕もきっと気付かないうちに愚痴をこぼしてるし。


「そっか~、そればっかりはお父さんもどうにもしてやれないよ。ごめんな」


美智果の方に向き直って、彼女の目を見て頭を下げた。すると美智果も不満は少し残しながらも、


「分かってるよ~。言ってみただけだよ」


って、やっぱり胸をふにふに揺らしながらそう言った。


言ってもどうにもならないことでも、口にすることで気が済むことも多いと思う。これも、そうやって自分のストレスと上手く付き合っていくことを学ぶ機会だと思ったのだった。



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