表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII
第二章 いざ、ビギナ大陸へ――導きの学園と、揺れる心 編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/233

第四十四話 分かれ道

二十二年前、ある「分かれ道」で選んだ選択が、一人の青年の運命を大きく狂わせました。

語られるのは、花の胸の奥底に沈殿する、理不尽な過去の記憶。

現実世界で「無能」の烙印を押された男は、今、仮想世界で解き放たれます。

王都の裏門を抜け、未知の領域へと足を踏み入れる花。

誰にも邪魔されない「うさ晴らし」の果てに、彼が辿り着く場所とは――。

--22年前。


「いつになったらアルバイトするの?知り合いの大学生のお兄さんは、親の負担を軽くするために、大学行きながらアルバイトしてるみたいじゃない?」

「かあさん。何度も言うけど、大学生と専門学生を一緒にせんでよ?しかも医療系なんやけん、こっちは。

その大学生以上に学力の高い子らでも、ヒーヒー言いながら勉強せんと、置いてかれるんやけん!」

「ああもう!あんたは、ほんっっとうにわかってない!わたしが一人でどれだけ苦労してると思ってるの!?

わたしのためを思うなら、アルバイトしながら一銭も迷惑かけずに、勉強も両立させるのが普通でしょう!?」

(何言ってんだ?じいちゃんとばあちゃんがお米を買ってくれたり、食費を出してくれたり、甘えまくってるじゃないか。しかも、この前あんたは俺たちを置いて旅行まで行ってる。

どこが余裕無いんだよ。

ほんとこの人は俺に対して理不尽だ。何も理解してくれない。


ーーその年、俺は留年した。


アルバイトをしてクタクタで勉強にかける時間は無かった。

言われた通りにアルバイトをしたが、留年した俺を母は責めた。そう、それから死ぬまで母は俺を無能扱いして差別した。

自分がそう仕向けたのに。

今思えば、親の要求なんか無視して、俺もばあちゃんに甘えれば良かったんだ。

そうすれば、留年せずに済んだ。俺の人生の汚点だ。

その選択こそが、運命の分かれ道だった。



花は訓練場からまっすぐ壁に向かって走っていく。マップで裏門があることは把握していた。

裏門には警備兵が王都から派遣されているようだ。

「待て!ここから先は森だ!何か実力を証明できるものはあるか?!」

「ん?実力?……何を示せば良いんだ?

あんたらと戦ってぶった斬ればいいのか?」

「ぶ、物騒な冗談を言うな!カレッジ生と戦うほど、我々も無謀じゃない!

例えば、冒険者ランクを示せる物はあるか?

あれはこの世界の身分証明書のような物だ。

その名の通り、ランクが高ければ身分が高いとみなされる。このエリアからの侵入では、Eランク以上じゃないと通せない!」


花は冒険者の証明書を見せる。


「ら、ランクC !?

し、失礼しました!」


花は難なく通過した。

(……?。なんだったんだ、あいつは。まあいっか。

さてと、こっからはあそこが近い!)


門を出ると、森までは少しの距離があり、見晴らしの良い平原が続く。

花は走り続けて、そこから森へ入る。


さっそくモンスターのお出ましだ。

空中で回転斬りを決める。

何匹ものモンスターが同時に散らばる。

「こりゃあいい、ソードスキルは脳内イメージでスクリーン展開して発動できるんだな!」


花はある場所を目掛けて一直線。モンスターの量は多くなるが、威圧は使わずにソードスキルとオリジナルの動きを混ぜて狩りまくる。


「しゃあー!最高ーー!」


花は久しぶりのうさ晴らしに歓喜している。

もう何十匹ものモンスターが犠牲になった。


——効率も経験値も、今はどうでもいい。

ただ、振り抜けるこの感覚だけが、花を救っていた。


花は森の端までたどり着いた。

左はさらに深い森。右は傾斜のある丘。

もちろん、右を選んだ。


「ここは前に狙ってたポイントだ。

もしかすると他のプレイヤーが先に行ってるかもしれねえが、"そんなの関係ねえ!"だ。

この丘を超えた先、マップもまだ空白。

一体何があるか楽しみだ!」


花はワクワクしながら走っていくのだった。


第四十四話 完



最後まで読んでいただきありがとうございました。

花の知られざる過去、そして医療系学生としての苦悩が描かれた回となりました。親の理不尽な要求に応えようとした結果、大切なものを失ってしまった後悔。そんな彼だからこそ、今の「ハナ」としての自由な時間が何よりも尊いのかもしれません。

ラスト、マップの空白地帯へ向かう花のワクワク感、皆様にも伝わりましたでしょうか!

【応援のお願い】

本作は現在、コンテストに参加しております!

「花の過去に泣けた……」「Cランクの無双がもっと見たい!」と思ってくださった方は、ぜひブックマークや**下部の評価(☆☆☆☆☆)**で応援をお願いいたします。皆様の応援が、花が未踏の地を切り拓くエネルギーになります。

また、もう一つの作品『Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー』も本日最新話を更新しております。宇宙を舞台にした交渉と覚醒の物語も、ぜひあわせてお楽しみください!

今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