第2話 質より、量
今回はあまりいい展開が書けなかったです。
グレイスたちは苦戦していた
~時は数時間前にさかのぼる~
「南部につきました!」
「あぁ」
南部に着き、順調に魔導兵を破壊しながら進んでいた。
すると…
「ん?遠くからバタバタと音が聞こえますね…」
「そうだな。生存者か?その割には多い気が…」
「あれを見てください!」
視線の先には謎のマントの集団。手には鎌を持っている。
「味方…ではなさそうだな」
「そのようですね」
「やるか」
「はい」
そして今2人は追い詰められている。
個々が強いのではない。魔導兵なんかよりよっぽど弱い。しかしいかんせん数が多すぎる。グレイスの氷柱槍では対応しきれない。質より数ってことか…
「それだ!」
「はい?」
「向こうが数で押してくるならこちらも数で対抗する。威力を分散して弾数を増やす」
「いいですね!」
エネルギーをため始める。その間はルースが魔力銃で守ってくれる。
「溜まった!」
また単語が頭に浮かんでくる。まったく自分のネーミングセンスの良さに驚くばかりだ。
「吹雪槍」
小型の氷槍を大量に飛ばす。どうやら敵の軍勢はあらかた倒したようだ。
と、その軍勢の中の一体のマントが取れた。その下に見えていたのは──目だった。もやに一つ目がついたような何かが、マントの下にはあった。
(このタイミングでこれだけの軍勢が...しかも見たことのない生き物...いや生き物なのか分からんがもしや...)
「ルース!一時退却だ」
「はい」
どうやらルースも同じことを察したらしい。
飛行船のある位置まで撤退した。
「間違いないな」
「はい」
明らかにこちらに不利なタイミングで大量の軍勢が送られ、それも見たことのない「何か」で構成されていた。
間違いなく魔導兵以外の黒幕がいるだろう。それも恐らく人ではないだろう。
「あの程度の敵なら何とかなるがルースの武器も拡散型に改良したほうがいいだろう」
「はい!わかりました」
「明日の朝に再出発しよう。いいか?」
「そうですね。もう日が暮れてきたのでご飯にしましょう。お腹がすいて死にそうですぅぅ」
そういえば今日は昼ご飯を食べられていなかった。その事実に気づくと私も急にお腹がすいてきた。
今まで空腹感を感じなかったのはずっと張りつめていたからだろう。
「よし、ご飯にするか」
その夜は鹿肉と野菜を焼いて食べた。
■■■
翌朝
「ルース!できたぞ!」
「ホントですか!」
ルースの魔力銃に改良を施した。一発一発の威力は落ちる代わりに拡散機能と連射能力を付けた。もちろん元のように使うこともできる。
これでルースもかなりの戦力になる。今までは正直言って足手纏いだったからな…
「今、失礼なこと考えました?」
「い、いや?そんなことないぞ?」
「そうですか?まぁいいですけど」
2人は少しずつ支部に近づき、1週間後には目前まで辿り着いた。
やっぱり少しおかしい…
次回は頑張ります。