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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII


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第五十五話 なんとかなる

逃げるハナ、追うリサ。

騒がしい追いかけっこの果て、リサが見せた一瞬の「弱さ」。

ハナはそれ以上踏み込まず、ただ仲間として寄り添う道を選びます。

ダダダダダ!


花は必死に逃げていた。


「待てーーーい!変態花ーーー!」


「わ!やべえ!行き止ま……」


ガシ!

花は背中をホールドされた。腹部を見るとガッチリ手が回っている。

(し、しまったーー!捕まったら殺され……)


ギュウ……

ホールドしている手が少し引き寄せられた。

リサは花の背中に顔をうずめる。


……………

少しの沈黙が流れた。


(ん?なんか、動かねえ?どうしたんだ?)

「り……リサ?」


パッ

次の瞬間、ホールドされた手が離れる。

恐る恐る後ろを振り返ると、そこには両手を腰に当てて、頬を膨らませているリサがいた。


「んもう!ランスに変なこと教えたでしょう?!“俺は見た"ってなにかなあ?」


(げ!全部聞き取れてやがる!しゃーねえ、正直に言うか。)


「ふう……リサ……ランスが今日の様子を気にしてたぞ。どこか具合が悪いのかって。」


リサの顔がハッとする。


「人それぞれ、プライベートで何かはある。だからあんまり突っ込まないように伝えといた。

ランスもそれは重々承知だ。

話題を逸らすために、冗談を吹き込んだんだ。すまなかった。」


リサは少し複雑そうな顔をする。

その後、ニコッと笑う。

「そうだったんだね!なんかごめんね!心配かけちゃって!大丈夫だよ、ハハハ。」

手を後ろに組んで立つリサ。顔は笑ってはいるが、眉は困り形だった。


(明らかになんかあったんだろうな。笑ってるが、困り顔だぞ?

まあ、本人から言うまでは詮索はよそう。)


「そうか……まあ、もし何か力になる事があったら、俺でも、ランスでもかまわないから、言ってくれ。俺たちは仲間なんだ、遠慮はいらんからな。」


「うん!ありがとう花さん!」

今度は明るい顔に戻った。


「さあ、ランスが待ってる。戻ろうか。」

花はリサの斜め前を歩く。

クイッ

リサは花の服の裾を指先で持つ。

(ん?何か引っ張られてるような)

花はふとリサの方を振り向く。


パッ

リサはすぐに手を離した。

花は気がついていない様子。

(気のせいか……)



二人は資料室に戻ってきた。

ひとまず三人はそれぞれのスキル習得に向けて、受付で手続きをすることになる。

ランスがテキパキと各自のスキルの登録などをすませたおかげで、スムーズに運べた。

「よし、とりあえずみんな大丈夫だね。

内容はメニュー開いて……ここを押して……ここへスクロール……こんな感じで見られるから、それを参考に各自必要なことをやっていこう。わからないこととかあれば、助け合って効率よく習得していこう!」


「サンキューな、ランス!」

「ありがとうランス!わたし頑張るね!」


「リサ、ちなみに習得条件は?」

リサは画面を開く。

「サーチスキルC

モンスターにペインターを付着させて、倒さずに24時間放置。

翌日に画面を開き、場所を特定。

ペイントの付いているモンスターを倒したら、ペイントのかけらを拾って提出。

ただし、誰かがモンスターを倒すとやり直しとなる。

だってさ!案外簡単そうだね!」


「リサ、ビギナ大陸のモンスターは、はじまり都のモンスターより強いが、大丈夫か?」


「…………まあ、なんとかなるんじゃないかな?けど、わたしがペイントしたモンスター、翌日まで無事かなあ。」

「今から一緒にいって、とりあえずめぼしいやつに手当たり次第ペイントつけとくのはどうだ?

明日どれか一匹でも倒せばいいんだろ?」


「そ、そうか!ペイントは複数やっても良いんだ!その手があったか!」

「僕は、今日はもう帰るよ、明日また合流しよう。

連休最後だから、本格的な戦略を立てたいと思う。」

「OK。じゃあ、また明日な!」


「よし!じゃあ、今から森に行くか!」

「おー!」



「はあ、はあ、なんとか……ついていけたよ?

もうヘトヘト……」

「リサはまだ戦闘に慣れてないな。無駄な動きが多すぎる。」

「いや、花さんの動きがおかしいんだってぇ。

そんなギリギリに避けられないよぉ」

「俺はHPも体力も低いからな、効率よく動かないとすぐに詰みだ。逆に無駄な動きばかりしてると、リサのようにすぐに体力が尽きて、しまいにはHPも削られていく。」

「ふええ、けど、少しマシになったと思わない?

花さんの動きをよぉく観察して、避けるタイミングを測れるようになってきたよ?」

「ふむ。そうだな、一時間前より遥かにマシになっている。学習能力は高いと思うぞ、さすがだな。」

花はリサの頭をポンと撫でる。

「今日はこれくらいで上がるか?」

「うん!帰ったら勉強しなくちゃ!」


キキャー!

モンスターが襲いかかってきた。

「ふん。」  ザシュ!  「…あ…」

「あーーー!ペイントしたモンスター?!

もうー!一匹減ったよぉ!」

「す、すまん!ついクセで!急いでここを出よう!襲ってきたら反射的に狩っちまう!」


二人はカレッジまでダッシュした。

(走るのは速えんだよな、リサは。おまけに素早い。)

花はリサと併走する。

「リサ、ステータスは素早さ重視か?」

「うん、そだよー。あと、回避とHPかなぁ。早く逃げられるように、最近はこれらに振るようにしてる!」

(そうか、今まで一緒に行動してた分は、これらに振っていたのか。賢い選択だ。)


花と旅をしているおかげか、リサのステータスも、その辺の素人よりは少し高めになっている。飛び抜けたものもないが、バランスが良い。


「じゃあ、また明日な!勉強頑張れよ!

俺はまだ残るから、何かあったらいつでも連絡くれ。」

「うん!またね!」


シュン!


リサはログアウトした。


(…………やっぱり、今日はおかしかったな。

タク絡みだと、俺たちにまず話すだろうが……まさか、家族絡みか?それとも友人絡み……

いずれにしても、良くない流れだ。

ここにタクの野郎が割ってきたら、どうなるかわからんな。)


「もし、続くようなら俺から探り入れてみるか。」


ビギナ大陸の風景が、少しずつ夜に変わっていく。

「お、夜の森か、いいねぇ!ペイントしたやつらはパーティ内で共有できるから、それ以外のモンスターをやるぜ!」


満月の下、花はまた森へ走り出すのだった。


第五十五話 完

最後までお読みいただきありがとうございます!

リサさんの「服の裾クイッ」に、思わずドキッとしてしまいました。

一方で、反射的にペイントモンスターを狩ってしまうハナさんの職業病(?)には笑ってしまいますね。

次回は連休最終日、いよいよ本格的なスキル習得と、リサの抱える「悩み」に変化が起きるのか……?

物語の続きが気になる!と思ってくださった方は、ぜひブックマーク登録や下の評価欄から**ポイント評価(☆☆☆☆☆)で応援をお願いします!

皆様の感想やコメントも、一文字ずつ大切に読ませていただいております。

ただいま本作品はコンテストに応募中ですので、皆様の応援がこの物語を支える大きな力になります!

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これからも応援よろしくお願いします!

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