第四十六話 ビギナの果ての村
一本道の先に、誰も知らない場所があるとは限らない。
強さよりも、選択の積み重ねが道を拓くこともある。
今回は、そんな“辿り着いた先”の話です。
丘を下りながら、少しずつ村の外観が見えてきた。
「思ったよりでけえな……こんな場所に村があるなんて、先にたどり着いたプレイヤーはどれだけいんだ?」
さらに近くに来ると、巨大な城壁が聳え立つ。
花は見上げて笑うしかなかった。
「うっひゃー……こりゃあでけえ!けど、門は意外と小さいな。
とにかく行ってみるか。」
門番に話しかける。門番は比較的小柄、しかし、筋肉隆々で、横幅がやたらと広かった。
「あのう。ここは、どこですか?もしよければ入れて欲しいんですけど。」
「なんだ……人間か。中は入るか?おう、ええぞ。
人間なんぞ珍し…………人間ーー‼︎‼︎?」
門番は腰を抜かした。
が、花が即座に、転倒しないように門番を支えた。
(あ、いけね。つい職業病だ。)
門番は改めて立ち上がる。
「す、すまなかった……助かった……人間よ。
なんせ人間が訪ねてくるのは初めてでなあ。」
(NPCにしてはしっかりしてるなあ。まあ、門番だからNPCだと思うが、リアクションが漫才チックなんだよな。)
「おぬしは、どうやってここにきたのだ?
まさか、森を抜けてきたのか?」
花は頷く。
「そ、そいつはすごいな。
そんな人間が居るなんて、モンスターは多くなかったか?」
「まあ、確かにこっちに向かうたびに多くなってた気がするなあ。」
「普通は丘の手前でモンスターに群がられてやられるんだがな。おぬしは強いみたいだのう。
さあ、初めての客人だ。
ここを通り、まずは村長のところへ挨拶へ行くといい。そうすれば、村の中は自由に動いても誰も文句は言わんだろう。
この通行書を持っていくといい。」
「ありがとうな!じゃ!行ってくる!」
(あの森を抜けるのはこの時点では不可能に近い。一体どんなステータスしとるんだ。)
◆
「うおお!すげえ!もしかしてここ、鍛冶屋の街なのかー?!」
花は辺りをキョロキョロしながら歩く。
たまに遠くを眺めると、村の奥は山になっていた。
近くの人に話しかける。
「仕事中すみません!俺、外から来たんだけど、村長さんの自宅はどちらですか??
これ、通行書です。」
丸太を抱えた職人がこちらを振り向く。
すると丸太が勢いよく花の顔面に飛んできた。
ブォン‼︎‼︎
「っと!危ねえ!」
花は軽やかに回避する。
「おっと、すまねえな、にいちゃん!
おう、そりゃ間違いねえ、通行書だ!旅のもんか?
村長の家はあの山の集落だ!一番奥の豪邸に住んでる!」
「ありがとうございます!」
花はお礼を伝えると、奥の山に向かう。
山手は住宅街になっており、小さな家々が集まっている。
メイン通りを抜けた先に屋敷が現れた。
(豪邸といっても、昔のテイストの家だなあ。なんか、南国の金持ちの家って感じの雰囲気だ。)
「そこで何しとるんじゃ?」
振り向くと、小柄な老人が立っていた。
花は通行書を見せて、偶然この村を見つけたことを話した。
「うむ。確かに通行書じゃ。皆にはワシから伝えておく。
ゆっくりと見て回ると良い。」
「ありがとう、、あなたは村長さんですか?
初めまして。俺は花と言います。」
「うむ。ワシが村長じゃ。
ここは鍛冶屋の村。ドワーフも多く住んでおる。
武具やアイテムに関するものが集まる場所じゃ。
ゆっくりしていってくれ。」
村長は家に帰っていった。
後ろを振り返ると、山手から街並みを見下ろせる。
鍛冶屋が並び、煙突からは煙がバラバラに立ち上る。
「鍛冶屋は俺の憧れだ!よーし!じっくり見て回るぞー!」
花は山を降りる前に、宿屋を見つける。
「すみません!大きめの部屋でお願いします!」
この村で一番広いスイートルームを選んだ。もちろんお金は問題ない。以後、ここもセーブポイントに設置した。
「一旦、晩飯食べてから探索にしよう!」
シュン!
こうして、花は鍛冶屋の村にたどり着いたのだった。
第四十六話 完
最後までお読みいただきありがとうございます!
鍛冶屋の村に到着したハナ。ここで一体どんな装備、そして出会いが待っているのか……!
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