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Another Life 〜現実が詰んだので、フルダイブVRで人生やり直します〜  作者: hanaXIII


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第十八話 防具

今回は「守る」というテーマのお話です。

武器や防具の話でありながら、

守りたいもの、守り方の違いにも触れています。

少し長めですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

第十八話 防具


なんだろう。LINEやメールがこんなに、、、もう辞めたのに、、、そこに電話が来る。

「リナ〜、今度上手いスイーツの店見つけたんだけど、会わねえ〜?勉強の合間にさあ〜」

「ご、ごめんなさい、もう一つのアルバイトと勉強で忙しくて、、、それに、わたしはもう住む次元が違うから、、迷惑かけたらいけないし、もう会えません。ごめんなさい、せっかく誘ってくれたのに、、、失礼します。」

ツーツー、、、

「ちっ!!んだよアイツは!俺が声かけてんだぞ!

なあマネージャー?!」

近くにいたマネージャーは苦笑いする。

「あいつのもう一つのバイトってなんだ?!知ってっか??」

「ええ、たしか、最近発売した、Another Life onlineだと思います。」

「ふっ、、、そうか、俺がCMしたやつか!

それは好都合だな!」

「あの、いったいなにを、、」


♦︎


翌日、アプリを開いてみる。

"今日は昼間に塾があるので、20時くらいにシフト入ります!"

フレンドメッセージがリサから着ている。

(もう11時か。今日は早めに潜ってうさばらししまくるか)


近くのラーメン屋

(こんな時くらいしか贅沢できないからな。どっかの誰かが貯金してないせいで、ジリ貧だ。

そして、今もパートなくせに家事育児は親と旦那に振る。どうなってんだよマジで)


ラーメンを啜りながらまたイライラしていた。

(ほんと、俺の人生ってなんなんだろうな。子供が大きくなるまで、まだ20年もあるじゃんか、、、その頃にはもう60歳か、、、まじで人生詰んでるじゃんか、60で誰が添い遂げてくれるんだよ。孤独しかない。ただ、妻とこのままいるのも違う気がする。

能天気に俺のことなんか二の次か、いや、それどころか、ついでだついで、元々ついでだったじゃないか、最優先にしてくれたことなんて一度もねえよ、、、そうだな。一緒にいてストレスかけられ続け、ましてや最後の最後に介護や面倒まで見んといかんとか、最低な人生だよ)



ALO内


「どらあ!○ねー!」

あたり一面にドロップしたアイテムとギルが転がっている。

「こい!」

手をかざすと自分がドロップしたもの全てが集まってくる。

「なんて便利なんだ!時短だぜ!よし!いつものように森を右回りに行くぜ!」

そして、武器についても色々試していた。

(こい!)

シャッ!花の手元に武器が現れる。

「これが一番驚いたなあ。戦闘でスピーディになる。しかも頭の中でイメージしたら視界にアイテムページが出てきて、思うだけで選択できるとか、まじですげえわ」



「お、時間ぴったりだな。よう、塾お疲れ様」

「う、うん、ありがとう、じゃあ今日は防具見に行こうか!」

明らかにリサの様子がおかしかった。

「なんかあったのか?」

「うん、ちょっとね、、、聞いてくれるの?」

「大丈夫、ここではなんでも話す、だろ?」

防具屋に行く前に、街のカフェに入る。防音モードオン

「実は、わたし、地下アイドルやってたんだ、つい最近まで、、、」

(まじか!本格的じゃないか!アイドル志望はだてじゃねえな)

リサは、地下アイドルになる前に読者モデルもやっていたこと。有名メンズモデルから紹介されて地下アイドルをやってファンを付けていたこと。

そして、辞めた後もしつこく粘着されていることを話した。

「と、いうことがあったの。しつこすぎて、もう怖くて。公にも出来ないし、どうしたらいいのか」

「んー、そいつ、リサのこと好きなんじゃねえのか?」

「え?どうだろう、多分自分の思い通りにしたいだけなんじゃないかな?だから思い通りにいかないわたしが気に入らないんだよきっと。」

「それもあるかもな、手に入らないとわかると豹変するタイプか。諦めの悪いみっともねえ奴だ」

「こないださ、彼のマネージャーから話があったの。

どうやら彼はこのALOまで追いかけてくるらしいの。ただ、仕事が詰まりすぎてるから、とりあえずそれが片付いたらゆっくりゲームするって、、、三ヶ月後には購入予約まで取ってるみたい」

「ALOってさ、人との関わりに制限はないんだよね?全て自己責任。」

リサは頷く。恐怖で肩を震わせている。

「そしたらさ、リサが誰か強い仲間を連れてたら、そいつは手出しできねえんじゃねえの?」

リサはハッとする。花の方を見た。

「まだ数ヶ月あるんだ。もしかするとリサの力になってくれる人がいるかもしれない!

