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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第二章 いざ、ビギナ大陸へ――導きの学園と、揺れる心 編

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第七十二話 将来像

静寂に包まれた教会で、花は自らの過去と現在を振り返ります。

叶えられたはずの願いと、その代償のように降りかかる理不尽な現実。

孤独な独白の果てに、静寂を破って現れたのは……。

とあるお寺の初詣。

花は、願いを一つ叶えてくれるという言い伝えのあるお地蔵様の前にいた。都市伝説にも載らないくらい、超ローカルなネタだ。

この地に、花は修行に来ていた。

将来、ある程度周りのセラピストと肩を並べるために。自己紹介を心の中で唱え、願いを言う。


(ひとこと地蔵様。私は、この地に修行にきました。まともなセラピストになれるように、この地で努力します。

どうか、セラピストとして、人として成長できるよう、見守ってください。よろしくお願い致します。)



花は港から歩いて教会に向かった。

坂を登り、階段を登りきる。

振り返り、階段に座り、ビギナ大陸の景色を眺めていた。

今日は一人になりたい気分だった。

セーブポイントがカレッジのため、誰もここにはこない。

少なくとも知っている人は。

この教会は、プレイヤーからはスルーされやすいようだ。

それもそのはず。

バトルの匂いはしないから、まずは目立つカレッジやら王都を目指すからだ。

花にとってはちょうどよかった。


(たしかに……セラピストとして、随分勉強になった……いい経験ができたよ。俺の財産だ。願いを叶えてくれたんだな、感謝しています。


ただ……その代わり、どえらい奴と、出逢ってしまったな……ひとこと地蔵さま……"人として"の成長も、確かに願いました。

しかし、こんなことってありですか?

こんな想いしなくても、俺は、人に嫌なこと、絶対にしませんよ……いったい、どんな成長を俺に求めてるんですか?…………忍耐……耐えることですか?……どんな目に遭っても、平常心でいる、心の成長ですか?……もう、疲れましたよ。

まるで、呪術だ。

俺は、いつまで呪われればいいんだ。

いつまで理不尽な目に遭えばいいんだ?

でもそうさ……わかってるよ、んなことはわかってるんだよ‼︎

俺自身が、早く切り出せばいいことくらい‼︎

けど……普通できるかよ?!

娘がいるんだぞ?!可愛いんだぞ!?

アイツらのせいで、離れ離れになるなんて、考えたくもねえ‼︎

それこそ、負けじゃんかよ‼︎

だから理不尽なんだよ……くそ‼︎

子供が大人になる頃なんて、俺はもうジジイだ。それからやり直すったって、もうおせえんだよ‼︎

誰がそんなジジイ相手にすんだよ‼︎

そうかい、そうかい。

こんだけ頑張って生きて、結局、一人で生きてくか、悪魔と共に生きてくか、この二択しかねえってことだろ‼︎?


……………なら。


俺は、一人でいい………。


多分……もし神様や仏様がいるとして……

俺に成長をさせようとしてるとしたら……

それは……

理不尽な目に遭っても、強く乗り越えること。

嫌なことをされても、水に流し、許すこと、

だろ?

わかってんよ、そんなこたあ。

けどなあ、神様、仏様……

今までされた、辛いこと。

そう簡単には消えねえよ………ちくしょう。)


花は、心の中で、将来を想像するたびに絶望していた。

選択を誤ったこと。

理不尽な目に遭い続けていること。それは、わざわざ経験しなくても良いこと。


花は、今までの自分の行動を振り返っていた。

確かに、人並みの男子として、若気の至りはあった。多分、迷惑をかけた人もたくさんいるだろう。その時、嫌な思いをさせてしまった時もあっただろう。もう顔も名前もわからない人もいる。自分も傷ついたこともある。

恋愛以外でも、多分、迷惑かけたり、対立した人もいるはずだ。

しかし、ここまで罰を受けるものなのか?


でも、自分が完璧では無いことも、よく知っている。

振り返って、思い出せる数々のことが、罰として降りかかってきてるんだと、花は反省するのだった。


景色を見ながら、ただ、時間だけが過ぎていく。

すると、下から人影が見えた。誰かが坂を上がって、こちらへ歩いてくる。

その姿がはっきりと視界に入った瞬間、俺は思わず声を漏らした。


「…………はあ?……意味がわからん。なんでお前がここにいるんだ?」


第七十二話 完





最後までお読みいただき、ありがとうございます!

花の抱える深い葛藤と、過去の報いについての自問自答。ALOという仮想世界の中で、彼はようやく自分の内面と向き合うことができたのかもしれません。

そして最後に現れたのは……? 次回の再会にご注目ください!

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