冒険者をプロデュース14
「とりあえず簡単な敵からやってみようか」
「そうね」
総合役場に向かい難易度の低いクエストを探しにいくと
「あら？今日は彼女さんと一緒」
「違いますよ！あんなことがあったのでヒラが動けなくて臨時パーティーを組んでいるんです」
「ああ、なるほどね……こちらも奴は指名手配にしたから、それでどんなクエを？」
「とりあえず簡単なモノからと思ってるんですが」
「そうね～そしたらこのキバケとかどお？」
「キバケ？」
「えええ、木のようなモンスターで擬態しているのだけど葉っぱの色が普通の木と違って緑ではなくて青いからすぐ見分けがつくし動きも遅いわ、でもトゲトゲの枝がかなり攻撃力があるから厄介なのよね」
「なるほど」
さっきお風呂場で炎魔法使ってたようだし相性も良さそうだな
「じゃ、それ受ける方向で良いかな？」
「ええ、構わないわ」
クエストを受注し狩場へと向かう最中
「そういえばまだ自己紹介してなかったわね、わたしはウィステリア、ウィスって呼んでね」
「ああ、すみません私はエスと申します」
「エスね！一応今回の敵は木の敵みたいだけど私は炎魔法で準備すれば良いのね」
「ええ、炎以外にも使えるんですか？」
「一応、全適正はあるからなんでもいけるわよ」
「それってすごいことなんじゃないですか？」
するとさっきまでの明るい顔が一変急に暗くなり
「そうね、そのせいで昔は神童なんてもてはやされていたけど、その後のただ目の前だけにしか展開出来ないとわかってからの転落の凄さっていったら」
いかんこれトラウマスイッチだ！
「でも！今回のが成功したらそれこそ名誉挽回できますよ！」
「成功しなかったら責任とってね」
ゾワワっと背筋が凍るような感じが！！！
とりあえず今回は町の近場なのでそこまで事前準備も必要なさそうなので、
そのまま狩場に向かうことにした
狩場につくとなんの変哲もない獣道の恐る恐る進み探していると明らかに葉っぱの色が青くトゲのついた枝がある木が一本あった。
「こちらが気づいてないと思って動いてないのかしら」
「じゃ、スキル使いますのでここで止まったら魔法をお願いします」
「わかったわ」
バミリスキルを発動して＜トバケ静止＞と印を張り付け、トバケに向かって石を投げつける！
「さあ！来い」
石をぶつけられた瞬間それまで木のフリをしていたトバケが起こったようにノソノソと俺に向かって動いてくる！
よし、そのまま真っ直ぐ俺のとこに来い！トバケは枝を振りかざしながら一直線にこちらに来たため問題なくバミリの位置にきてバミリ通りピタッと止まりまるでまた木にもどったかのように静止した
「今です」
「これなら！」
目の前に止まったキバケに向かい豪華を展開する！
火の勢いは凄まじく一瞬で倒してしまった。
「よっしゃ！」
「やった！やったよ！勝てた」
ウィズさんが抱きついてくる！ラッキーだがここは冷静に！！
「と とりあえず！もっかいやって見ましょう」
「うん！」
そこからほぼ無双状態ではあったが、問題としては進路がずれたときに誘導だったりカバーできる前衛がやはりいないと何度かバミリの位置から外れてしまうことがあった。
「やはり彼を……」
