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美智果とお父さん  作者: 京衛武百十
15/201

私、アイドルとか興味ない

家では僕相手に遠慮なくものが言えて陽気にしてる美智果だけど、学校ではむしろ<おとなしい子>という評判らしかった。でもそれが何故か、僕は分かってる。この子のノリについてこれる子が少ないからだ。


美智果は、お笑いは好きだけどアイドルとかにはまったく興味がなくて、クラスの女の子達とは話題が噛み合わないそうだった。特に、<リンちゃん>っていう、男性アイドル好きの子とはウマが合わないらしい。


以前、そのリンちゃんの前で、


『私、アイドルとか興味ない』


ってはっきり言ったらそれ以来きつく当たられて、そのことをきっかけにして、好美よしみちゃんや真理恵まりえちゃんを始めとしたアニメとかゲームが好きな女の子以外とは関わるのが怖くなってしまったみたいだった。


リンちゃんって子がきつく当たってくることについては担任の先生にも相談して対処はしてもらえたからイジメとかにエスカレートするようなことはないけど、美智果にとってはショックなことだったのは間違いなかった。


『そうか、大変だったな』


僕はそう言って美智果のことをなぐさめたけど、それと同時に、諭しておいたんだ。


『美智果。お父さんは美智果がアイドルに興味ないこと知ってるし、美智果がアイドルをディスろうとしてるわけじゃないことも知ってるけど、好きな人の前では言い方を気を付けた方がよかったかもしれないな。


もちろん言い方もあるにしても、自分の好きなものを目の前で興味ないって言われるのは、あまり気分のいいものじゃないだろうからね。今度からは気を付けた方がいいかも』


って。


アイドルに興味が無いのは、妻や僕の影響かもしれない。妻は大のアイドル嫌いで、まるっきり興味を持っていなかった。僕も、男女問わずアイドルにはあまり興味が無くて、家ではアイドルの話題は殆ど出たことがないと思う。そういうのもあって、美智果もアイドルに興味が湧かなかったのかも。


だからアイドルに興味が持てなくて他の女の子と話が合わないのなら、それは親である僕にも原因があることだって思ってる。それでアイドル好きの子の前でアイドルをディスって嫌な思いをさせるような子になってほしくなかった。だったら、話が合わない子とは距離を置くぐらいでちょうどいいと思ってる。


アイドルが好きなことも、アニメが好きなことも、ゲームが好きなことも、僕はどれも悪いことだとは思わない。僕は美智果に、他人が好きなものをけなすような人になってほしいとは思わない。例え、美智果が好きなアニメやゲームを誰かが貶してたとしてもね。そういう人とムキになって言い合って諍いを起こすような子にはなってほしくなかったんだ。



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