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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
27/201

やふ~! やっぱ夏はプールだよね~

「やふ~! やっぱ夏はプールだよね~」


と、美智果はご機嫌だった。でも、ベランダでビニールプールでだけどね。


「うひゃひゃひゃ! うきゃ~っ!」


とか奇声を上げながらばちゃばちゃと一人でハイテンションになってる。かと思ったら急に静かになってプールのふちに頭を乗せて『ほけ~』っとしてたり。で、休憩が終わったと思ったらまた「ぎゃひ~っ!!」とか奇声を上げながらばちゃばちゃと。それから今度は水鉄砲を兼ねた霧吹きで虹を作って「お~!」と歓声を上げたり。


六年生なのに遊び方が園児と同じだな。


そう。美智果はとっても幼い部分があるんだ。異性に対して興味がなかったり、僕の前でパンツ一丁どころかすっぽんぽんでも平気だったりするのはその所為もあるかもしれない。でも、僕の前では急いで大人になる必要がないんだろうなって感じもする。


「いや~、まんぞくまんぞく」


一時間ほどたっぷり遊んで部屋に戻るとすぐに水着を脱いですっぽんぽんのままで「てぇい!」とそれを洗濯機に投げ入れた。


「うおっしゃぁ~っ! ナイスイン!」


で、やっぱりすっぽんぽんのまま今度は冷蔵庫を開けて牛乳をパックから直飲み。


「っか~っ! うめぇ~!」


うん。我が娘ながら実にフリーダム。


世の男共は『色気がない!』とか『女子力がない!』とか貶すだろうけど、いやいや、これが可愛いんじゃないか。何と言うか、実に猫っぽい。


猫が人間の前で照れるか? 恥ずかしがって『やだ、見ないで!』とか言うか? 言わないだろ? 言わないけど可愛いだろ? それと同じだよ。気取ってなくて媚びてなくてのびのびしてる。それがいい。


でも一応、


「パンツくらい穿けよ~」


とはツッコむけどね。すると美智果も、


「うぃ~っす」


と面倒くさそうに答えながらしぶしぶパンツを穿くと。


この辺りはお約束と言うか、ここまでがセットなのかな。でも今日は。


「パパぁ~」


って鼻にかかった声で言いながら、仕事中の僕の体と椅子の背もたれの間に強引に体をねじ込んできた。背中にぴったりと抱き付きながら、


「あったかい…」


だって。


プールで冷えてしかもエアコンの利いた室内に入ってきたからちょっと寒かったんだろうな。美智果の体がひんやりしてて気持ちよかった。


「パパ、大好き…」


「お父さんもだよ」


こうやって気まぐれに甘えてくるところも猫っぽいのかな。


でも、ひんやりとしてた美智果の体が温まってくると、


っついわ!」


って言って離れて、またテーブルのところの定位置に座ってゲームを始めたのだった。



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