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魔導文明復興記  作者: 十時間睡眠
1. 灼熱の南支部
9/14

第7話 救済と、仲間

蒼く燃え上がる少年を見て顔をしかめるグレイス。


(あいつあのままでは死んでしまうぞ…まぁそれで終わるならいいが…)


グレイスは知っていた。この能力はエネルギーを消費して使う。しかしあの勢いでエネルギーを使うと衰弱して死んでしまうだろう。


(まぁ仕方ないか…)


そう思いながら少年を見つめていたグレイス。しかし


(ッ!あの少年、どこが助けを求めているような気がする…)


そう思った瞬間、無意識のうちに体が動いていた。


氷結嵐(ヘイルフリーズ)!」


なんの工夫もなく全身の冷気をぶつけるだけの技。これだけの量の炎を打ち消すとなると、普通なら死んでもおかしくないレベルのエネルギーを摩耗する。それでもグレイスはやめなかった。そして──


「ハァハァハァ、な、なんとかなったか…」


暴走が止まった少年の目には生気が戻っていた。


「あれ、俺は何を…えっ…?」


バタリ


「周りの状況の異常さに驚いて気絶してしまったようだな…ルース!」

「は、はい!拠点まで運びますね!」

「あぁ、よろしく頼む。」


それだけ言ってグレイスも気を失った。


■■■


少年は夢を見ていた。まだ世界が平和だった頃の夢を。少年は幼少の頃から誰にも助けてもらえなかった。いや、正確には一度だけある。あれは確か4歳の日の夏、少年は迷子になり、知らない場所へついてしまった。道も分からず、頼る人間もいない。一人ないていたところに、老人が現れ、道を教えてくれた。以来その老人に憧れ、その老人のような人間になるために努力してきた──


■■■


目が覚めると、知らない天井が見えた。


「あ、やっと目が覚めたんですね!」

(この人は…って俺は何をしていたんだ?)

「グレイス!目が覚めましたよ!」

「おぉ、大丈夫か?」

「あの…あなたたちは?俺は何をしていたんですか?」

「あぁ、すみません。私はルース。そしてこっちが、」

「グレイスだ。よろしく。それで君は?」

「俺はフューズ、15歳だ…」

「そうか、よろしく。で、君が何をしていたかだったな。ルース、説明してやってくれ。」

「はい!」


そしてフューズは今回の事件についての話を聞いた。


「お、俺、そんなことしてたのか…」

「で、君は誰かに操られていたようなのだが…心当たりはあるか?」

「まったくないな…でも断片的に覚えていることもある。確か俺に命令をした誰かは中枢部にいた…とか、闇がどうの…とか詳しいことはあんまり覚えてねぇ」

「まぁいい。それだけでも十分な情報だ。ところで君はまだ能力が使えるか?」

「あぁ、多分使える。」

「なら提案なのだが、これから一緒に行動しないか?こちらとしても人手不足解消に繋がるし、その代わりに食事と寝床を保証しよう」

「そんなの一択だ!俺は人を助けられるような人間になりたい。ついていくぜ!」

「ありがとう。君が来てくれればかなりの戦力になる。」

「フューズでいいですよ、グレイスさん、ルース!」

「分かった。改めてよろしく、フューズ」

「よろしくお願いしますね!フューズ!」

「あぁ!」

これで第2章は完結ですかね。

次回からは第3章なのでお楽しみに!

十時間睡眠でした。

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