立ち上げ1
試作品ですので!ぜひ感想あれば
「ぷっは~いやいや~完パケ後のビールはうまい」
「おつかれさん、しかし売れっ子は忙しいね」
知る人ぞ知る小さな小料理屋でおいしそうな料理をつまみながら番組完成を祝って二人の男が飲んでいた。
「そろそろセーブしなきゃとは思ってるんですけどね」
「そうだよ、体壊したら元も子もないんだから」
「それもあるんですが、やはり最近行けてない映画とか演劇とか山ほどあって」
「さすが、体の成分が水を通り越してエンタメで出来てるといわれるだけのことはあるね~江須プロデューサー」
「止めてくださいよ、それよりこの前見た映画なんですけど着眼点がすごくて加湿器の学習機能がいつの間にか自我を持ってですね」
「はいはい、わかったわかった それよりちゃんと寝てるの?今日も徹夜明けとかじゃないでしょうね」
「いやいや、さすがにそれはないですよ 夜中の撮影がバラシになったので今日は朝五時起き始発で東北の方でロケに向かいながら映像チェックして、ロケしおわってとんぼ返りで15時入りで編集所入って今です」
「今ですじゃないよ、そんなんじゃ倒れちゃうよ飲みになんかこないでそのまま帰った方が良かったんじゃないの」
「何言ってるんですか仕事して美味しいモノ食ってエンタメ見てこれが俺なんですよ」
「はあ~ま そうなんだけども」
~♪~♪
「おっとすいません、ちょっと電話で」
そう言っていそいそと外へ出て行った。
「いや~相変わらず忙しそうですね」
「そうなのよ」
店長らしき男が料理を持ってやってきて話しかけてきた
「この前の料理番組も面白かったんですけど、あれも江須さんでしょ」
「そうそう、あの番組もコア視聴率良いんだよね、この厳しいテレビ業界で今あいつが居なくなったら困るんだよね~だから身体に気を付けてと思うんだが」
「人気プロデューサーですからね」
「まあ、人徳もあるし腕も知識もあるだが自己管理だけがすっぽり抜けててね」
「なんか身体に良いモノ出しますね」
「頼むよ」
そんな日々の終わりは突然やってきた……
ある11月末だった、その日年末特番の打ち合わせ、レギュラー番組のVTRチェックが立て込んでおりめちゃめちゃ忙しかった。
「これを午前中までに終わらせれば映画が一本見れる!」
その日どうしてもみたい映画があってかなり無理をして作業を2徹して進めていたんだがそのせいか体調はすこぶる悪かった、やがて寝ちゃいけないとわかっていながら視界の上下が徐々に暗くなっていき意識が曖昧になっていくのをなんとかカフェインで阻止しようとしたのだが……
…………………
……………
………
……
…
「ん?やべー!寝ちまった」
どれくらい寝てしまったのか慌ててスマホを探そうと眠気眼で手をバシバシしながら辺りを探ると
「ん?」
おかしい……机とかじゃない感触、さらに俺は今机にうつ伏せじゃなくて体全体がうつ伏せになっている……違和感を覚えて体を起こして周りを見ると
「嘘だろ」
そこには木々が生えて何やら動物の声が聞こえる鬱蒼としたうす暗い森の中だった、
一瞬何が起こったかわからない状態に陥っているので自分を落ち着ける為に
「俺は仕事で家にいて、そんで意識が朦朧として寝落ちして……そうかコレは夢だ!目覚ませ俺!」
現状から推測するにこれは夢に違いないとりあえずこういうときは経験上 起きるという意思を前面に出し、何かしら刺激を加えれば起きれるはずと近くの木を思いっきり殴って見たところ……
「イッタ!!!」
絶対に夢じゃない反動と痛みが返ってきた。
「マジかよ、漫画やアニメとかの転生系?ありえないでしょう」
寝てるうちにいつのまにかここまで歩いてきた、いやいやそんなわけはない
………
………
………!
