表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/135

魔列車内、夢現

 乗りはじめて、約三十分。


「景色いいわね」

「キレイなところ」

「まだ先あるね」


 他方

「ウェーー」

「はぁーー」

「うぅ、気持ちわるい」

「目がまわるよ」


 魔列車酔いにあっているらしいヒイロとアマツキ。


「ほら、呼吸して、外の景色みながら、少しずつ体内魔力を調整するです」

「タイナイ魔力? って、泣いていい」

「魔力って、なんで酔うの」

「魔列車に少しずつ吸収されて、体内調節がうまくいってないですよ」

「このままいくと、どうなるの」

「え、あまり知らないほうが……」

「なに、スズネこわい」

「泣きそう」

「はぁ、とにかく、お手洗いいってきたら」

「うん、いってくる」

「一応特急扱いの列車だから、簡易シャワーもあるからね」

「はぁい」


 ふらつくヒイロとアマツキは、お互いに支えながら、車内を歩く。

 スズネは、その姿をみながら心配そうだ。


「スズネもいってきたら」

「あ、うん。みてくる」


 ヒイロとアマツキのあとを追いかけていく。


「メディは平気なのね」

「魔力調整は慣れてきてるから」

「そうなのね」



 席に座りながら、端末をだしていろんな資料に目を通している姿は、

 移動しながら仕事をしている風にしか見えずに、かえって少し気分がわるいくらいのほうが、休めるのではないかな、とみていて想ってしまう。


 ミレイは、しっかりくつろいでいて、景色をみながら、バックから快適アイテムをだしては、試している。

 ミレイは、なんていうかどこにいっても、なんにでも適応できそうよね。


「ミレイは、みていてホッとするわね」

「ネネは、気持ちわるくない? 気持ち悪くなってきたら、遠慮なくわたしの上にきてね」

「いや、いいや」

「なんでよ」


 若干マイペースすぎるわ。


「ミレイにあまり甘えるの、よくないと想うな」

「ネネが甘えてくれるなら、世界滅びても構わないから」

「ねぇミレイ、前からのことなんだけど、未来悪魔がいうと、けっこう洒落にならないんだけど、わかってる?」

「ふふっ、ネネとこの世界の最期の瞬間を一緒に観られたら、なにも後悔ないとおもうわ」

「後悔はしてほしいわ。未来がわかってるなら、巻き込むのはよしてよ」

「いい? ネネ。ネネと一緒にいることと、世界の滅びを(はかり)にかけたら、ネネと一緒のほうが重いのよ」


 はぁ。

 ちょっと、ミレイとの子どものころのこと想い出そうかしら。


 もう少し、子どものころミレイとばかりいないで、ここまでなレベルの愛情になる前に、留めておくべきだったんじゃないかな。


「とにかく、ミレイ。世界の最期の瞬間になる前には、しっかりわたしとメディには伝えてよね」

「そう? 知りたくなったら聴いてくれれば、一応未来にいってみるわ」

「なんだか、ミレイの禁書レベルなら、ホントにそこまで視られそうで、怖くなるわね。距離置こうかしら」

「ネネに距離を置かれようと、わたしは距離は詰めるから、安心してね」

「余計に、不安があるわね」


 冷静に考えたくなって、席にすわりなおして、少し落ち着いて景色を眺める。


 スズネたちが戻らないな、とぼんやり考えごとをしていたら、いつの間にか記憶が薄れてきていた。




 買いものをしていた。

 キレイなショーウインドウのなかを歩きまわり、キラキラひかるアクセサリーを眺めている。

 途中までは一緒にいたはずのミレイが、なかなかみつけられない。

 メディもくるから、と言ったきりどこかにいってしまった。

 しばらくは、楽しい気分だったはずなのに、窓の外をみると曇りからだんだんと空が暗くなってきていた。

 たしかこのあとは、少しオシャレな食事スペースに移動するはず。

 外が気になりでてみると、もう雨が降ってきていて、遠くで雷がひかった。


「ねぇ、ミレイ」


 なぜだか、ミレイはいなかった。


「メディ? どこ」


 メディも戻ってこなく、少し待っている間に、雨が強くなってきた。


「どうしよう」


 だんだんと寂しい気持ちになり、

 置いていかれたのかもと焦りがきて、

 飛んで待ち合わせとなっている公園まで急ぐ。

 羽も髪もびしょ濡れだ。

 薄桃バラ園に降り立つと、どしゃ降りの雨と雷のなか、

 公園のなかにある屋根つきの小さいたてもののところで、だれか避難している。

 わたしも仕方なくそこに入ると、

 なかに、スズネが丸くなってすわっていた。


「スズネ、こんなところにいたの」


 濡れた髪をあげながら、

 バックからタオルを取り出し、髪や顔をふこうとしたら、

 スズネのほうがより雨にうたれたようだった。


「スズネそんなじゃ、ぐあいわるくなっちゃうわ」


 タオルを当てて身体に触ると、とても熱い。


「スズネ熱あるわ、はやくここから離れないと」


 スズネが顔をあげると、泣いているようだった。


