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第2話

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広い邸宅の一室に、円形のテーブルを囲み、朝食を摂る兄妹の姿があった。


「ぽっぽー、ぽっぽー。」


「うん、なかなか上手いですね。それは、まさに鳩ですよ、百合」


「ほんとですかッ!?

よかったぁ〜。これで、来週の学芸会に出られます〜。」


「そうですね」


李紅は、目をキラキラと輝かせながら話す百合を微笑ましく思った。



毎日が穏やかで、一分、一秒に幸せが溢れていると教えてくれたキミ。

キミの大切な人を奪ってしまった僕。

僕は、キミと幸せなじかんを共有したい。

でも、僕の犯した罪が消えることはない。それならば…ー



「鳩はクルックーですよ、百合様。」


突然聞こえた第三者の低い声に、李紅は我に返った。


「どちら、様ですか?」


訝しげに百合が問う。


「私は、日暮財閥当主・日暮清久様の使いの者。李紅様、百合様に言伝てを預かっております」


そう言った男は、メタルフレームの眼鏡、スーツを着こなし、45度ぴったりに腰を曲げた。


身のこなしから、ルックスまで使いの者にしては、出来すぎている


李紅は、直感的にただ者で無いことを見抜いた。

そして、この男は



百合の好みである。

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