冒険者をプロデュース11
あれからというものヒラは完全に元の臆病者に戻ってしまい、狩りにでることも出来ず俺のお菓子の売り上げでなんとかギリギリ生活しているがなんとかしないと、
失敗をして立ち上がるのに俺なんかは多忙だったから悔やみながらも次の仕事がドンドン襲ってくるから我武者羅にやってのけたけど、ヒラさんの今の状況はそうじゃないしな~
カンペで無理やりってのも手ではあるが……
何か手はないかとスキルを見ているとこの前増えたタレント名鑑(人脈小)というスキルが目に入った。
もしかして、これって強い人を召喚出来たりとか……
淡い期待を持ちながら発動すると、
タレント名鑑(人脈小)
バイプレーヤー 鈴木たけのこ
プロ雀士 強打なさこ
占い師 街角の母
少な!更に微妙~~~この中で役に立ちそうなのは占い師くらいか……
こうなったら当たるも八卦当たらぬも八卦占いをしてもらうか
占い師街角の母を選択すると目の前に扉が現れて中からいかにも占い師という感じの老婆が出てきた。
「おや?ここはどこだい確かデパートの休憩室に居たはずじゃ」
「え、地球から来たの!?じゃあの扉に入れば」
扉に侵入しようとしたが弾かれる、そのとき扉の上にタイマーが見えた
<残金:タイマー3:29>
残金……タイマー?
もしかして、手元お金を確認すると時計の時が減る度にお金がドンドン減っている!
残金=召喚時の時間ってこと?!
「ええと!占い師さん」
「え?あ、はい」
「ちょっと占って欲しいんですが!」
「ええ、あ……はい」
すると懐からタロットを出して並べていく、
そして一枚づつ捲っていく
「う~ん、あんたトラブルに巻き込まれて壁にぶち当たってるね」
「はい」
「う~ん、現状を打開する手がみてない」
「そうです!」
右上のカウンターが30秒を切った!
「ええ~と」
「あの!なんでも良いのでヒントを」
「ううん」
「たのむ!」
「この近くにある風呂屋の裏手で」
そこでタイマーが切れたーーー!!!
占い師はまるで消えるようにフッと姿が消えた。
「風呂屋ってなんだよ!」
とりあえず、分かったことは風呂屋の裏手に何かあるんだな……
てか、そもそも風呂屋なんかあるのか体洗うのは近くの川でやっててそんなとこがあるなんて聞いたことがないが
「ヒラさん!この辺りにお風呂屋さんってありますか」
「え?ああ、村のはずれにあるが」
「どうです気分転換に」
「いや、俺はいいや」
これ以上話しても進展はなさそうなのでとりあえず詳しい場所を聞き、行ってみるとそれなりに大きな施設で人も多く出入りしている、後で聞いたことだが娯楽の少ないこの町では風呂に行くこと気分転換や社交の場になっており飲み屋に並ぶ人気施設らしい。
「さて、確か裏に行けって言われてたから」
建物の裏手に繋がる細い道を歩いていると
「ちゃんと調整しなさい!この能無しが!」
耳をつんざく大きな声が聞こえてきた。