「どうしたの?」

「わたしのせい」

「なにが」

「ネネにメイワクかけた。もういられない」

「スズネ、まずは身体休めなくちゃ」


 ふらつくスズネは、大雨のなか、

 そこから飛ぼうとしている。


「無理よ。ここにいて」


 ふり向いたスズネは、眼をはらしながら、

 小さくなにかを話す。

 よく聴き取れない。

 でも、なぜだかとてもいま聴かなくちゃいけない気がしている。


「スズネ? おしえて。なに」


 雷が近くで鳴った。




 気づくと、スズネがなにか呼んでいた。

 なんだろう。

 薄い意識のなか、スズネの顔がまだ近くにあることに、不安と安心が混ざりあい、なにかを聴かないといけない。

 でも、なにを聴きたいのだろう。


「スズネ?」

「ネネ? まだ寝てるですか?」

「んん?」

「そのままだと、けっこう大変ですよ」

「ん?」


 まだよくわからない。

 スズネが、なにか心配してるような感じは伝わるものの、雷がなってるわけでもないため、ようやくなにか夢をみていたのだろうと、そこで気づく。

 手元に、なにか冷たい感触があるため、薄くみると、なにか飲みものを持っている。

 いつ渡されたのだろう。


「それにしても熱い」

「それは、そうかと」


 目がはっきりしてくると、

 なぜか左のすぐ近く、というかわたしの胸近くにメディの頭があって、右すぐにはミレイの肩が乗っかっている。

「はわ、い、ゆえ、んん? えあわ」


 変な声がでる。


「あ、気づきました?」


 でも、すぐに動くわけにもいかないため、変に汗をかきながら、動きをとめる。


「ゆめ」

「え」

「みてた」

「あぁ、たしかにいまの状況なら悪夢くらいみますよね」


 熱いのが、メディとミレイが乗っかっているかららしい。

 手に飲みものを持たせてくれたのは、ヒイロらしく、少し離れた席で、こちらをみている。

 アマツキは寝ているみたいだ。


 スズネになにか、聴きたいことがあるものの、変に汗はかいてるし、

 メディがもう少しでアタマが胸だし、ミレイがいて動かせないし、てか、なんでこの状態で眠れてたのかが、不思議でならない。


「ちょ、ちょっとスズネ助けて」

「……と言われましても、あ、飲みもの飲みます?」

「いいの。それより、動けない」

「う〜ん、困りましたね。あ、うなされてたけど、平気でした?」

「うん、なんかスズネ……」


 スズネのことについて、と話そうかと迷って、いまはとりあえず、この状態をどうにかしたい。


「ひとまず、ミレイせんぱいを動かしてみて、メディせんぱいは、少し待てますかね」


 嬉しいけど、嬉しくないのだけど、

 メディがくっついていて、

 嬉しいけど、と焦る。


 ヒイロとスズネが、そーっとミレイを動かして、ミレイの位置が少しずれる。

 今度は、メディの位置をずらしてくれているのだけど、寝顔が近くにあることは、嬉しかったため、離れるとそれはそれで寂しい。


「あ、ネネせんぱい、いま寝顔写真とっておけば、とか思いませんでした?」


 なぜ、わかるの。


「安心して」


 ヒイロがにこっとするため、不思議に思うと、スズネがスマホを指している。

 写真はすでに撮ってあるらしい。

 てか、寝顔○撮じゃん。


「あ、ちょ」

「しーー!」

「あ、うん」


 黙っていれば、黙っていれば、黙っていよう。

 ごめん、悪魔だもんね。

 わたし、悪魔だからね。


 ようやく席から立ちあがり、

 汗をかいているため、服をパタパタする。


「ネネせんぱい、平気でした?」

「なんとか」

「アマツキが寝ちゃってから、スズネと車内を散歩してて、黒鉄のところで見学してから、戻ってきたら、もうネネがつぶされそうになってた」

「ありがとう。まさか、挟まれて寝ちゃうとは」

「タオルで汗もふいたんですけど、なんかうなされてたし、起こしたらいいのかなって」

「そう、よかった」



 そう言いつつ、上着やスカートに風を通していたら、車内のヒンヤリした空気がきて、今度は少し肌寒い。

 持っていた飲みものを飲んでから、冷静になると、まだ目的地には着いていないらしい。


「シャワーってあったわよね」

「ええ、簡易シャワーで、狭いみたいすけど」

「ちょっといってくるわね」

「わかりました」

「一緒にいく」


 ヒイロが案内してくれるみたいだ。

 足元に置いていたバックから、寝ていてもメディに見られないように、タオルと下着をとりだすと、ササッと抱えて、別のショッピングバックに入れた。


「ねぇ、わたし、悪魔寝言いってなかった?」


 スズネが席に座りこみ、スマホをしはじめる辺り、かなり怪しいのだけど、

 とりあえず、手をふってヒイロと歩いていく。



 わたしの写真も撮られてる気がするな。

 あとで、ちょっと、なんとかしないとだわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