第二十一話 進路
進路は、選ぶもの。
逃げることも、進むことも、どちらも選択だ。
その一歩が、未来を静かに変えていく。
「ねえねえリナ!リナはどこを受験するかもう決めてるの??」
「うん!もう決めてる!ここだよ!」
リナは資料を見せる。
「おお、やっぱり医学部受けるんだね!けど、なんでそんなに遠いところにするの?わたし今まで生きてきて行ったことのない県だなあ」
「昔ねー、家族で旅行に行ったんだー、温泉が有名なんだけど、旅行中におじいちゃんが倒れちゃってね、たぶん、のぼせたんだと思うんだけど、その時に、助けてくれた人が医療関係者でね。ああ、人を助けるってーー、かっこいいなって思ったの!」
「そうだったんだ〜、いいなー、リナには明確な夢があって、、、わたしはまだなーんにも思いつかない。だから、大学行っていろんなことしてみようかなーってとりあえず勉強してるんだー」
「わたしもたまたまだったから、それがなかったら、親の言うように生きてたかもしれないから、、、人生何が起こるかわからないね!」
「そっか!わたしも夢見つかるように大学受からなきゃね!」
「うん!お互い頑張ろうね!」
◆
「ねえ花さん、ビギナ大陸への進路なんだけど、どのルートにする?」
「ん?俺が決めていいのか?、、、ならAにしよう。」
「ね、念のため。理由を聞いてもよろしいですか??」
「ん?だって、強いやつ集まるんだろ?なら手っ取り早くていいじゃん。」
(やっぱり、、、オープンワールドはどこで何が起きるかわからない、、、からまれて誰かに従わされる可能性もありうる。だからみんなガチ勢のところにはまずはこないんだ。
多分そこまで深く考えてないんだろうなあ。
現実の方は割と深刻そうな分、こっちでは本来の性格が出てるのかなあ)
「ぷっ、、リサ、もしかして、強キャラに遭遇してPKされるとか想像してる??」
「げ!ど、どうしてわかったんですか!?」
「全身に書いてある。ぷくく、、あのなあ、そんな心配しなくてもでぇじょうぶだって!
俺の予想だけど、ガチ勢ってやつは、本当に純粋にプレイしてるやつだと思うぜ?
だから、よこしまな奴はすぐわかると思う。
なんなら、このゲームは世界規模だろ?みんな探り探りだと思うからまだ大丈夫だと思うけどね」
(い、意外と考えてるーーーー)
「おい、俺はそこまでアホじゃないぞ?
また全身に書いてるぞ」
「ふえ?!い、いやだなあ、花さんをそんなふうに見てるわけないじゃんー!」
「、、、、、」
アイテム屋にも寄って、一通り準備はした。
後は出発するのみ。
「今日で休みも終わりか、次はいつ入るんだ?俺は夜ならいつでも合わせられるが」
「んー、、ちょっとまた模試があるから、春休みに入ってからのほうが良さそうかなあ。」
「わかった、全然大丈夫だ。俺もそのほうが都合が良い。そうだなあ、塾とかのスケジュール見て、割とまとまって潜れそうなところ教えてくれ。俺も連休にして空けておくから。」
「うん!ありがとう!わたしの予定に合わせてくれて!」
「当たり前だ。学生の本分は勉強だ。その勉強は夢を叶えるために、今しか発揮できない貴重な時間。
やる時しっかりやって、羽目を外すときしっかり遊んで、メリハリつけりゃ大丈夫さ!」
(な、なんか説得力あるぅ、ほんとにわたしと歳近いのかなあ。見た目はそれほど変わりないんだけど、やっぱりもう少し大人?、、、)
「うん!ありがとう!なんか、花さんと話すといつも頭がスッキリするんだー!なんでだろうね!」
「こんなんで役に立ってるならありがてえな、ま、しっかりやってこい、またメッセージよろしくな」
「うん!必ずメッセージ送るから、既読付いても見たら返信してね!絶対だよ?!」
「、、、、、おう、、、じゃあ、またな」
花は一足先にログアウトした。
「んもう!あれ絶対返信面倒がってるじゃん!、、、ぷ、、なんか、そんなキャラも面白い。可愛いというか、なんというか。
よし!しばらく勉強に集中するか!」
こうして、リサの春休みまで、しばらく一人で黙々とプレイすることになるのだった。
第二十一話 完
それぞれの春に向けて、時間は進む。
本当のオープンワールドが、姿を現し始める




