第四十九話 アイテムの鍛冶
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回は物語の流れを整える回になります。
先の展開に向けて、少しずつ動き始めます。
それでは、本編をどうぞ。
「花!さっきも言ったが、まずお前らは、そのストーカーから、確実に逃げられる下準備をすべきだ!
それには、回避用のアイテムが必要だ!
俺からすりゃあ、チートアイテムとか色々あるんだが、お前らに合ったものを、自分の手で作るといい!
今思いつくアイテム……必要な要素は何かイメージしてるものはあるか?」
花は数秒考えた。
「あります。
というより、今思いつきました。
それは、ワープです。」
「ふ。……ぶわっはっはっは!いきなり本命が出てくるとは驚いたぜぇ!ちなみに、理由を聞いてもいいか?」
(こいつ、やっぱりただの野郎じゃあない。いろんな目に遭ってきたやつだ!
雰囲気といい……まあ、あくまで勘だがなぁ)
笑いながらも、ハンマの目は職人のそれだった。
「回避……攻撃を物理的に回避したり、走るのを早くしたり、煙幕とか……色々考えたが……それは一時的にただ凌いだに過ぎない。
現実もそうだが、ただ先延ばしにしたりするだけじゃ、いずれ同じ問題がすぐ目の前にやってくる。
ゲームも同じだ。
その場を凌いでも、視野に入るならば追いかけてくるだろう。
現実では、物事を回避する際、相手が求めている要求に対して、真に受けて努力したって、また同じ問題に直面し、手遅れになる。
その要求自体を無かったことにできる選択肢が必要だ。
(そう……忙しい中バイトするより、ばあちゃんに頼っていたら、"親とお金"という敵から脱出できたんだ。)
だから、鉢合わせしたときは、"相手がどこに消えたかわからない"が最強だと思ったんだ。」
花は、かつての自分が「逃げられなかった理由」を、この世界で繰り返したくはなかった。
(やっぱりだぜぇ!こいつは、物事を考えるとき、自然と自分の苦労した経験を土台にしてやがる!)
「グッドだ!極論、鬼ごっこならそれが最強だ!
一度消えれば、まずその瞬間は追えない!
もし、サーチするアイテムを持っていても、すぐにログアウトすりゃあ逃げ切れる!
だがよぉ……なんでストーカーが来る時期がわかってて、ログインするんだ?」
これは誰もが思う疑問だ。
リサがこの世界を居場所にしていること。
逃げ続けるといつまでも逃げなければならなくなり、安心してこの世界でいられないこと。
そうなると自分らしくいられないということ。
それも含めて、短期的に解決したい。
という旨を簡単に説明した。
「まあ、ストーカーは撃退しねえと最後までくるからよぉ、それが一番か。
じゃあ、これからアイテムについて、簡単に説明するぞ?!」
ハンマは花にもわかりやすく説明する。
「まず、アイテムに素材を組み合わせる。これが鍛冶だ。
組み合わせるためには、素材集めが必要だ。
そして、今度は、組み合わせる技術……つまり、スキルが必要になる。
技術=合成スキルだが、これにはランクがSからCまでの4段階で、Sが最高…‥今はこの4段階だけ覚えておいたらいい。
合成スキルのランクは大きくはこうだ。
C → 簡単な薬草の調合を10回
B → ドロップしたアイテム同士を20回掛け合わせる
※ドロップアイテムのランク次第で回数は減る
A → 武器に何らかのアイテムを付与する(10回)
※物により回数は変化
S → 合成したもの同士を10回
※素材により変化
素材によって、スキルランク獲得の速さや条件は異なるが、ざっとこんなもんだな!」
………………
「ぶわっはっはっは!
まあ一度には覚えきれんだろうな!今回は特別にこれをやる!
紙に書いたものだが、持っとけ!」
花は即座にアバター内へ収納する。
「お!収納持ちだぁ、話が早え!
鍛冶屋をするには少なからず、アバター内への収納持ちかどうかが重要だ!
素材集めの時の持ち運べる量が桁違いだからなあ!動きにも影響する!」
「ある程度は理解した。
ワープにはどんなアイテムやスキルが必要か、考えないといけない。ということだな?」
「その通りだ!お前は話が早くておもしれぇ!
お前としては、何がワープになると思った?
聞かせてみろ!」
…………………
「ふむ………俺がこの世界にきて、ワールドというか、そもそも、セーブポイント自体がワープみたいなもんだと思うんだ。
その原理でアバターが転送される。
なら、今持ってるセーブポイントの設置アイテムを改造すれば、擬似的にワープしたことになるんじゃないかと思うんだが……俺はゲームはセンスが無いから、師匠にアドバイスをもらえると助かる。」
「ふん!アドバイスどころか、今のお前の状況、プレイ時間、それらを考えると、そのアイテムを改造するのが一番ベターだ!
そうだ!
そのリサって子に、安全策として、セーブポイントへ一瞬で飛ばせるものを持たせておけば、万が一遭遇してもすぐ離脱できる!
確実に安全は守ることが可能だ!
離脱後はストーカーを煮るなり焼くなり、お前らの出番だからな!」
「ですね。向こうの敵の数にもよるが、こちらは仲間が付いてる。そう簡単にはやられんと思うが……油断はできん。」
「そうだ!油断はするな!この世界でPKされたら、育てたアバターが無くなるからな!」
概要と目的については、ハンマの指導が見た目に反して的確だったことから、花もシンプルに考えられた。
「そうか。しかし、ここからが問題だ。
俺の鍛冶スキルがどのランクまで必要かなのか、あと、セーブポイントアイテムは持っているが、何を掛け合わせれば良いのかが全くわからん。」
「ふん!だから俺がいるんだ!
こっから本格的になるから、よーく聞けよ?!」
花は真剣な表情に切り替わる。と、同時にワクワクが込み上げてくるのだった。
第四十九話 完
最後までお読みいただきありがとうございます!
ハンマ師匠の指導のもと、ついに「ワープアイテム」の制作に乗り出したハナ。
現実の知恵をゲームに注ぎ込む彼の挑戦、ぜひ最後まで見届けてください!
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