第三十五話 ALU
いよいよ新章突入です。
Another Life University(ALU)とSkill Collegeが登場します。
花とリサの新しいステージ、楽しんでいただけたら嬉しいです。
「リナ、何見てるの??大学のパンフレット?」
「そう〜、ここ受けるんだー!今から意識して、勉強のモチベーションにしようと思って!」
「さすがだね!なら、一度オープンキャンパスに行ってみたら?」
「うん!一度行ってみたいと思ってるー!」
◆
宿屋にリサが現れる。
「あれれ?いつもなら待ち構えてるのに、珍しいなあ……ま、たまには待つか〜」
リサはスイートルームのベッドにダイブしたり、フロアでクルクル回ったりしていた。
「リサ選手!トリプルアクセル!決めたー!」
空中で三回転ひらりと周る。
スタッ!
リサは華麗に着地する。
「なにやってんだ?」
ガバ!
リサは即座に振り向き、スカートを手で隠す。
顔が真っ赤になっている。
「うわ!いたの!?」
「いや、今戻った。今のは俺のせいじゃないからな。リサが勝手に空中で回るから……ありがとう」
「ありがとう…じゃ、なーーい!んもう!恥ずかしいよぉ!」
「そんなこと言われても、しょーがないって、ドンマイドンマイ。ぷ。」
「ふぬぬー!やっぱり笑ってるじゃーん!」
リサは顔を赤くしたままジタバタして花を攻撃する。
「わーった!わーった!俺は何も見とらんー!落ち着けー!」
「………はあ。もうお嫁に行けない……」
「あのなあ。そんくらいで嫁にいけないわけねえから安心しろって。」
リサは不貞腐れている。よほど恥ずかしかったみたいだ。
「はあ……そんなんで嫁にいけないんなら、俺がもらってやるから、気を取り直せって……!」
リサはまた赤面する。
「は、は、花さんがわたしを?!」
「ちゃんと聞いてたか??もしいなかったらっつったろ?……そんなことはさて置き、ほれ、大学のデータ、さっきダウンロードしてきたからリサに送っといた。
今から一緒に見ようと思って、港のターミナルで情報拾っといたぞ。」
ブン!
データが開いて目の前に画面が出てくる。
「Another Life University………Skill College……?」
概要を二人で見てみる。
説明によると、この世界には「Another Life University 。略してALU」という機関が存在する。
その機関の中の、「Skill College。通称SC」はいわゆる、スキル取得のための専門大学の様なものという説明がある。
「うわーお、建物も土地も広いねー!」
「そうなんだ。ここから歩くと正門まで遠くてなあ。港のターミナルから電車みたいなのが出てるから、それでカレッジ前まで運んでもらった方が早そうだ。」
二人は電車に乗り込んだ。
「SC。様々なスキルを獲得できるって書いてあるね!
どんな学校なんだろう!楽しみだねー!」
「ああ、概要を見ると、今はキャンペーン中らしいな。入学方法は複数あるらしいから、行って確かめよう。」
「試験とかあるのかなあ。けど、どんとこいー!だよね!」
(……………筆記だけは勘弁……。国家試験でもううんざりなんだよ試験は。………複数方法があると言ったな……ゲームの世界だから、実技があるはずだ。それに賭ける!)
SC前に到着した。
「おお、でけぇ門だなあ。その門沿いにまるで城壁みたいに壁が広がってるのか。」
さっそく二人は中へ入る。
敷地内は、駐車場や駐輪場、芝生や園庭が広がり、やがて大きな建物に到着する。
ガラス張りのドアを通り過ぎると、広いロビーに到着した。
そこには受付があり、何人ものプレイヤーが列をなしていた。列は横にもれ何列かあり、大渋滞だ。
花とリサもそこに並ぶ。
「試験の受付かなあ?なんかワクワクするね?
ん?花さん前の方がなんか騒がしいよ?」
「てめえ!追い越すんじゃねえ!あっち行け!」
「ああん?!テメェだろそりゃあ!」
何やら痴話喧嘩が始まったようだ。
(はあ……やれやれ。どこにでもいるんだなあ、ちんぴら気質の奴ら……。めんどいからスルーしよう。)
「花さん!みんな困ってるよ??止めに行こうよ!」
リサはすぐ行こうとするところを花は制止した。
「やめとけ。あーゆーのは気の済むまでやらせとけば良い。どうせ口だけだ。やり合うつもりなんかねえよ。はったり祭りだ。」
花は呆れ顔でため息をついている。
(サッサとしろよなー。喧嘩するなら早くケリつけろっつーの。)
「ちょっと、そこの二人。いい加減に見苦しいよ?」
一人の青年がちんぴらに声をかける。
「あんだ?このガキ!すっこんでろ!痛い目みたいのか?!」
「……僕が?……ふ。お兄さんたち。冗談は休み休み言ってよ。
もうみんなが困ってるからさ。さっさとどいてくんない?」
「はあー?!生意気なガキだな!すっこんでろ!」
ちんぴらの一人が青年に手をかけようとした。
花はそれをみて構える。
(さすがにそれは見逃せん。許せちんぴら!)
