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たまには素直に…
ペ、ペナルティ?
気がつくと恭子は、見知らぬ国にいた。
見渡すばかりの美しい森、射し込む木漏れ日が美しい。
ど、どこなの?ここ!
恭子が起き上がろうとすると、重い何かが覆い被さってる事に気がついた。
葵だった。
恭子は、もう悲鳴を上げる気すらない。
すべての原因、葵 シン。突然、恭子の兄になって、恭子の生活を台無ししている。
でも。
葵は気を失っていた。安らかな寝顔。
なのに、その腕は恭子を守るようにそえられていた。
「まあ、さっきのは嬉しかったぞ…」
誰も見ていないと恭子はちょっと素直になるのだ。
それにしても、恭子は葵をそっと押し退けて、迷わない範囲で森を散策し始めた。
「きれい…」
素直な感想。
あまりにも美しい森だったから、恭子はそこに崖があるのも気がつかず、落ちそうになった。
「きゃ、きゃー!!」
しかし、恭子は落ちなかった。
目を開くと、青い青い空。そして、足元には
いかにもファンタジー的などでかい城。
町には、色とりどりの髪の色をした子供達が、恭子をただ見ていた。