第二十六話 航路
ついに出発の時ですね。
花にとってはこのゲームで、初めてシナリオを進めることになりそうです。
二人はアイテムを買い漁り、ひとまず花のボックスへ収納した。
二人は旅館でくつろいだ後、女将に声をかけて出発する。
「おお、ここが港か。なかなかでかいな」
「わたし、船は乗ったことないから楽しみだー!」
「え、無いの??俺はしょっちゅう乗ってたなあ」
(離島に訪問していた頃は週に3日は乗ってたっけな。)
「花さんそんなに船乗ってたんですね!
わたしは地元が都内だから、船なんて乗ることほとんどなかったかなあ。と、言うことは、花さんは船によく乗ることのできる場所にいるってことですかー??」
(う、鋭いな、そしてこの前の旅館の時、チラッと温泉が有名とかなんとか言っちまったからなあ、上手く誤魔化さないと住んでるとこがバレちまう、、、)
「そ、そうだな、まあなんだ、田舎だからな」
(あ!またはぐらかした!けど、個人情報だし仕方ないよね、、、ちょっとさみしいけど〜)
「そうなんですね〜、わたしが進学希望してるところも、島国なので楽しみなんです!絶対受かりたいですね!」
(ほう、、、島国?、、、沖縄?、、ん?俺んとこもまあざっくり言うと島国、、、まさかな)
「なんでまた、都心のシティガールがそんな田舎に?」
「前にも言った、旅行先で行った場所です!
実は親戚が居て、地元を離れるならそこが良いなって思ってたんです!
地元を離れる機会なんて、学生の時くらいしかないって周りからも言われてたし、住んでみたいところだからそこにしました〜!まだ受かってないけど」
リサはてへっ、という仕草で舌を出す。
(、、、可愛い。こりゃ粘着されるわな)
「まあ、確かに周りの言うことは一理あるぞ。大学の時くらいしか思い切り遊べんし、何より青春できる。人生が決まる出会いや経験をすることだってあるからな。
後悔せんよう、思いっきり楽しんだらいいさ」
(な、なんかまた説得力あるというか、重みがあるというか、わたしの中にアドバイスがスッと入ってくるんだよなあ、ああ、ほんとにそうしとかなきゃーって、、、やっぱり歳が近い子達とはちがう、人生の先輩からのアドバイスって雰囲気なんだよなあ)
◆
航路選択。
花たちはAの航路を選択した。
「よし!これで面白い仲間、見つけるぞ!」
「お、面白い??」
「そうだ。面白い奴だ。だって、仲間にするんだろ?時間を共にするなら面白い人がいいな」
(ま、また意味深?発言なのかも!聞いてみよう!)
「どうして花さんは面白い人が良いって思うんですか??強さはあまり重要じゃ無いんですかね?」
「ん?まあ、強さもある程度重要だけどな、今回はリサを守るのも目的だし。
ただ、、、プライベートを共にするってことはいろんな価値観同士で関わるって事だろ?
どんな人間も、価値観が100%揃うなんてのはまずありえないんだよ。
だからこそ、"共有できるポイント"があれば、長くやっていける。
俺はそう学んだな。
それが、"一緒に居て楽しいか"だな。」
(なるほど、、花さんはいろんな経験をしてそう思ったということか、確かに説得力あるかも。)
「勉強になります!わたしは、思いやりがある人が良いなあ、、、」
花は微笑みながら答える。
「間違いねえ、、、リサのその感覚、大事にすると良い。そうなんだ、
楽しく過ごすにも、根底にあるのはそこなんだよ。それを見誤ったら一緒にいられなくなる。
リサは若いのにしっかりわかってる。ほんとにすげえよ。
だからまあなんだ。面白いやつとは言ったけど、それはあくまでリサの言う、思いやりがありそうかどうか、ってポイントがあってのことだから、俺もそのつもりで選びたいと思う」
リサは顔を赤くする。
「そ、そ、そんなあ、なんか褒められてるみたいで恥ずかしいです!
けど、こうやって想いを出すのって大事ですよね!」
「ああ、違いねえ。、、、」
(もっと、、、見極めてりゃあ今頃俺も、、、)
(あ、、また哀愁が、、、)
◆
船は進み、大陸へ向かう。
波も風もリアルで潮の匂いも再現してある。
二人は甲板へ行き、広い海を見ながら語るのだった。
第二十六話 完
どんな人と、何を共有するか。
なかなか考えさせられる回でしたねぇ。
二人とも、自然と「仲間」を意識して語っていました。
一緒に時間を過ごし、同じものを見て、同じ空気を感じる。
そうして少しずつ関係が形になっていく――
そんな始まりの気配を描いた回だったように思います。
これから二人は、どんな人たちと出会い、
どんな「仲間」を得ていくのでしょうか。
その行く先を、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
本作は現在、コンテスト参加中です。
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