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悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


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ルルファイス再会

 中央図書館前に降り立つ。

 昨日と同じように、図書館の前は、悪魔たちが行き来していて、

 まだ昨日の騒ぎの続きのような状況だ。



 スズネが、クイーンに簡易報告は、してくれただろうから、数日中には落ち着いてくるのかもしれない。

 司書のルルファイスを探して、中央図書館のなかに入っていく。



 司書のいるカウンターは、混んでいて、並んでいる。

 対応しているのが、ルルファイスかどうかわからない。

 横から声をかけるわけにはいかないため、

 列に並ぶ。


「ルルファイスかな?」

「ライリアかも」


 ヒイロとアマツキは、背が低いため、

 見えないなぁと、ぴょんぴょんしている。


「昨日はいなかったから、今日いそうだけど」

「でも、いそがしいから、全員いるんかな」


 ライリアとレミリア、それにルルファイスしか、この図書館ではみたことがないため、おそらく、この三悪魔でまわっているんだろう。


「昨日、ルルファイスいなかったのは、呼びだしだよね」

「司書に呼びだしって、ほかにもなにかあったんかな」

「どうだろ」



 少しずつ進む列のなかで、話しをする。

 いくつか、話しが聴こえてくるのは、

 天使たちの動向の話しや列が進まない文句、探している本がみつかるか、などの話しのようだ。


「ルルファイスは、司書になる前って、けっこうえらい悪魔だったらしいよね」

「そうね」

「なんで、司書になったんだろ」

「ヒイロは、聴いてないの?」

「う〜ん。少し聴いてみたけど、あんまし答えてくれないんだよね」

「言いたくないのかな」

「それか、秘密にしてるのかも」


 ルルファイスの秘密。

 転生魔法以外にもあるのだろうか。


 あとは、女の子トラブルか。


 男の子との恋愛とかは、あまり考えられない気がする。



 少しずつ進み、列の先がみえてくると、

 受付対応しているのは、ルルファイスのようだ。

 カウンターのなかをウロウロしたり、対応したり、羽をパタつかせながら、忙しそうだ。


「よかった。いるね」

「いそがしそう」

「話せるかな」


 ようやく列の最前につくと、ルルファイスは少し驚いたあと、笑顔で迎えてくれた。


「ヒイロに、ネネたち」

「ルルファイス。来たよ」

「ヒイロ。あれ。隣の天使は?」

「アマツキっていいます」

「そう」

「あいさつにきたの」

「あぁ。それは、ありがとう。その」


 周りはガヤガヤしていて、とてもゆっくりこれまでの話しをしていられるような状況ではない。


「いそがしいよね」

「あ、少し待っていてくれれば、お昼には。ええ、たぶん」

「そうね。五階の食堂で、待ってるわ」


 ネネが、残念そうに話しながら、とりあえずで、待ちあわせをする。


「わかった。ごめんなさい。そのときにゆっくりでいいかしら」

「こちらこそ」


 ルルファイスが、手をふってくれたため、列から外れると、すぐに次の悪魔の対応をしている。


「待ってるしかないわね」

「そうだね」



 どうしよっか、とメディがたずねると、アマツキは、図書館が珍しいらしく、周囲を見回している。


「案内しよっか」


 ヒイロがそう言ったことで、アマツキを案内しながら、待つことになった。



 中央図書館のなかは、あれからも変わり映えしていないだろうけど、それでも、ヒイロも図書館のなかを観ていきたいらしい。



 一階のフロアを周り、飾ってある絵をみたりしながら、二階にあがる。

 通路や階段にも悪魔がたくさんいるため、

 いつもは静かな図書館内は、ざわついている。

 アマツキもいくつか興味のあるタイトルをみつけるらしく、そのたびに立ちとまる。


「アマツキは、なに?」

「歴史と、悪魔の日常系、それに、恋愛」

「歴史は、悪魔のだよね。て、アマツキ恋愛」

「異種間の恋愛って、どうなってるん?」

「う、え。悪魔と天使だよね」

「そうだね。う〜ん」


 ヒイロは、なにか想像してしまったらしい。

 急に、顔が赤くなる。


「どうしたの」

「ううん。な、なんでも」

「ふ〜ん?」



 ネネ、ミレイ、メディもいくつかみておきたい書籍があるらしい。


「集合は、二階?」

「そうだね」

「二階の喫茶で待とうか」

「じゃ、集合したあとで、五階だね」


 それぞれ、お目当てのものを探しに、散らばる。


「ヒイロは」

「わたしは、アマツキとみるよ。ここは詳しいし」

「うん。そうね」


 ヒイロとアマツキが、二階に先にいってしまう。

 ネネは、二階、三階を通りこして、四階にある禁書フロアに向かう。


 以前に許可をとってあるから、おそらく通ることができるだろう。


「ルルファイスに、声とかかけてからのほうがよかったかな」


 そういえば、ヒイロを探してまわったときの禁書のパスカードは、まだ持ったままだった。



 四階について、悪魔がだいぶ少ないなか、

 ゲートふきんにくると、ミレイとメディがそこにいた。


「あれ。ミレイとメディ」

