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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII


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第四十話 またきてね

現実世界での休息。いつものラーメン屋へ向かった花を待っていたのは、予想だにしない「邂逅」でした。

隣に座った豪快な女性。彼女が語る驚きの職業と、次々と飛び出すゲーム内の裏話。

仮想世界と現実が奇妙にリンクし始める中、物語は新たなステージへ。

リサやランスとの合流、そして動き出すオリエンテーション。

「縁」が繋ぐ不思議な一日の様子をお楽しみください。

花は服を着替えて準備をしていた。

もちろん、ラーメンを食べに行くために。

ラーメン屋の行きつけは複数あるが、今日はこってり豚骨のラーメンに決めていた。


車を走らせる。花の車は黒のミニバン。近年出たモデルであり、ファミリーカーとして簡単に買える車種ではなかった。

ミニバンの中ではファミリー感は無く、もし一人で乗り回すとなれば、様になるだろう。

「だが、俺にはカッコつける人もいねえ。

ま、結婚してりゃあそれが普通なんだけどな。

寂しい人生だぜ、まったく。

おっと、いかんいかん。ネガティブな発言は良くない。余計に惨めになっちまう。

子供が巣立つまでのあと20年ほど。

耐えるんだ、俺!」


行きつけのラーメン屋に到着して店に入る。

運良く今日は並ばずに入れた。


「らっしゃいー!いつもまいど!

カウンターでもいいかい?あと、注文はいつものかい?」

花は了承して店内へ。注文はいつも頼んでいるものを注文した。常連なのでもう顔見知りだ。


指示されたカウンターに近づくと、大柄な女性が隣に座っていた。

「おっと、ごめんな、にいちゃん!すぐどけるねぇ。よいしょっと。」

「あ、どうもすみません、隣失礼します。」

「いいえの!こっちの荷物がデカすぎたんだわ。ちょっと休みとって里帰りさ。

にいちゃんはこの辺の人かい?」

(な、なんか話が続きそうだぞ………とりあえず当たり障りなく返答しておこう。)

「ええ、この近くです。」

「やっぱり地元はいいねぇ、ここへはよく来るのかい?」

「はい、常連ですね。あとは友達のやってる店なども行ったりします。"ブラックベルト"というラーメン屋です。」

「ほほう〜、良いことを聞いたねえ。」

そうこうしているうちに、二人にラーメンが届く。

そこで話が終わりかと思ったら、その女性はまだ話を続ける。

「あたしゃ、都会の方で、ゲーム開発に関わってんだけど、あんた、Another Life onlineってゲーム知ってるかい?」

(?!ALO制作の関係者?!踏み込んだ話を聞けるのか?いや待て、やり込んでるなんて言ったら逆に有力な情報を伏せられてしまう。

ここは泳がせとこう。)

「ええ、名前だけなら聞いたことあります。いま話題ですよね?」

「そうさ!あたしゃそこの隠しイベントの担当なんだけどねぇ、自分の地元をアピールしたいから、この土地のものを取り入れてるのさ!」

(ん?隠しイベント?この土地のもの?)

「そ。そうなんですか、隠しイベント。それは面白そうですねぇ。………温泉……とかだったり?ですか?)

女性は目を見開き花の顔を覗き込む。

花は食べていたラーメンを吹きそうになった。

「あんた!良いところに目をつけてるねえ!

他にも企画を挙げるために、ヒントを探しに里帰りというわけさ!決して出産じゃないよ?

アッハッハっハ。」

「す、すごいですね。ラーメン屋なんかあったら、面白そうですね。」

「お!いいねえ、それ採用!鯛めししか思いつかなかったから、助かったわぁ!」

(………鯛めし……まさかな。)


二人はほぼ同時に食べ終わる。

口を拭きながら会話は続く。


「やっぱり、みかんとかも、ありですかね?」

「お!それそれ!それをどこかで使いたいんだよぉ。あんた、なかなかやるね!気に入った!」


(このノリ………まじか?いや、人違いか。見た目も若いし)