違うゲートに入って、仲間を探すのはどうだろう?」

「それが良いかもしれない。もっとゲームが進行していたら、それこそ見守りギルドのようなところに加入すれば大丈夫なんだけど、まだこの世界は未発展。自分の身は自分で守らなくちゃならなくなる。」

「なあ、そうなると、あまりに無法地帯過ぎて、秩序がおかしくならねえか?

なんか法律とかないの?」

「一応、その土地ごとにルールみたいなのは設けてる。

ただ、プレーヤー同士のPKに関しては関与しない、かなあ。命取られるわけじゃないから。」

「なるほどな、相手も複数人連れてくるかもなあ、心しておかねえと。」


ある程度作戦を立てて、とりあえず、防具屋とアイテムを見て回ることにした。


防具屋では、服装の変更と同時であり、さまざまなものがある。

花はシャツとズボンという普通の私服の格好だった。

「花さん、これはどう?」

いかにもアニメの無双主人公みたいなマント風のものだ。

「いや、それはちょっと、、、おれは主人公って柄じゃあないからな」

「んもう!そんな柄じゃないとかじゃなくって自分がなりたい自分をイメージして、着たらいいとおもうよ?」

(いつのまにかタメ口になってるな。全然気にならなかったわぁ)

「あ、俺はこれが良いかな、、」

少しゆったりした格闘用の服でフードもついていて若々しく見える。

「カラーは、、黒だな。目立ちたくない。やっぱり動きやすさ重視だ」


続いてアイテム。アクセサリーショップに行く。

「なあ、なんか身を守れるものってあるか?」

花は、転送用のもの、致命傷を防ぐもの、防御結界を張れるもの、自分の居場所を伝えるもの

などの、バングルや指輪、ネックレスを買い漁った。

「ほい、こいつら全部やるよ。付けといたら安心だ。俺も、いくつか付けておこうかな。お金のこと気にせず買えるってすげえわ」

「え?!こんなにいいの???けど、こんなにお返しできない、、、」

花は少し笑う

「お返しなんかいらないよ、、俺はそのイケメンくんとは違うから。

それに、いつも助けてもらってるのはこっちなんだし、お返しってんなら俺の方だよ」


リサの目に少し涙がみえる。

「ありがとう、花さん、心強い、、、」

「けど、一つだけ頼みがある」

リサはビクっとする。ゆっくり花を見る。

花の顔は真剣だ。

「もし、リサが無事に仲間を見つけられたら、、、その、、、お、俺も、仲間に入れてくれないかな?、、、集団行動とかめっちゃ苦手なんだけど、、、ダメかな?」

リサはポカンと口を開けている。

(ん?なんか俺、おかしなこといったかな?きちんとお願いしたつもりなんだが)


するとリサは急にポカポカと花を叩き出す。まるで甘えるように

「バカバカバカーー!花さんのバカー!」

「う、うお、やっぱりおれおかしいこと言ったかな、ごめん!謝るからゆるしてくれ!」

リサは泣きながらポカポカ叩き続ける。

「ちがーーーう!

花さん、、、私たちって、もう仲間じゃないの??!

わたしは、とっくに仲間だと思ってたよー!?」

花は豆鉄砲を喰らったような顔になった。

「お、おれを、仲間とか友達だちだと思ってくれてたのか??」

リサは叩くのを辞めて、一呼吸して花に向き直る。

「そうだよ、、、当たり前じゃん、、、でもごめん、、わたしが勝手に思ってたところもあるかもしれない……………。

じゃあ、、、改めてよろしくお願いします!花さん!」

花もホッとした。

「こちらこそ、じゃあ、一緒に仲間探そうな。」

そう言って、リサの頭を軽くポンと撫でた。

まるで子供をあやすかのように。

リサはなんとも言えない暖かな気持ちになった。自分を認めてくれ、否定せず、ただ純粋にゲームをする仲間として対等に見られている。

家族ともまた違う。暖かな気持ちになったのだった。


そして、二人はこれから、他のプレーヤーが集まるところへ向かうのだった。


第十八話 完

仲間とは何か。

それは言葉にしなくても、

もう成立している関係なのかもしれません。


次回から、物語は少しずつ外の世界へ広がっていきます。

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