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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
2/201

腐女子じゃないもん

「きゃ~! ほたる~ん!! カワイイよほたる~ん!!。


ぎゃ~っ! 刀装が剥げた~! 何してくれてるんじゃボケ~! 〇ね〇ねぶっ〇せ~!!」


仕事をしてる僕の後ろで、塾から帰ってきた美智果が今日も騒いでた。今一番のお気に入りの、刀剣の付喪神のキャラクターが出てくるゲームをやってる最中だ。もちろん今日もパンツ一丁で。


学校の成績は体育を除いてほとんどの教科が常に『よくできる』なので、ゲームのプレイ時間には敢えて制限をかけてない。宿題は学校から帰ってきたらすぐに終わらせるし、本人が好きで塾にも行ってるから、まあそのご褒美としてかな。


僕の主な仕事はネットショップの管理。と言ってもドロップシッピングという形態なので直接商品を扱ってる訳じゃない。妻がまだ生きてた頃に勤めてた会社が倒産して次の仕事を見付けるまでの繋ぎとして始めたものが何故か好調で、そのまま本業になってしまった。扱う商品はドール関係が主。知り合いにドール好きな人がいて試しにやってみたらと勧められたのがきっかけで、僕自身はそんなに詳しくない。商品のチョイスは今もその知り合いのアドバイスで決定してる。


でもまあ、自分が扱ってる商品のことくらい多少は知っておこうと思って購入した三分の一ドールが、うちのリビングの、かつて妻の定位置だったところに鎮座してる。美智果がそのドールのことを『ママ』と呼ぶので、今はすっかりママで定着してしまった。ちなみに、やや赤味がかったクセ毛に骨太のがっちり体型だった妻には似ても似つかない、黒髪ロングのストレートヘアが似合う、白いドレスの可憐な感じの人形だけど。


それはさておき、刀剣の付喪神のキャラクターが好きということでよく『腐女子』だと思われがちだそうだけど、美智果自身はそう言われると怒る。そういう形で好きな訳じゃないらしい。


『私はカッコよくてカワイイから好きなの! カップリングとかは興味ないから!!』


だそうだ。


僕もまあ、アニメは子供の頃から好きでよく見てた。近年のものなら『エヴァンゲリオン』と『フルメタル・パニック!』が好きかな。直近では『鉄血のオルフェンズ』か。最近のものも、録画したのを娘と一緒に見てる。


「じゃあそろそろ夕食にするから」


仕事が一段落して、僕がそう声を掛けると、美智果も「は~い」と応えてくれた。


今の仕事を続けてるのは、順調だからというのももちろんだけど、こうして美智果と一緒の時間を過ごせるというのが一番だった。


なにしろ、母親を亡くしたばかりの頃のこの子は、傍目に見てても危なっかしい感じだったから。



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