「うわ!あの子が危ないー!」
その時だ。
青年は背負っていた大剣を振り抜き、体の前でガードしてみせた。
ガキーンッ!!
ちんぴらの攻撃は弾かれ、横の列を貫いてロビーへ倒れ込んだ。
「んぐ!いててて……このガキ、何しやがった!」
「ただのガードだよ。君ら、そんな程度で僕に勝てると思ってんの?
なら、すぐケリつけてあげるから、まとめてかかってきてよ。時間も押してるし、邪魔しないでくれる?」
そういって、大剣を肩に乗せて睨みをきかす。
ちんぴらはその場から引いて、隣の列に並ぶのだった。
「ち、覚えてろよあのガキめ」
(ほう、なかなかやるじゃん、あの子。
きも座ってんなあ。)
受付自体は横に広がっているため、順番に散り散りになる。
花とリサは青年の真横の受付になった。
「試験にしますか?それとも、入学金を払いますか?」
「ん?入学金?ってなんだ?」
受付のNPCは丁寧に教えてくれた。
どうやら、試験で合格するか。お金を払って入学するかの二つの選択肢があり、試験は筆記と実技。合格すると入学金は免除。
お金は一人70万ギル払うと無条件で入学できる。
「うわあ、70万ギル?! なら、もちろんわたしたちは試験……」
「ギルで。はい、二人で140万ギルだ。受け取ってくれ。」
「へ?!花さん?!」
「かしこまりました。確かに140万ギル受領いたしました。では、この証明書を持って、あちらのゲートへ進んでください。」
「よし、いこっかリサ。」
「ふええ。さらっと通過しちゃったよー。わ、わたしの分まで、どうやって花さんに返したらいいのぉ。」
リサが頭を抱えていた。
「ん?リサは試験が良かったのか?」
「だって〜、なんか悪いよぉ。そんな大金返せないよぉ。」
花は、リサの頭の先から足の先までじっと見た。
リサは顔を真っ赤にして、慌てて身体を隠す仕草をする。
「ち、ちょっと花さん?!何見てるの?!ま、まさかー!」
「ぷ。んなわけねーだろ!パーティなんだから気にすんなって!それより、いちいち試験受ける方が面倒だ。」
(やっぱり面倒だったんだ。ま、花さんらしいけど。ぷ。)
「なに笑ってんだ?早く行こう。なんかワクワクしてこないか?」
「うん!そだね!行こう!いつかきっと返すからね!」
(んなもん気にしなくて良いのに。まあ、そういう律儀なところが良いところでもあるんだけどな。悪いやつには引っかからん様にせんとなあ。)
「ちょっと待って!そこの二人!いえ、お二方!」
花とリサは振り向く。
「ん?………あ、さっきの喧嘩止めてた……」
「隣だったので、一部やりとりが見えてしまい申し訳ない。あの。もしかして、入学金を支払って通過したのですか?」
「ん?そうだけど?何かまずいのか?」
「いえ、全く問題ないです。ですが……この時点でそんな大金さらっと出せるなんて珍しく思って……」
「なるほどな、なかなか鋭いね。」
「確かに!じゃあ、わたしから説明してもいいかな?」
リサは青年の前に顔を近づける。
青年は顔を真っ赤にしてのけ反る。
「あ!はい!お、お願いします!」
(ん〜、純粋だなあ〜、ま、普通はこうなるよな、このレベルが顔近付けるとか、眩しすぎるよなあ。ぷくく。アバターの見た目は若そうだなあ。中坊ってとこか?そらぁ刺激強いわなぁ、リサの顔面とスタイルは。)
花とリサはさっそく大学へ進学することになった。
声をかけてきた青年。
その正義感と純粋さを見て、花は懐かしく、、そして微笑ましい感覚になった。
それこそ自分が失っていたものであると実感するのだった。
これから、花は失った人生の時間、キャンパスライフを送れるのだろうか。
第三十五話 完
最後まで読んでいただきありがとうございました!ハナの「試験嫌い」と「大人な解決策(金)」が炸裂した回でした。現実の国家試験を乗り越えたハナだからこそ、あの解答は納得ですね(笑)。そして新キャラの登場……。彼は一体何者なのか、これからの展開にご注目ください!
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また、もう一つの熱い戦い[txt:Ultimate Wars ー 才能なしの人生だった俺、宇宙の危機で人類の切り札になる ー|https://ncode.syosetu.com/n6980lm/]も本日更新。こちらもあわせてチェックしてみてください!
今後とも hanaXIII をよろしくお願いいたします。




