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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
32/201

うん、楽しかった!

昼過ぎ。暑くなってきたし客もすごく増えてきてそろそろ潮時だと思った。


「美智果、そろそろ帰るか~?」


「え~? もうちょっと~」


これもいつものやり取りだった。こうやって時間が迫ってきてるってのを意識させた上でしばらく遊んでもらって、納得してもらうっていうね。


強引に従わせなくても、この子は分かってくれる。だから僕の方もこの子が従いやすいようにちょっとだけ工夫するんだ。


いよいよ人が多くなってきてのんびりできない感じになってきたのを見計らって、


「どうだ、帰るか~?」


って改めて訊く。すると美智果も、


「うん、分かった~」


って言ってくれるんだ。


「どうする? お昼食べていくか?」


「お腹へった」


という訳で、荷物をまとめて海の家に行く。シャワーを使う為だ。三年生の頃までは僕が一緒に入って男性用のシャワーを使ってたけど、さすがに四年生からはマズいかなと思って一人で女性用のシャワーを使ってもらってた。それまで何度か使ったから使い方も分かってるし。


美智果を待つ間に席を取って浮袋の空気を抜いて待つ。彼女が着替えて出てきたら、うどんとタコ焼きを注文した。正直、こういうところの料理がおいしいと思ったことはないけど、雰囲気を味わうものなんだろうな。


「楽しかったか?」


「うん、楽しかった!」


嬉しそうに笑いながら美智果が応える。この笑顔が見たいから来てるようなものだ。僕はインドア派だからね。ホントは海とか好きじゃないんだ。


美智果もゲームやアニメが好きだから基本的にはインドア派なんだけど、海とかイベントとかに出掛けるのは好きなんだよな。そういうところは僕とは違う。本人は『コミュ障だ』と言ってるものの、僕はそう思ってない。だって、分からないこととかがあると自分から駅員や店員とかに声を掛けることができるんだ。ホントのコミュ障の人ってそういうのがまずできないんじゃないかな。


アイドル好きのリンちゃんとのことで他人との関わり方にちょっと苦手意識を持ってしまったというのはあっても、この子は決して人間が嫌いっていう訳じゃない。苦手な人もいて、そういう人との距離感の掴み方を、今まさに学んでるところなんだと思う。


「さて、帰るとしますか」


「は~い」


食事も終えて、僕と美智果は駅に向かって歩きだした。でもその前に、海水浴場近くの水族館にも寄っていく。これもいつものパターンだ。


何度も来てるからぐるっと見るだけですぐに出るけど、美智果は満足そうだった。そうして今度こそ、駅へと向かったのだった。



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