冒険者をプロデュース10
兎にも角にもとはまさにこの状況!
いかにしてこの状況から生き残るか
「もう終わりだ~調子に乗ったから」
ヒラはもうパニックで使い物にならない!
幸いウサギの攻撃は突進のみで直線的な攻撃しかない為、盾でなんとか吹っ飛ばされながらも耐えているが盾もボロボロになってもう持ちそうにない、
こういう事故的なことは今までもあった、こういう時に俺まで慌てては元も子もない、
現状使えるモノは……ヒラが使ってる武器は俺には扱えない、ヒラ関係はすべて切り捨てよう……じゃ俺は戦力としては問題が、頼みのカンペはウサギが字が読めるとは思えない、お菓子撒いてそれを食べてる隙に……あんだけ興奮している状況下での効果は見込めない、何かないか何か!
そういえば新しいスキルが……バミリ……もし俺が知ってる意味なら
「スキル!バミリ」
すると俺の目の前に色付きガムテープのようなものが現れる
バミリとは演者や機材の立ち位置やセットの固定位置を分かりやすくするものでよく使うモノだ……こんな草原でガムテープが使えるのかわからないがこれに賭けるしかない
ウサギが突進して来ようとしてる俺の目の前にテープを設置し、
「そちらのウサギの方ここまで来たら姿勢固定で待機お願いします!」
すると草原にまるで溶け込むようにテープが張り付き演者ウサギという文字が浮かび上がった、その瞬間ウサギが突進をしてきた!これでダメなら……
思わず目をつぶってしまったが衝撃が来ない……薄っすら目を開けるとなんと突進のポーズのままウサギはテープの上で動けなくなっている!
「よっし!ヒラ!!!逃げるぞ」
「え?」
「足止めが出来たんだ!ほら、今のうちに」
「うあああああ!」
ウサギが動けなくなっているのを見るとヒラは俺を抱えて一目散に走り出した、
そして町に入るとそのまま倒れ込んだ、
「はあはあ、もう嫌だ~」
ヒラが倒れ込み泣いているのを見ながら徐々に人が集まってくるのが見えたのでなんとか宥めようと声をかけるが
「落ち着いて、とりあえず逃げれたんだから 家に戻って落ち着こう」
「死ぬとこだった~」
パニック状態でこっちの話も聞こえてない仕方なくカンペでと思ったが顔を地面に伏せたまま泣いてるので見せることも出来ない、そんなところに……
「あんたら何やってるんだい?こんなとこで」
騒ぎを聞きつけてきたのか、はたまた偶々通りかかったのかわからないがそこには総合役場のカウンターのお姉さんが居た、俺は事のあらましを話すと
「はあ~あんたら良いように使われたんだよ、その弓使いは有名で名が売れ出した冒険者に寄生して美味しいとこだけ盗っていく、または使い捨てることで有名な奴さ」
「そうなんですか」
「言っておけばよかったね、すまないね」
「いえ、自分たちもちょっと調子に乗ってました」
「それにしても……こんな道の真ん中でビービー泣くんじゃないよ!立ちな!」
ヒラさんの前に立って襟首を掴むとどこにそんな力があったのかわからないが、地面に伏せいていた顔をグッと持ち上げて
「シャキッとしな!大の大人が!」
「はい!」
さっきまで泣いてたヒラがビックっとなって黙った