第七十八話 王都
いつもご愛読ありがとうございます!
舞台はいよいよ王都へ。魔物討伐という共通の目的を持ち、花とタク、それぞれのプレイヤーが動き出します。
しかし、王都はすでに「謎のプレイヤー」による城壁破壊のニュースで持ちきり。
そんな中、花が王都で出会った「追われている人物」とは……?
「花峰さん!飛行機のチケットと、ホテルの手配、終わりました!また当日よろしくお願いします!統括と春馬くんの分も、やっておきました」
「いつもありがとうございます。助かります。
彼らには僕から伝えておきます。」
(飛行機………憂鬱だ。)
戸井からの報告書、並びに、高口からの報告を見渡す。
(ふーん。この前行った時に会った。あの管理者……全然言いつけ守れてねえみたいだな。
俺の時間はなんだったんだ?……飛行機苦手なんだぞ?……舐めたマネしやがって)
「統括。今度は俺らで、全員と面談しよう。」
「おう花ちゃん、その、なんとかっていう管理者が、やべーんか?
よっしゃ、春馬!お前も合わせて三人で手分けするぞ!」
「了解です!」
春馬は統括の部下。介護部門が統括指揮になり、才能を開花させて頭角を現したマッチョだ。
統括は、花の幼馴染。花の性格や努力を間近で見てきた数少ない友人だ。人を束ねるカリスマ性があり、青春時代は統括らの元に何人も集まりはしゃいでいた。
「今回沖縄!気合い入りますね!統括!」
(お。春馬も気合い十分だな。)
「ああ、所長も一緒に行くらしい……どんなとこ連れていってくれるんだろうな!」
(…………あ……そっちの気合いか……)
◆
「ここが王都か!でけえ街並みだなぁ。
ああ、あそこが城だな?とりあえず行ってみるか。とっとと依頼を済ませて、デート資金にするか。」
門の前で、見張りと遭遇する。
「ここからは通さん!何か証明できるものはあるか?!」
「あ?証明だぁ?んなことはどうでもいい、討伐の詳細を聞きにきたんだ、通してくれ。」
「ダメだ!証明できるものがない限り、通さん!」
「あんだと〜?」
「はい、これでどう?カレッジの証明書」
「お通りください!」
「見ての通り、何かステータスになりそうなものはあるかい?なんでもいい。」
「あ、ああ、俺もカレッジ生だ。ほらよ!」
「お通りください!」
「ち、なんなんだあいつらは。」
「まあ、彼らはNPCだから、決まったことしかできないんだよ。じゃあ、僕はこれで。」
タクは青年を後ろから眺める。
(大剣使いか、カッケェなあ。まるで最近リメイクされた、ロープレの主人公みたいだ。)
向かう先が同じだったため、タクは青年の後ろをついていく。
王城の受付にて案内を受ける。
討伐依頼は脇道を逸れて、王都内の訓練所へ誘導された。
「す、すげえ!これが、訓練所??なんちゅう人の数だ!」
「そこの二人!説明するから来なさい!」
副官らしいNPCから呼ばれて、青年とタクは説明を受けた。
ゴブリンキングは、通常のゴブリンの何倍も大きく、攻撃力も高い。
基本的には単体で行動しており、川の付近に出やすいとの情報。
最近、王都付近の森まで来て。被害が大きいそうだ。
他のモンスターの生態系も崩れるといけないので、討伐して欲しいとのこと。
二人は説明を終えて引き返す。
「ん?おい!あそこ、なんで城壁が崩れてんだ?ゴブリンキングのせいか?」
「ああ、あれは、昨夜討伐説明を受けに来たものがやったのだ。
うちの兵士が喧嘩を売ったせいで、返り討ちにしたらしい。」
「お、おい、お前、今の聞いたか?そんなとんでもねえプレイヤーがいるのかよ……」
タクは青年に話しかけるが、青年は無言だった。
「……………」
青年とはその後特に話すこともなく、自然に別れた。
(あんなの見たってのに、眉ひとつ動かさねえなんて、あいつもなかなか強そうだな。
だが、関係ねえ。ちまちま50体やるより、ゴブリンキングをやっちまおう!)
◆
ランスは花と約束してから二日後の日中に王都へ説明を受けに行った。
説明を受けた後、速やかにカレッジへ戻る。
すると、電光掲示板がランスの目に、すぐに飛び込んできた。
『王都、城壁破壊!謎のプレイヤー現る!ゴブリン退治は誰の手に!』
(す、すごい見出しだなあ………まあ、どうせ花だろうけど。目立ちたくないって言いながら、十分目立ってるよ。)
◆
昨夜。
「よし、ここが王都か。ゲーム内も夜か。
こんな遅い時間だが、すごい人だ。
キラキラした街頭の中、花は王都へ向かうのだった。
ドン!
何かが花にぶつかった。
ガシッ、咄嗟に花は倒れる人の腕を抱えて助ける。
「おっと、大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます!す、すみません!わたし、追われてまして!」
(お、追われてるーー?!)
第七十八話 完
第七十八話をお読みいただき、ありがとうございました!
王都に着いた花を待っていたのは、まさかのトラブル。追われていた人物とは一体誰なのか?
物語は一気に緊迫感を増してまいりました!
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