そうか!これはドッキリだ!日頃の仕返し的なヤツで俺をハメやがったな!
そうと分かればどこかにカメラが……
その前にさっきの気づいてからのリアクションは大丈夫だっただろうか
起きました、戸惑いながらの木へとパンチ
ま、悪くないけどもちょっと狂気じみてないか?
となるとこの後はどうする……このまま錯乱してる感じか?いや違うな、ここはあえてわかってるんだぞ的なリアクションの方向で行くべきだな、さっきの狂気じみたリアクションからのブチ切れモードで
「おいおい、わかってるんだぞカメラどこだよ」
……
「そうですか、あくまで白を切るつもり」
取れ高が足りないか又はこの先に落とし穴などの別の仕掛けがあるのか……
とりあえずここは辺りの様子を探りながら相手の演出に乗って早めに終わらせないと編集が間に合わない。
「どこだ、どこにいるんだ」
恐る恐る足場を確認しながら森を進んでいくと視界の先に開けた場所が見えた、
は~なるほど、あそこに落とし穴かなんかがあるんだな、よし ここはダッシュで行って勢いよく落とし穴かなにかにひかかってやろう。
「そこか!」
そう叫ぶと足場の悪い森を残りの力で走り抜ける
久しぶりの全力疾走のせいか体がうまくうごかない、ジムとかいかないとだめだなとおもいながら昔の自分と今の身体の動きがうまくかみ合わない状況で気合で走り抜けると、森を抜ける手前で足が縺れてダイビングする形で森から出ると眩しい太陽が照りつけてきて一瞬視界を奪われそのまま顔面は地面とキス。
「くそ~」
これはあれだ、俺がこけてるところをきっと上からカメラマンが撮っていて、だれかタレントでもいたなら笑ってインタビューするパターンか!顔とか血出てないかな
恐る恐る顔あげると目の前は崖!
「あぶな!マジか演出家だれよ、危なすぎるでしょ」
と叫んだが返ってくる声もなく周りにカメラもない……
「え?どういうこと?」
そしてタレント来ないが代わりに上空から凄まじい風が通り過ぎて行ったそして目の前を通り過ぎて行ったのは……
「ドラゴン!?」
それは緑色の身体に大きな翼と凶悪な口を持ったドラゴンといよりはゲームで言うと所のワイバーン種的なものが滑空して行った。
「ちょ待って、え?、嘘」
混乱というのはまさにこういうことを言うんじゃないかという感じに頭が現状を把握できない、落ち着け俺……あれはドラゴンでCGなんてもので体現できるレベルのものじゃない……ということはココは日本…地球じゃない……
「まじかーーーー」
どれくらい放心状態で空を眺めていただろう、その空にはみたことない生物が飛んでいる……いい加減現実を認めないといけない……現実?コレが?考える可能性を模索したところでこんな脚本は異世界転生くらいしか……!?
