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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII


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第五十八話  明日は続く

今回は、激しい戦闘も派手なイベントもありません。

けれど、「誰かのそばにいること」が、どれだけ人を救うのか。

静かで、あたたかい時間を描いた回です。

何気ない会話の中に、少しだけ大切なものが詰まっています。

どうぞ、肩の力を抜いて読んでいただけたら嬉しいです。

--16年前。

「あんた、いつも何食べて過ごしてるん?」

「ラーメン……5パックで160円くらいかな?それを昼と夜に分けて食べてる。」

「何でまあ、そんな状態で追い出すのかねえ……あんな風に育てたばあちゃんたちのせいだ。」

「まあ、そうと言えばそうだね。けど、あれはもうしょうがない。いくら言っても頑固だし。自分が正しいって思ってるから。」

「晩御飯だけでも食べにおいで。そんな生活してたら身体が持たない。」

それから祖母と夕食を共にするようになる。

独居だからちょうど良いと言われた。

生きていれば、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。

そう思った瞬間だった。



「ところでさあ……」

教会の階段で、夜景を見ながら二人並んでいる。

「今どこにいるのかーって言われた時に、布団の中って言ったじゃん?

あの時、なんで動揺したの?」

「……………そ、そうだったかな?」

(動転してた割に、しっかり覚えてんじゃんか!……なんで泣いてるのかこっちはわかんねえんだし……万が一誰かに……って思うのは俺だけか?!)


「もしかして……わたしが誰かに、あんなことや、こんなことされちゃったー、とか、想像しちゃったの?」

リサはイタズラそうに笑い、花の顔を覗き込んでいる。

「仕方ないだろ……なんで泣いてるかなんかわからないのに、布団の中って言われたら、つい最悪の事態を想像したんだ……まあ、そうじゃなくて安心した。」

「安心したの??」


「リサが無事だったからな、誰かに誘拐されたかと思って、焦ったよ。」


「ふーん……なーんだ、そっちかー」


(そっちって、どっちだよ!………ようやく、落ち着いたようだな。)


「わたしがピンチのときは、駆けつけてくれる〜?」

「ああ、行けるところまではな」

いつものようにからかうと、リサも、いつものように頬を膨らます。

「んもう!そういう時は、"俺が駆けつけてやるー!"とか"どこへでも飛んでいくぜー!"とかじゃないの?!」

「ぷっ、俺は白馬の王子様か、正義のヒーローなのか?

あいにく、どちらも正反対だ。そんな柄じゃない。」

「そ、そりゃ住んでる場所とか、みんなバラバラだし、現実的には無理かもだけどさぁー、気持ちの話だよぉ」


「気持ち……か。そんなら……飛んで行ったり、駆けつけたりしねえな。」

「えー、そんなぁ…」

リサは少ししょんぼりした。

「あ、悪い悪い!俺が言いたかったのは、気持ちだったら、いつも近くに置けるだろ?ってことだ。」

リサは顔を上げて花を向く。

「ここは、どんなに離れていようと、どんな素性だろうと、仲間でいれる。すぐ会える。

な?いつも近くに……そばにいるだろ?

だから、これからのこと、一緒に考えさせてくれないか?」

リサの目尻が熱くなる。


「わたしのために?……一緒に、考えてくれるの?」

「おう、当たり前だ。リサ……俺はな……

どんなに辛いことがあっても、何があっても明日は続く……その時、助けてくれる人が必ずいる。そう思うんだ。

だから、もう辛い時や何かあったら、溜めずに、ちゃんと吐き出すんだぞ?」

「うん‼︎」

リサは花の腕にしがみつく。

「お、おい!」

「ん〜、今日だけお願い〜!」

「ったくしゃーねえなぁ、好きにしたらいい。」


リサはしばらく花にくっついていた。

おそらく、誰にも甘えることができなかったのだろう。

恋愛というよりも、安心を求めている。そんな雰囲気だった。

花もそれをよく理解していた。

自分も過去に絶望を経験し、その度に誰かに支えられて、ここまできたこと。そして現在もまた、絶望の中にいることを。

人には、なんらかの支えが必要だ。


(今のリサにとっては……この時期に……俺が…‥俺たちが必要なのかもな……

この子はいずれ、大切な人に出会い、俺とは全く関係のない世界で生きて行く……

何十年先に、振り返って……あの時あんなやついたなぁ……そう思い出してもらえるくらいは、支えてやれるといいな。)


しがみつくリサを見て、花は静かに思うのだった。


第五十八話 完

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

鼻島(花)の過去、そしてリサへの不器用な優しさが描かれた回でした。

「明日は続く」という言葉の重みが、二人の絆をより確かなものに変えていきます。

少しでも「心に響いた」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや、下の評価欄(☆☆☆☆☆)での応援をいただけますと、執筆の大きな励みになります!

皆様からのコメントも、一言いただけると非常に嬉しいです。

現在、コンテストにも挑戦中ですので、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします!

また、別作品の**『Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー』(N6980LM)**もあわせてチェックしてみてくださいね!

次回の更新もお楽しみに!

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