『第2話』
「俺の名は───」(ダミ声)
と、言いかけたアルパカ?を横に私は全身にのしかかる重圧、全身を揺さぶる恐怖に怯えていた。
私はとっさにアルパカ?に
「なに、これ。体が動かない!?」
と小刻みに震えながら言った。
ふと、アルパカ?を見ると先ほどと違いなにかに怯えるように全身を震わせていた。
「逃げるぞ……天使だ。近くにいるのか!逃げるぞ、走れ!」(ダミ声)
「え?天使って───」
「いいから早くしろ!」(ダミ声)
慌てて私は足元にある私の鞄を拾いアルパカ?の元へ走りだした。
私がこちらに走りだすのを確認したアルパカ?もアルパカ?が知っているであろう森の出口へと走りだした。
私もそれに続くように走った。
だいぶ走り続けていた。
これほど長い森だとは思わずさすがに体力の限界がきた私は
「ね、ねぇ!ちょっと休ませて……!」
と、息を切らしながら言った。
「何を言っているんだ!死にたいのか!!」(ダミ声)
「えぇー、でも結構走ったしー。お願い!ね?」
「……5分だけだぞ」(ダミ声)
私はくずれるように地面に座った。
「ありがとう……」
私は深呼吸をして落ち着き先ほど聞けなかったことをアルパカ?に聞いた。
「ねぇ、名前、結局さっき聞けなかったでしょ教えてよ!」
「俺の名はアザミだ」(ダミ声)
かっこいい名前だな……。トゥクン
「アザミ、か……よろしくね!私はさとこ!」
アザミは蔑みながら
「豚につけるような滑稽な名前だな」(ダミ声)
と、言った。
「豚じゃないよ!これでもピッチピチの高校二年生なんだから!」
と、少しかわいげに言ってみた。
「なにをわけのわからないことを言っているんだ。それより休憩はもういいのか?」(ダミ声)
「もうちょっとー」
少し落ち着いてきた。私は自分のことを考えていた。どうなるんだろ……。お家に帰れるのかな。そもそも天使ってなんなの……。
「……ねぇ、天使ってなんなの?何が怖いの?」
「ブタめっ(小声)……天使を知らないのか」(ダミ声)
私は自分の知っている天使についてのことをアザミに言った。
「……知ってるよ。神様の使いでしょ?そんなに悪いものなの?」
「悪いな。害悪だ」(ダミ声)
「……べつに最初から害悪じゃなかったさ。人々に祝福を与えたり、各国の王たちに神々の啓示を伝えたりしてたしな」(ダミ声)
「じゃあなんでそんな害悪だなんてことになっちゃったの?」
……
………
この時、私はなにも知らなかったら、なにも聞かなかったらと、時々思う。でも、後悔はしていない───
よんでくださってありがとござますペコリ
前回の投稿から結構間が空いてしまいました
すみませんペコリ