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悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


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ネネと黒鉄鳥の連絡事項

「うん、それで」

「これと」

「そっか」

「それから」

「まだあるのね」


 しばらく使い鳥の黒鉄と連絡をサボってしまったら、いろいろ溜め込んでいたらしい。

 提出するものや連絡したほうがいいものを優先で言われてしまう。


「そういえば、アヤネのまだちゃんと読めてないわ」


 アヤネの手紙は、きたときにサッとみただけど、内容を覚えたわけではなかった。


 いまみよう。


「黒鉄少し待ってね」

「いいよ。まだあるし」

「あるのね」


 どれだけ連絡事項あるのよ。

 たしかに階級は順調だけど、こんなになるとは聴いていなかった。



(アヤネの手紙)


 "悪魔ネネ"

 連絡しましょうって言っていたのにあまりできなくて、なんだか寂しいですね。

 いま天使たちの間で、ネネとミレイが持ってきてくれたクイーンの親書について話しあわれています。

 上級天使たちは信じられないという意見や

 途中で契約は破られてしまうという意見がたくさんあります。

 秘書たちの提案した、悪魔からの補償というのもただの意見通したいだけという見方らしいです。

 わたしは、ネネやミレイたちともっと、仕事したいです。

 アマツキやヒイロは無事過ごしていますか。

 教会での預かりになっているアマツキは、もし変更したいことや必要な書類あれば、わたしに知らせてください。

 また、みんなと楽しく過ごす時間がほしいです。

 天使スキルについて、不明あれば、それもわたしにたずねてください。


 "アヤネ"



「なによ。すごいギャップあるわね。文章だと天使ギャルじゃなくて、事務職のかたみたい。いいえ、もしかしてギャル文は書けないのかしら」


 黒鉄に聴いてみるも、よく知らないといった感じだ。

 黒鉄や灰鐘たちは、情報交換しているらしいから、本当はもっと知っている気はするんだけどな。


「天使たち、悪魔とは仲良くしたくないのかな」


 ぼそっと黒鉄が言うものだから、どきっとする。


「う〜ん、アヤネのような天使もいるはずなんだけど、パワーバランスとかあるっぽいわよ」

「クイーンも前に言ってたね」


 そっかと思う。

 黒鉄は、わたしの担当ではあるけれど、同時に秘書たちの次くらいには、クイーンをみかける時間は長いかもしれない。


「わたしは悪魔だから……悪魔の見方になってしまう」


 クイーンに長期休暇を申請してから、けっこう経つ。

 仕事の異界送りを任せっきりだけど、離れてみると、気持ちの変化もある。


「黒鉄、わたしの仕事の連絡なんだけど……」


 ふっと黒鉄が余所見するため、そちらをみると、窓の外を別の黒鉄が飛んでいく。

 こちらを見ている気もする。


 でも、すぐにみえなくなる。


「……異界送りは、毎日混乱してるわ」

「そうなの!?」

「天使界の話しは落ち着いてきたけれど、ここのところヒトの事故や教会で少しトラブルがあったりとか」

「え! それ平気なの」

「連絡もっと読んでね」


 怒られてしまう。


「ごめんなさい」

「後輩たちが、上手く動いてるわ」


 そっか。

 スズネも階級が上がったらしいし、わたしたちの代よりも、悪魔数は増えてきたのかもしれない。

 けれど、そのために管理する上の階級は、まだ足りない。


「わたしたち、現場にいかなくて平気そう?」

「そりゃいたほうがいいよ。でも、クイーンの考えだもの」

「そうよね」


 メディやミレイに、直接は言っていないけれど、わたしもクイーンからの受けた仕事がある。

 おそらくメディの受けた仕事よりは、いい方なのだろうけれど、わたしのは、より明確なのかもしれない。


 黒鉄が、次つぎとだしてくる提出しなくてはいけない書類や目を通すデータ、連絡を仕方なく、チェックしていく。


 以前のメディの気持ちがよくわかってしまう。


 階級が上がったときに、メディはしょっちゅう連絡が来ていて、現場によく呼び出されていた。

 確認事項も多く、ミレイがひとつずつ小出しにメディに渡していたのは、順番でもつくらないと、頭の回転も身体もついていかないからだろう。


「まだ、ある」

「溜めてたからよ」

「わかってる」


 ちらっと黒鉄をみると、まだ足りないらしくバックを確認している。



 今度は、違う黒鉄鳥が側にきた。


 わたしの担当ではないけれど、話しあっている。

 書類に目をひからせつつ、手で宝石(まい)を触る。

 宝石は、わたしを元気にさせようとしてくれるらしく、そのたびに淡く光ったり、少し温かくなる。

 ずっと長い時間側にいる宝石は、意思疎通ができているように感じてしまう。


 わかった、と黒鉄が返事をすると、またその羽に別の書類を持っている。


「……ねぇ、あまり聴きたくないけど、それ?」

「追加分だって。渡されちゃったわ」


 わたしは、ため息しかない。

 これミレイが回復するまでに、終わるのかしら。

 ていうか、このビルの一室でずっと仕事で終わりそう。

 脱走しようかな。


「逃げようとか、無理だと思うわよ。一応してみてもいいけど」

「……やだなぁ〜そんなこと、考えないわよ」


 黒鉄は、もう少し柔らかい態度にしたほうが、いいと想う。

 外に目を移すと、黒鉄鳥たちが、行き交う。

 もしかして、またなにか遭ったのだろうか。


「そうだ。これスズネに渡されたわ」


 黒鉄に、スズネからのプレゼントをみせる。


「スズネ変わってきたよね」

「そう想うわ」


 黒鉄からみても、スズネの様子は違ってみえるようだ。


「ネネはそのまま」

「なにそれ。ほめ言葉ね」

「ネネは三百年くらい変わらなくていいわ」


 褒められてるのかな。

 なんだか、わからなくなる。


「黒鉄はもう少しやさしく……」

「手が進んでないわ」


 ずっとやさしくないらしい。

 ミレイがいてくれれば、もっといろいろしてくれるのにな。


「あれ」


 いくつか、書類で気になるところがある。

 それに教会からの依頼書なども増えている。

 この辺りは、もう一回しっかりと確認しようと、書類を確保しておく。


「あとは」

「追加分があって……」

「待ってね。休憩」


 一度部屋を見回すも、いまは誰もいない。

 ヒイロやアマツキが返ってこないのは、ミレイの部屋までいっているのかもしれない。


 立ち上がり、キッチンで飲みものを準備すると、いつもはすぐにいなくなる黒鉄は、まだいる。

 わたしの作業が、総て終わるまでいるつもりらしい。


「飲みものいる?」

「いただくわ」

「長くなりそうね」


 一度扉をみつめてみるも、誰もまだ来ない。

 来ないかしら。

 来てくれれば、少しは気晴らしの雑談でもできるのにな。


 黒鉄が、わたしの悪魔ノートをみている。

 なにか契約の関係も、あったのだろうか。


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