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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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矛盾するそれらを受け止められる人になってほしいと思う

子供が自分の気持ちを上手く伝えられないのは、未熟なんだから当然だと思う。だから子供が大人に気持ちを察して欲しいと願うのは分かる。だけど、大人がそれを言うのは違うと思うんだ。大人がそれを言ってたら、何の為に経験を積んできたのか分からないじゃないか。


もちろん、大人だって万能じゃない。だから僕は自分の気持ちを上手く伝えられないことだってあるのは仕方ないとも思ってる。でも自分の気持ちを相手に伝えることができなくて、しかもそれを伝える努力を放棄するんなら、自分の気持ちが伝わらないということを受け止めるべきだと思ってるんだ。分かってもらえないことを相手に所為にして腹を立てたりしないって。


それは、自分の子供相手でも同じだと感じてる。むしろ、自分の子供が相手だからこそ、伝える努力を放棄するなら伝わらないことを子供の所為にしたくない。と言うか、伝える努力を諦めたくない。そういうことを諦める大人の姿を、美智果に見せたくないんだ。


美智果に、そういうことを投げ出す人になってほしくないからね。


リンちゃんに美智果の気持ちが伝わってないし、今の美智果がそれを伝えることを諦めてしまってるのは分かってる。どんなに頑張っても伝わらない相手もいるっていう現実も確かにある。だけどそれでも、好美よしみちゃんや真理恵まりえちゃんっていう友達を見付けることができてるのも事実だ。


好美ちゃんと真理恵ちゃんは携帯電話を持ってるけど、美智果は持ってない。メッセージアプリも使ってない。連絡はいつだって直電かメールだ。なのにちゃんと友達でいられてる。好美ちゃんも真理恵ちゃんも、美智果に電話する時はうちの固定電話にかけてくることになる。そしてちゃんと僕に名前を名乗って要件を話す。最近は他人の家に電話も掛けられない人がいるっていうけど、少なくとも美智果と好美ちゃんと真理恵ちゃんはそうじゃない。必要なことを相手に伝えるっていうことをちゃんとしようとしてる。少なくとも、自分にとって大切な相手にならね。


それと同時に、ウマが合わない相手とは分かり合えないという事実も受け入れることができる。自分のことを認めてくれない人だっているのを分かってる。


自分の気持ちを伝える努力を続けることと、それでも伝わらない相手もいるという事実を受け入れるということと、矛盾するそれらを受け止められる人になってほしいと思う。


でもだからこそ、親子である僕と美智果とでは、ちゃんと伝えたいと思うんだ。


「美智果、愛してるよ」


僕の気持ちをしっかり言葉にして彼女に伝える。


「私も、パパのこと大好き!」


美智果も、それを真似してくれるんだ。



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