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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII


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第七十話 似たような人

新たな局面を迎える第七十話。

一歩を踏み出す者、それを見つめる者、そして現実世界で予期せぬ呼び出しを受ける者。

それぞれの運命が、静かに、しかし確実に交錯し始めます。

(さて……そろそろALOに入ってみよう。

前作があまりにも慣れすぎて、ずっとひたすらプレイしていた。

そして……新しい環境にいくのは怖い……そう……あれから他人と関わるのが怖い……みんなが敵に見える……大袈裟かもしれないが、みんな、いつかは裏切るんじゃないか?

そう思うと怖くて仕方がない。

しかし……あの子の勧めてくれたこのゲーム……これだけは、逃げたくなかった。)


ピコン

ゲームの起動音とともに、引き継ぎが開始される。


「見た目は……格ゲーオタクだから、これしかないな。

ん?ステータス引き継ぎ……そんなおまけもあるのか……もちろんこれだな。これが主軸だったからな。」


(空港?フロアの選択?

………人がいないのは……"フロア数字の若い方だ"と、先ほどのNPCが言っていたな。

なら……1だな。

おお、すごい景色だ……)


……………


「ここが、ALOの世界……前作よりも、全てが綺麗になっている……さて、さっそくチュートリアルを聞こう。あっちに受付嬢がいるはずだ。」


カウンターに辿り着く。が、受付嬢の姿はない。


(NPCもいない?なんかのバグか?)


すると、カウンターの奥から誰かが走ってくる気配がした。


「お待たせしましたー!ALOへようこそー!

新規の方ですか??」


(な………なに?!…………そ、そっくりだ………バカな……間違いじゃなければ、この子は………アイドルの卵、リナだ……!)


「あ、あの〜……大丈夫ですか〜?」

(な、なんか、この前もこんな反応されたなあ、わたしって、そんなに場違いなのかなあ?)


(はっ‼︎いかんいかん!つい見惚れてしまった!

画面の中でしか見たことがなかったから、つい……それにしても、なんて眩しいんだ……め、目が開けてられん……)

プレイヤーは、顔を隠す仕草をする。


(むむ、このポーズも、前に誰かにされたような……)


「す、すまない。チュートリアルの…ガイドをしてほしいのだが……頼めるか?……ですか?」


(頼めるか?ですか?……なんだか面白い日本語!もしかして外国のひとかなあ?)


「はい!もちろんです!プレイヤー名はSUBARUね!よろしくお願いします!スバルさん!」

(どぅぉわ‼︎……ま、眩しすぎるーー‼︎)


(まただ……あ!そういえば、花さんも初めての時、こんなリアクションしてたなあ!いったいなんなの?……ま、わからないから、いっか!)


物陰から、タクが様子をみていた。


(新規プレイヤーか……何やってんだありゃあ?

………なんか、眩しそうだな……ふっ……わかるぜ……あいつも、俺と同じか……俺も、初めてリナがスタジオにきた時、全く同じ反応だったぜ……懐かしいなあ……)



「と、いうことで、チュートリアルは以上です!何か、質問はありますか?」


「いえ、今は特に……またわからないことがあったら、聞いても大丈夫?ですか?)


「タメ口で大丈夫なので、気兼ねなく何でも聞いてください!」


「………俺……何年も前から、ずっと引きこもってたんだ。それから、あるアイドルの女の子に、ゲームでもしてみたらどうかって勧められて……それから、ずっと前作ばかり、慣れた場所ばかりでプレイしてて……

けど、今日、新しい環境に、一歩踏み出すことができた……。

今日は……丁寧に説明してくれて、ありがとう。

少し、勇気が出てきたよ。」


スバルはお礼を伝えて、森の方へ去っていった。


(ある、アイドルの女の子?………オタクのお方なのかなあ?……引きこもってたところ、ゲームを勧めてくれたんだぁ……なんか、わたしも似たようなことあったなあ……ヨシハルさん。いつも応援のメッセージくれてたっけ。他のファンと違って、丁寧な文面だったから、なんだか印象に残ってたんだよね。マリーさんの弟さんかもしれないし、久しぶりに、あの頃を思い出しちゃった。

元気にしてるかなあ。わたし、もう活動辞めたから、嫌われちゃったよね、きっと。)


はじまりの森で、スバルは肩慣らしする。

近くでタクが見ていた。

他のプレイヤーがどんな動きをするのかを確かめるために。


キキャー!


スカ!

スバルはゴブリンの攻撃を、紙一重でかわし、体勢を整える。

「はぁぁぁ、せやー!」

バキィ‼︎‼︎


グゲー‼︎

ドサ……バシューン……


ゴブリンは、一撃で倒れ、ドロップアイテムが散乱した。


(うげ?!なんだ?あのでたらめな蹴りは?!しかも、動きに隙がねえ!

………こりゃ、負けてられねえぜ!

ヒロシの野郎がリナに近づく前に、俺がさきに見つけ出してやる!)


(さっきから、アイツがずっと見てるな。隠れてるつもりか?まあいい、しかし、今度あとをつけてきたら、追い払おう。

気持ち悪い。)


こんなに近くにいるのに、二人はまったく、リナだと核心が持てないのであった。



「戻りましたー。」

「おう!花峰!ちょっといいか??」

「所長、お疲れ様です。今向かいます。」

花は、荷物を置き、すぐに所長の元へ向かう。

所長は会社のNo.2。だが、実際には創業時からずっと現場を引っ張ってきたため、社長と並んで二大巨頭の一人だ。


「花峰、来月なんだがな、ちょっと、高口んところに、様子見に行ってくれんか?!」


(え!?様子見?…ということは、あそこへ行くのか?俺が?!)


現実での花に、いったい何が起こったのか。


第七十話 完

第七十話をお読みいただきありがとうございました!

新キャラ・スバルの登場、そしてリナの過去に触れる回となりました。

タクとスバル、似た者同士(?)の二人が今後どう関わっていくのか……。そして、現実世界で花に下された「様子見」の指示。物語は大きく動き出します!

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