第二十話 スクール
現実での選択と、仮想世界での選択。
どちらも、後戻りはできない。
少しずつ、歯車は噛み合い始めていく。
「今月の模擬試験の結果を張り出しておく、各自見て帰るように」
塾の掲示板に張り出された結果では、リナは塾内で2位だった。
「今回は2位か、、、けど、医学部は合格権だから大丈夫!」
リナは常に塾内でもトップ3に入る。
「ねえリナ、本当に医学部受けるの?せっかくアイドルになれるのにもったいなくない??」
同級生からは何度も聞かれた。
「うん、実は、昔からの夢だったんだ!」
「最近楽しそうだねリナ!あ!彼氏でも出来た?!」
女子高生らしい会話をしている。そこにふと見慣れた中年男性が。
例の男のマネージャーだった。
リナは身構える。
「こんばんは、リナさん。こんなところまで押しかけて申し訳ないです。少しお時間よろしいでしょうか?」
近くのカフェに入る。
「こ、こんなところまで来るなんて、もう関わるつもりは無いとお伝えしたんですが」
「そのことでご相談があるのです。
どうも3ヶ月後、あなたがアルバイトをしているゲーム、彼もプレイするとおっしゃってます。」
?!
「余計なことかもしれませんが、逃げてください。ほとぼりが冷めるまで。
そうすれば彼も諦めると思います。
わたしどもから伝えても、プライベートまではコントロールできないのです。
本当にご迷惑をおかけします。」
◆
「なあ、この、大学ってなんだ?」
はじまりの都を出てすぐにある大陸、この大陸の名は「ビギナ大陸」
「、、、ビギナ?、、、ビギナーということか?」
「まあ、センスはともかく覚えやすいよね!プレイヤーが初めてオープンワールドに行くにはちょうど良い感じね」
花はリサから大学について説明を受ける。
学校というより、スクールや塾に近いらしい。
なにやら、スキルを獲得するのに重要だとか。
細かい仕組みについては現地で説明を受けるとのこと。
「いろんなスキルを獲得するために、試験とか、訓練とかあるみたいよ!これもジョブによって取れるものと取れないものあるみたいね」
「ふーん、大学、スクールかあ。俺は大学じゃなくて専門だったからなあ、、、一度行ってみたいと思ってたんだよなあ」
「花さん専門学校通ってるんですか??なんの分野ですか?」
「秘密だ。まあ、恥ずかしいからそのうち話すよ」
(はぐらかさずに答えてはくれたけど、まだ教えてはくれないのか〜、気になるなあ。でも、そのうち話してくれるって言ってるからその時まで楽しみにしておこう)
「了解でーす!あ!
大陸に行く前の準備として、冒険者登録をしましょう!このゲート1でも出来るので、早速今から行きませんか?」
「お、おう。わかった」
(俺もついに冒険者か、、、まさか、どこかギルドに所属しないといけないとか無いよなあ)
「安心してください!ギルドに強制的に入れられることはありませんから!」
「?!」
(げ!思考読まれてる!そんなわかりやすいかな俺、、、)
冒険者ギルド案内所
「おう!おまえさんたち登録かい??
そしたらここに手をかざして登録だ!」
LISA ランクF
XIII HANA ランクC
「ん?なんで俺はCなんだ?」
「すげえぜにいちゃん!初手でランクCなんて、ほんの一握りだ!よほどスキルかステータスが高えんだろうな!
ほい!コレが証明書だ!アイテムボックスにでも入れとけ!これはアイテム入れたら持ち運ばなくてもアバター内で保管されるやつだから、なくす心配はねえよ!」
二人は無事に冒険者登録できた。
「なんか、また俺は面倒な感じになってるんじゃないのか?」
「このランクで特に面倒になることは無いと思うけど、、受注クエストに行ける幅が広がるだけだと思うよ?まあ、よくわかんないけど」
「、、、、、、」
このランクも、のちに道を大きく左右することとなるのだったが、この時点ではまだ知るよしも無いのであった。
第二十話 完
偶然に見えるランク、逃げるという選択。
それらはすべて、未来への伏線。
次回、ビギナ大陸の“学び”が始まります。