「まさか……ステータスオープンとか言ったら出ちゃう?」
NAME エス=センタ
職:プロデューサー ランク1 AD(新人)
職スキル:セルフプロデュース
スキル:カンペ 不眠不休(ADスキル) どこでも寝れる(ADスキル)交渉初級
……ほんとに出ちゃった
これは認めざるを得ないここが異世界だということを
そこから事態を整理しつつ思ったことは
ベタだな、異世界に転生して森でひと悶着あってステータス確認ってベタだわ~
いろんな人に擦りまくられた奴だし数字とれねえだろ、どうせこのあと襲われてる住人をかっこよく助けるとか……そんなんじゃボツだなとか思わず考えていると
セルフプロデュース発動
どこからか声が聞こえてきた、
「え?なに誰かいるの?」
周りを見回しても誰もいないただステータスの職スキルのところが
セルフプロデュース発動中
「え?どういうこと」
その後いろいろ試しにスキル名を叫んでみたが効果があったのはカンペのスキルくらいで叫ぶとスケッチブックが出てきた……こんなのでどうしろと?考えても結論が出ない為、とりあえず町を目指して森を進んだが見たことない生き物が出るのなんのって、茸かとおもったら足が生えて蹴りをかましてくるやつや、可愛いリスかとおもったら木の実をすげー勢いでなげてくるヤツ、近づくことすら恐ろしい馬鹿でかいチーターみたいな奴、休もうと気に寄りかかれば蔦で首を絞め殺しにくる。
まともに寝れない時間が何時間いや1日2日くらい経ったのかもしれない、
だが、不思議なことに疲れや眠気はあれど体はなぜか動く、寝ようと思えば木によりかかって、または石の上、そして立って半分意識を残したような仮眠を行うことが出来た、
多分これはステータスにあったADスキルのおかげだろうと思う、ここまで極端じゃないにせよ似たような状況は昔経験したことがある、家に帰れず少しの隙があればパイプ椅子を二つ並べて寝たり、段ボールを引いて寝たりしたな~、今は労働基準の関係でそこまでの修羅場はないんだが……ってそんなことはどうでもいいんだが、
「誰か居ませんか!!」
こんな森で返ってくる言葉もない……
ああ!ベタでも良いから人に合わせてくれ~俺が悪かった
そんな声にもならない叫びが俺の頭を駆け巡ると
セルフプロデュースを変更します
同時にバッドポイント ベタ展開、脚本変更に伴う作業の工程遅延の為 達成ポイントが減少します
また、声が……俺のスキルだろうけど達成ポイントの減少ってなんだ
そんなことを考えていると、
ドン!
という大きな音がしたのでそちらの方へ行ってみると地面が削れて道のようになっており、その道沿いに馬車が倒れていた。
おっとコレはまさか…恐る恐る近づいてみると、商人と思われる人が頭を抱えて震えている。
「人だ!」
思わず叫んで近づくと
「金は無い!殺さないでくれ!!!」
「私は怪しいものじゃないんですが」
錯乱しておりこっちの声に聴く耳を持たないような状況ではあったが、まず言葉が理解できるといことに安堵したがこのままでは埒があかない、そうだ!
「カンペ!」
スケッチブックを召喚して『大丈夫です安心してください』と書いて少しだけ離れて商人にカンペを出した、頼む!正直この世界で文字が使えるかわからないけど伝わってくれ!
そう思っていると商人が怯えながらこっちをチラっとみると、噓のように落ち着き立ち上がった。
「あれ?どうしたんだ」
よし!今なら
「あの、大丈夫ですか?あ!私怪しいモノじゃなくてですね、目が覚めたらたまたまこの辺り居合わせたものでして」
自分で言っててよくわからないがとりあえずなんとか会話を
「とりあえず、お前は山賊じゃないんだな?」
「山賊?滅相もないしがないプロデューサーでして」
「プロデューサー?なんだそれ?それにしてもその紙は魔法道具か鎮静作用があるのかわからんが」
「魔法?この世界は魔法があるんですか?」
やっぱりコレ異世界的なアレだ……しかし、このカンペに鎮静作用?
そんな風に考えていると、
「?」
商人さんが怪しいような目でこちらを睨む、まずい!これは良くない
「あ!違うんです、あれですちょっと私頭を打ちまして記憶が曖昧で、それより何があったんですか?」
「! そうだった!早く逃げないと山賊に襲われて逃げてたんだ、お前も手伝ってくれ」
そういうと商人が慌てて倒れた馬車を一緒に直して、幸い逃げていなかった馬を落ち着かせて走り出す準備をしていると、
バッサ!バッサツ
少し離れたところの茂みが鋭利な刃物のようなもので切られてそこから一人の男が出て来る、背はそこまで高くなく中肉中背の昼間パチンコに行ってそうな面構えのおじさんだが服装がイノシシだかなんだかわからないが毛皮で出来ているのだがどこか小汚い、
う~ん、総じてやられキャラっぽい人だな~と思いながらまさかあれが山賊じゃないよね?と心で祈っていると、
「うわあああ!来ちまった」
再び怯えだす商人!
