第三十四話 そろそろ
現実で「稼ぐこと」に執念を燃やすタク。
一方で、ゲーム内で「手に入れられなかった青春」に胸を躍らせるハナ。
大型連休を前に、それぞれの物語が動き出します。
第三十四話 そろそろ
「マネージャー!今月のスケジュールは?」
「はい。こちらです。………週末はほぼ撮影ですね。夏にはロケも入っております。」
「やっぱ忙しいわなー。これじゃあゲームどころじゃねえな。
まあ仕方ねえ。俺にはこれしかねえからな。しっかり稼ぐから、じゃんじゃん仕事入れてくれよ、マネージャー!」
「かしこまりました。」
(プライベートや性格はともかく。この仕事や稼ぐことに対する執念はあっぱれだ。
とても高校生とは思えない。
やはり彼の家庭環境が影響しているのか………)
◆
(もう大型連休だな。さて、どうするか。)
花は森の中を駆け回り、相変わらず効率よく狩りまくっていた。
(まずは、アイテム改良の店。これをまだ教えてなかったな。それから………。やっぱり大学が気になる。
スクール的なものって言ってたなあ。
入るのに試験とかあるのか?
…………。筆記じゃなけりゃ、なんとかなるかな………。)
花はあるポイントで異変に気がつく。
(昨日もそうだったが、この辺りから、やたらとモンスターの数が増えやがるな。
まあ、今は様子見だから、とりあえず回避しよう。また時間のある時にじっくり回るとするか。)
そして、また別の辺りを探索。
(ん?この川の向こう。なんか道がありそうだな。ふむふむ。ここもチェックしとこう。楽しみは後に取っておいて、一人になって時間のある時に行くとするか。)
花の地図は森のマップを含めて割とアップデートが進んでいた。特に、東から北付近までは完成に近づいていた。
(マップの………森以外のこの辺りが大学だろうな。お!なんか良さそうな場所発見!)
そこは、北側と東側エリアの境目付近。
そこから北東に進むと森の終わりが見つかった。
(なんだ?こっちの道は凄い傾斜だなあ。まあ、こっちはまた今度にするか。)
花の頭の中は大学のことでいっぱいだった。
自分には縁のなかった大学。
その響きだけでワクワクしていた。
(ほんと、俺の人生、このゲームのおかげでやり直せてる感じだ。買ってよかったぜ、ALO!)
ピコン!
花にメッセージが届く。
『明日からいよいよ冒険再開だね!楽しみだ〜!』
花はクスっと笑い。静かに返信する。
キキャー!
その間にもモンスターは花に飛びかかってくる。
「邪魔すんじゃねえー!」
シャッ!
片手には大剣が即座に現れて、剣を振り回す。
ズバババ!!
ぐぎゃえええ!
一振りでモンスターたちは粉々になる。
そして、もう、掛け声なしでもイメージするだけでドロップアイテムも回収されていた。
『いよいよだな。しっかり準備して、次の冒険へ行こう』
シンプルだが、花なりに丁寧に送るのだった。
第三十四話 完
最後まで読んでいただきありがとうございました。タクの仕事に対するストイックさ、恐ろしいものがありますね……。一方でハナの「大学」へのワクワク感。この対照的な二人がいずれぶつかり合うと思うと、筆に力が入ります。
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今後とも hanaXIII をよろしくお願いいたします。




