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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
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こら~、ちょっとは手伝え~!

「おじゃましました~」


五時頃、誕生日パーティーをしてた美智果の友達が一斉に帰っていって、家の中の空気が一気に変わった。いつもののんびりだらけた感じに戻る。


「あ~、楽しかった」


と言ってる美智果も、友達が帰った途端にパンツ一丁に戻る。うん、やっぱりこの姿がしっくりくる。服を着てる美智果って何となくピンと来ないんだよな。


「食べ過ぎで晩ごはんとかムリ~」


だって。僕がパーティーの後片付けをしてるのに自分はゲームかよ。


「こら~、ちょっとは手伝え~!」


一応、そう声を掛ける。でも返ってくるのは、


「え~?、メンドクサ~イ」


だ。


まあ普通ならここで『何様だ!?』『子供を甘やかすな』って話になるんだろうけど、実は僕も子供の頃はそうだった。自分で片付けたことなんてない。いくら注意されてもだ。


だけど、今はこうして子供が散らかしたのを片付けてる。<立場が人を作る>とは言うけど、これもその一種なのかなって思う。親という立場になったから、自分が親にさせたことを、今度は自分がするんだ。いくら親に注意されても片付けなかった僕が美智果にそれをさせようなんて、ムシが良すぎるってもんじゃないかな。


だって、


『自分は親に片付けてもらった。そして今度は子供に片付けさせる』


って、お前、結局自分じゃ片付けしてないじゃん!?。ってなるだろ?。こういうのは持ち回りなんだよ。


もちろん、いずれは美智果も親の立場になったら自分が片付けないといけなくなると思うよ。だから『ちょっとは手伝え』って言って、本当は片付けないといけないんだって刷り込んでるんだし。


厳しい環境が人を育てるって言うけど、僕は少し考えが違う。厳しい中でも自分は見捨てられてない、誰かの助けがあるからこそ自分は生きられてるっていうのを知るから、自分も誰かを助けられるような人間になりたいって思えるんじゃないかな。


社会が厳しい、この世は理不尽だなんて、そんなことは分かってる。他人から見たら僕が甘やかしまくってるように見えるかもしれない美智果だって、リンちゃんのこととか、自分の思い通りにならない現実にぶつかってる。甘えたい盛りに母親を喪うなんて、とんでもない厳しさだと思う。<厳しい環境>なんてわざわざ作らなくても、日常的に壁や困難にぶつかるのが人生ってものじゃないか。要は、それにどう対処すればいいのかっていうのを身に付けていけばいいんだろ。


厳しくするのがいいって言ってる人だって、もし、この世が戦国時代の頃の厳しさに戻ったら耐えられるのかな?。理不尽な命令で切腹することになっても泣き言を言わずにいられるのかな?。


僕にはとてもそうは思えないんだ。



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