『第3話』
「ある時、この世界の神々が消えたんだ」(ダミ声)
「神様が、消えた……?」
神様っていなくなるの?私は単純にそう考えたが
「そして、天使達だけが残った」(ダミ声)
そんな単純なことじゃないってことはすぐにわかった。
「残された天使達はどうしたの?」
「神が消えた日、その日天使達は最後の命令をくだしたんだろう。すべての生物を滅せよと……」(ダミ声)
……何も言えない。私はきっと部外者だから。
「……」
「……」(ダミ声)
一瞬沈黙が走った。それを裂いたのはアザミだった。
「……知らなかったのか?それに貴様はどうしてこんな森の中にいたんだ。天使に見つかったら貴様───」(ダミ声)
言わなきゃ、いけないよね。信じてもらえないかもだけど……それでも───
「私ね、たぶん違う世界から来たと思う。なんとなくだけどね……」
突然私が言ったことに、アザミはなにを馬鹿なことをと言わんばかりの顔でいたが
「まぁ、一番の理由は動物がしゃべることかな」
「動物……。貴様俺のことを言っているのか!?俺をそこいらの犬や猫と一緒にするな!豚めが!」(ダミ声)
アルパカもたいして変わらないと思うけど……
てゆうか犬とか猫とかいるんだ。
「貴様がどこから来ようがどうでもいい。それより早く行くぞ。長く居すぎた天使が近づいてきている」(ダミ声)
「え、うん。そうだね!私、まだ死にたくないもん!」
とりあえずここから動こう。今はまだどうすることもできないけど。この森からでたらまた考えればいい。
そして私たちは走りだした───
──
───
本当に長い森。今どこらへんだろうか。
「はぁはぁ……あとどれぐらい……」
「あと少しだ」(ダミ声)
「はぁ……はぁ……少しって───」
「いそげ!近くに迫っている!あと少し───」(ダミ声)
私達は……目の前に突如として現れたそれに驚愕しその瞬間体が動かなくなった。いざ目の前で見ると今まで遠くで感じていた威圧よりもはるかに
「すごい……!」
と、しか言いようがなかった。
少女のような姿をした天使であろうそれは私の住んでる世界の神話に出てくる天使に似ていた。
「はじめましてぇ、わたしはぁアルファ。フフフッたくさん走って疲れたでしょお?ところでぇ、もう、死ぬ覚悟はできてますかぁ?イヒヒッ」
殺される私、死ぬの!?アザミは?
「くそっ!ここで、こんなところで!まだ何もできてないのに!」(ダミ声)
あ、諦めちゃだめだよ……でも、この状況を乗り越える手立てがない……。
「……だめ」
まだ……誰か。
「あれれェ?まだできてないんですかぁ?じゃあもういいです。殺しちゃいまぁすっ!あひゃひゃ」
天使 アルファの右手から徐々に光のようなものが集まってきて私達に向けられた。
「もう、だめっ……!」
私は死を覚悟した。その時天使 アルファの威圧が消え体が軽くなった。目を開けると
「え……?あなたは……」
───世界を渡る
彼女は───