第六十五話 周囲の反応
現実と仮想世界、それぞれの場所で物語が大きく動き出します。
ハナたちが冒険を続ける裏側で、かつての仲間や謎に包まれた運営、それぞれの想いを胸に『ALO』へと集っていきます。
タクの影が忍び寄る中、世界は少しずつ形を変えていくことになります。
「ヒロシさん!例のゲーム、どうすか?」
「ん?ああ、あれは最高だなあ。先駆けてやればやるほど、自分のテリトリーが増えていく。
課金すりゃあ、コツコツやらなくてもサクサク行けるしな。」
「俺らも、そろそろ参戦しましょうか?」
「ああ、そうだな。後半年くらいで、ギルドを太らせねえとなぁ。
さあ、今日も客を楽しませろよ!お前ら!」
◆
「会長。開発部門、今月も順調です。
例のゲームの下請けが、とてもスムーズだそうです。」
「ああ、請けて良かった。お前に任せて正解だったよ。今度も頼むぞ。あと……アツムとミネオミも、支えてやってくれ。」
「………会長……いえ、おとうさん。兄さんたちのことは、一応目を光らせてますが、二人とも癖が強すぎて、わたしにはコントロール出来ません。」
「わかってる……苦労をかける。」
「では、失礼します。おとうさんも、遅くまでゲームやりすぎないようにね。もう歳なんだから。」
ガチャリ
(…………バレてたのか………やれやれ…気苦労を発散するために、軽い気持ちではじめたんだが、あれは前作から凄いな。もう辞められん)
◆
「ついに、ダイニー大陸か。僕たちも、まだまだ新規プレイヤーだ。前作の上位ギルドだったとはいえ、今作はスケールが違う。
みんな、油断せずに、このまま進めていこう。」
「そろそろクラン結成してもいいかもね。それにしても……アーサーは、なんで僕たちについてこなかったのかなあ。」
「僕たちは、それぞれ事情があるから……心配だけど、なにか事情があるのかもしれない。」
「また……一緒にゲームしたいなあ。アーサーがいると思って、つい防御を怠ってしまうんだよね。なんだか、寂しいよ。」
「ゲームは続けてると思う。きっとまた会えると、僕は信じてる。」
(元気でいてくれよ、アーサー。)
◆
コンコン
ドアを叩く音。
「ヨシハル、ここに、食事置いておくね。」
「…………ありがとう、姉さん。」
(あの子……昔はスポーツ万能で、活発だったのに……仕事のストレスって、人の人生をこうも変えてしまうのね。……でも、運が悪すぎた。まさか、あんな目に遭うなんて。)
……………
(リナ。活動休止……か。更新もなし。そうか……辞めたんだね。でも、まだ若い。あの子なら、どこでも上手くやっていけるさ。……おれは……ダメだな……仕事のことを考えると、吐き気がする。
『気晴らしに、なにか始めてみたらどうでしょうか!ゲームなんかはどうでしょう!』
リナに勧めてもらった……気晴らしのゲーム……そして、今やALO……開発した人、本当に天才だ。こんな世界を創ってくれるなんて。
今はゆっくり……このゲームでリハビリしよう。)
◆
「すごいです!開発部長!部長の言った通り、ダイニー大陸へ進出してくるプレイヤーが、続々と増えてきました!」
「ここからよ。ダイニー大陸はフロアが分かれていない。皆ここで、プレイヤーたちが一堂に触れ合う。」
(さあ、あなたはどう動く?イレギュラー大本命、XIII HANA!)
第六十五話 完
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
今回は群像劇のような形で、周囲の反応を描きました。アーサーを待つかつての仲間たちや、ひきこもり生活の中でリハビリとしてゲームに救いを求めるヨシハルの姿。それぞれの事情が複雑に絡み合い、物語に深みが出てきたのではないでしょうか。開発部長が注視する「XIII HANA」の動向からも目が離せません!
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これからも作者 hanaXIII をよろしくお願いいたします。