「ここはあたしが払っとくよ、良い話を聞けたからねえ!」

「いや、さすがにそれは!……見ず知らずでお返しできません!」

しかし、二人分の伝票を支払い、女性は出ていくのだった。

タクシーを呼んでいたらしく、乗り込んでいる。

花は後を追いかける。

「あ、あの!なんとお礼をしたらよいか……」

「ああ良いんだよ!現実にも、ラッキーなことってあるだろ?なかなか捨てたもんじゃないからね」

花は見透かされたような気分になり立ち尽くした。

「さあ!若者には時間は有限!さっさと行きな!」

花はペコリとお辞儀をして、駐車場へ歩き、女性に背を向けた。女性はタクシーに乗り込み、ドアを閉める際。

「あ、そうだ。また、入りに来なよ!まってるからね!」


!?


ガチャ。ブロローー!

花は即座に振り向いたが、すでにタクシーは走り出した後だった。

花は唖然としてしばらく立ち尽くしていた。


「や、やっぱり、女将だったのか……こんなことってあるんか?普通。ヤバすぎるな今日は。」


花はまっすぐ自宅に戻り、再びALOへ戻った。

その後すぐにリサがログインして戻ってきた。


「やっほ、お待たせ!お昼ご飯は、ラーメンかな?」

(こいつ、いつも鋭いんだよな。俺そんなにわかりやすいか?)

「ああ、そうだ。地元の行きつけのな。」

「いいなあ〜、女将と同じ何だよね?いいなあ〜。」

「ああそうだ。女将にはさっき会ったな………奢ってもらった。」

??


「え??女将にラーメンを?このエリアにラーメン屋あったかな?」

「いや………現実の方だ。」

「あ、なーんだ!現実の方ね!こっちでラーメン屋見つけたなら大発見………え??現実の……方で?」

花は黙って頷く。

「ええええええええ!!!!」

「ばか!声がでかい!」

「いいなあ〜、ずるいよぉ、私も仲間に入れて欲しかった!」

リサは不貞腐れている。

「いや、女将と決まったわけじゃないんだ。たまたま隣に座った人がだな……」

花は一連を説明した。


「そっか、会話の流れから女将の確率が高かったのね。……けど、"また、入りに来なよ、まってるからね"って、それ、完全に女将じゃん?!」


「だよなー。まじでびっくりしたわー。」

「いいなあ、なんかここで知り合った人と、そうやって出会うのって、凄いね。なんか、それも面白いね!」

(いいなあ、わたしも……花さんに会う日が来るのかなあ……きっと、良い人なんだろうなあ。)

リサはモジモジしている。

「ん?どうした?まだ時間あるから、トイレは済ませてこいよ?」

「ちがーーう!!んもう!そうやっていつもイジるー!」

「あははは。本当に面白いなあ、二人の会話は。お腹が痛い!」

ランスはすでに戻っていて、会話を聞いていた。

「ら、ランス?!あわわ、恥ずかしいとこ見られちゃった〜、もう!花さんのせいだからね!」

「おうランス!さあ、行こうか。」

花はランスの背中を手で誘導した。

「誤魔化すなーー!」

ガシ!

リサはランスの片手を引き寄せて花から離そうとした。

(あ!また、リサさん?!)

ランスは真っ赤になる。

三人は、じゃれながらオリエンテーションに向かうのだった。


第四十話 完

最後まで読んでいただきありがとうございました。

節目の四十話は、現実世界でのサプライズ回となりました。女将さん(?)、現実でもめちゃくちゃ格好いい人でしたね。花が無意識に隠しイベントのアイデアを提供してしまう展開に、運命的なものを感じていただければ幸いです。

【応援のお願い】

本作は現在、コンテストに参加しております!

もし「女将さん最高!」「リサの片思いを応援したい!」と思ってくださった方は、ぜひブックマークや**下部の評価(☆☆☆☆☆)**にて応援をお願いいたします!皆様の星が、ハナたちの次なる冒険の糧になります。

また、もう一つの作品[txt:Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー|https://ncode.syosetu.com/n6980lm/]も絶賛更新中です。宇宙を舞台にしたユウの覚醒も、ぜひあわせてチェックしてみてください!

今後とも hanaXIII をよろしくお願いいたします。

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