冒険者をプロデュース18
やはり記憶は消しても身体が覚えているのかどこかぎこちない感じではあるが
ヒラが石をぶつけると怒ったように襲い掛かってくる
「ひっ!」
まずい!咄嗟にカンペを出して
<落ち着いて作戦を進めて下さい>
するとヒラは落ち着きバミリまで誘導する
「行きます!」
熊がバミリの上で硬直する
「チェンジ!」
「OK!」
ウィスさんが前に出て
「ファイヤータワー!」
熊が巨大な炎の柱に包まれていき、そのまま倒れた
「よし!」
「いいかんじね!」
「すごい魔法ですねコレならいけますよ!」
「そしたら今度は俺が誘導をするからヒラは他の奴が襲ってこないか警戒してもらって、襲ってきたら足止めしてくれ」
「わかりました!」
そこからは安定的に狩をすることができた、敵が複数になってもヒラがそれを抑えて確実各個撃破することで着実に戦果をあげて最後は討伐部位を持ち切れず撤収となった、
「カンパイ!」
討伐を報告するとウィスさんと討伐したときの2倍!ヒラと討伐してたときの4倍稼げたしかもみんなランクまで上がったので盛大に打ち上げをおこなったちなみにステータスは
NAME エス=センタ
職:プロデューサー ランク1 AD(中堅)
職スキル:セルフプロデュース《リキャストタイム》
スキル:カンペ、不眠不休、どこでも寝れる(ADスキル)、交渉初級、買い出し、バミリ、タレント名鑑(人脈小) NEW BGW選曲
「いや~!もう言うことなし!今まで働いていた1か月分が一気に稼げるなんて」
上機嫌でご飯を書き込み酒を飲むウィスさん
「いや~ほんとにウィスさんの魔法凄いですね!これならもっと上の敵でもいけますよ」
「ヒラさんも鉄壁じゃないですか!物理攻撃も高いですし」
お互いを称えながら陽気に飲んでいる二人
「あれ?エスさんどうしたんですか?飲みが足りないですよ~、あ!それとも責任とれなくなって落ち込んでます?」
かなり酔ってるなこの子
「いや、そうじゃなくて」
「?」
立ち上げ時が良くても懸念事項を放置すると後々それが爆発するってことはよくあることで、今回の懸念事項はヒラだ……今まではなんとかなってもこれから再発するとも限らない手を打っておいた方が良いな
「ウィスさん明日ちょっと時間あります?」
「え?何デート?きゃーどうしよう」
はっきり言うがデートではない保険の話だ……
そしてその保険を使うのは早かった
それは難易度を上げて森でタヌンガーというCランクモンスターを狩っている最中だった
ピュンっと目の前に矢が通り過ぎた
そしてその放った方を見るといつぞやの弓を持った男がこちらを睨みつけていた
「どうも、お久しぶりで」
嫌味が効いた言葉でしゃべりかけてくる
「え?あれ……なんだろ急に足がすくんで」
まずい!催眠が切れかかってる
「お前!よくも俺たちの前に顔を出せたな!」
「そんな冷たいことを言わないでください、なかなか稼ぎがよさそうじゃないですね俺にも恵んでくださいよ」
「ねえ、エスさんあいつってこの前言ってた」
「ああ、俺たちを敵の前に置き去りにしたヤツだ」
「おいおい、人聞きの悪いことは言わないでくださいよ、こういう仕事は危なくなったら逃げるのは鉄則でしょ……それを変な報告しやがっておかげでこっちはお尋ね者になっちまったじゃねえか!」
「自業自得でしょ?」
「なめたこと言ってられるのも今のうちだ」
すると
ピーーーー
何やら口笛のようなモノを音を鳴らすとぞろぞろとモンスターが集まってくるその先頭にいたのはあのウサギだ!
「ひい~そうだった俺は」
いかん!催眠が解けた!
ヒラが立ちすくんでしまった……
「俺からのせめてものお礼ですよ」
そういってケラケラ笑いながら男は去って行った
「人間のクズよ!待ちなさい」
「ウィスさんそれより今は目の前のことを、ヒラがこの状態なので」
「そうね……あんたの言ってたホケンとか言うのを使うのがこんなに早くなるとは思わなったけど、ちょっとこの規模は想定外じゃない?」
「そうですね」