当たりかよ!?
「やっと見つけた、手間取らせやがって」
「ひーーー」
「なんだ、仲間もいたのか?まあ関係ねえ」
おじさんの割に筋肉がある腕でブンブン剣を振りながらこちらに迫ってくる、
「あんた!さっきの魔法道具でなんとかしてくれよ」
商人がこちらにすがる目で言ってくる
「え?魔法道具、このカンペのこと?ええっと」
正直効くかもわからないが一か八か
『その場でストップです』
すると……
「なんだ!?体が動かねえ」
「マジか!?」
しかし、その効果はすぐに解けたようで
「なんなんだ一体」
再びこちらに歩いてきたので、もう一回見せようとするが書いてカンペが消えてしまっているので慌てて再び
『その場でストップです』
と書くと、止まりそれを何度か繰り返していると
「一体何なんだ!」
男が混乱しだした、しかしここである問題に気づいたカンペが残り少ない……
まずいな……よく考えろこの状況を打開するには、
そこで俺は二枚のカンペを用意するそして1つ目を山賊に見せる
『大袈裟にコケて下さい』
そしてすかさず商人に向けて
『巻きで出発準備をして俺を乗せて出発してください』
すると山賊が突然なにもないところでドスンと転び、
商人さんは急にテキパキと準備をし始めた、
「あああ!何なんだよ一体!」
山賊が地面をぶったたき怒り打ちひしがれていると
「準備が出来た!乗ってくれ」
商人さんが叫んだ
「にゃろ!逃がさねえぞ!」
男が慌ててこちらに襲い掛かろうとした瞬間
『再び転ぶ』
ズドン!
襲い掛かろうした勢いも相まってすごい転び方をした!
今だ!馬車に飛び乗り山賊を置いて走っていく
遠くの方で男の叫び声が聞こえたがそんなことは知ったこっちゃない、
「よっしゃ!」
シナリオ完パケによりポイント付与
現実予想放送 視聴率、コアなどを換算……
数値を経験値として返還することによりランク昇格
AD(新人)→AD(駆け出し)
NAME エス=センタ
職:プロデューサー ランク1 AD(新人)
職スキル:セルフプロデュース《リキャストタイム》
スキル:カンペ《リキャストタイム》 不眠不休(ADスキル) どこでも寝れる(ADスキル)交渉初級 NEW買い出し
また、セルフプロデュースはリキャストタイムに入ります
「おっと、ランクアップって」
思わずつぶやくと
「ん?どうしたんだ」
「いえ、なんでもないんです」
「そか?とりあえず助かったよ、君は命の恩人だ」
「いえいえ、こちらも森を彷徨っていたので助かりました」
「ところであんた何やってる人なんだい?さっき魔法からすると騎士様か冒険者なのかい?」
「いえいえ、とんでもない私なんてしがないプロデューサーでして」
「ぷろでゅーさ?」
「えええと、あれですテレビじゃなかった……え~と、お芝居とかの関係の仕事でして」
「ほ~お芝居なんて大きな町や城下町位でしかやってないのになしてこんな田舎に」
「それが私にもわからなくて気がついたら森に居まして」
「ふ~ん、こういったらアレだけんど何かしらハメられたのかもしれんな、なんか恨まれることでもしたんかい」
「う~ん(しいていえばドッキリとかそういうのだけど、この世界とは関係ないし)」
「まあ、あれだな恨みっていうのは自分で気がつかないうちに買ってることが多いからわからんでもしかないかもしれんな」
そんな話をしばらくしていると……
今後練り直していきますが
できればこんな展開かなという予定
各章
・セルフプロデュース
・冒険者をプロデュース
・お店を昼の帯風プロデュース
・町を映画的プロデュース防衛戦
・国を長編映画風プロデュース
などの予定