「そういえば、ネネがカード持ってたよな、とおもって待ってたよ」

「くると想ってたわ」



 結局は、三悪魔は揃ってしまった。

 スズネは、自身の調べものだろう。


「さ、入りましょ」


 ネネがカードをかざすと、ゲートが通れるようになる。


「ふふっ」

「どうしたの、ネネ」

「ヒイロ探してまわったとき、想い出してた」

「そうね」


 入ったあとは、また散らばる。

 禁書フロアにも、何名かの悪魔がいて、

 少し音量が小さめで、音楽もかかっている。


 ネネは、クラフトの書籍を探してみる。


「前回きたときには、妖精や転生、宝石を探していて、ルルファイスに、クラフトのをみせてもらった。でも、あのときは、まだ、ほとんど使いこなせなかったな」


 変わらずに、禁書はタイトルが、とても長く、しかも変わったのがおおくて、探しているのが、なにか、だんだんとわからなくなってくる。


「え……と」


 メディと、ミレイも同じなのかもしれない。

 入口でわかれてから、二度、三度とすれ違う。


「あ、あった」


 ようやくクラフトの関連書籍をみつけて、

 カウンターに持っていき、座る。



 禁書フロアは、下の階ほどは騒がしくないため、集中できそうだ。


 けれど、ときどき悲鳴のような声や魔法の破裂音が聴こえてくるため、そのたびにビクッとなる。


「解析、加工、分析」


「魔力付加、圧縮」



 目次をみていく。


「封印されている転生魔法を開放するには、わたしだけじゃ足りない?」


 いまもまだ、ヒイロを転生魔法使いとしてのスキルを開放することに、抵抗がある。


 それは、ヒイロが適性かどうか、ではなくて、ルルファイスが悩んでいるその重さをヒイロに、託してしまっていいのか、というところにある。


「あと、足りないのは、高負荷に耐えられる魔力結晶か。できれば、宝石(まい)くらい、強力なものじゃないと」



 鉱石や解析もいま読むべきところかもしれない。


「それに、まいを分霊できたのだって、あのときの特殊な状況があって、ではないのかしら」


 不思議と、禁書指定されているクラフトを読むことで、なぜか、思考は加速する。



 メディとミレイは、なにかヒントを探しているのだろうか。

 それとも、個別のスキル。


「ヒイロは、封印魔法も一部使えたかな」


 席をたち、一度、それに近いタイトルを探しにいく。

 封印か、それに近いもの。


 そういえば、前にファルティがなにか言ってくれたような。

 ひとつの本の側を通るときに、宝石が一瞬淡くひかったような気がする。


 少しだけ戻り、そのタイトルを手にする。



 "封印リリアの迷宮対策、恋愛編"



「恋日記?」


 思わず手にはしたけれど、恋愛編って、どんなのよ。

 でも、封印スキルに関するなにかを描いたのよね。

 もう一冊みつけたものを持って、また席に戻る。



 "転生魔法使いになろう、鍵つき"



「はぁ。前にも想ったけど、変なタイトルばかり。中央図書館にくる書籍にも流行があるのかしら。それとも、タイトルって、途中で変更されたりするの」



 あきらめて、読みはじめる。



 封印リリアのものは、リリアという魔法使いが、迷宮探索しているときに、自身のノートに描いていた、日記のようになっている。

 どうやら、迷宮でスキルアップさせないといけないらしく、第一層を攻略したあとくらいからはじめたようだ。


「恋愛編だし、関係なかったかな。まいが、読みたかっただけかしら」


 そう想うと、少し笑ってしまう。

 それでも、読み進めていくと、

 少しずつ自身のスキルの使いかたに疑問を抱くリリアと、求める先にある願いが、いまのネネと重なるものが、ありそうだ。


「まい、ありがとう」


 封印の解き方のヒントになりそうだ。


 もう一冊は、転生魔法使いの鍵ってなに。

 表紙のタイトルマークの横に、鍵マークがついているのだ。


 開かないかと、想っていたら、

 この禁書は、開くことができた。


 開いてみると、前回ヒイロがみていた、転生魔法使いの内容と重なるものが多く、

 あまり話しが進んでいない。

 なぜか、ところどころ、空白ページがある。


「もしかして、鍵マークなのは、この本にあう鍵みたいなのが、あるのかしら」


 もう一度、固有スキルのクラフトの本に戻り、しばらく読み進めてみる。


 それに気づくのがおくれたのは、それだけ集中していたのだろう。



 メディがカウンターのすぐ近くにいた。

 タイトルが、ちらりと見えると、

 閃光に関する書籍だろう。


「どう。それ」


 わたしが聴くと、タイトルをみせてくれる。

 でも、あまり思わしくはなさそうだ。


「まだ、足りないのかもしれない。読みとれる部分と、拒否されている文書がある」

「そう」

「座っていい」

「どうぞ」


 わたしは、さきほどみつけた書籍をメディに渡す。


「これ。転生なろうの続きみたい」

「続き?」

「でも、鍵マークがついてるの」


 少しメディが渡されたそれを眺めたあと、めくってみる。


「これは、開けるんだね」

「この前とは、条件が、違うのかしら」



 しばらく、わたしもメディも、本を読んでいる。

 わたしは、内容の続きを追いながらも、

 頭の隅で考える。



 こうして、メディナナタリアと、隣でずっといると、どうしても、二つの事柄を浮かべてしまう。

 ひとつは、わたしは、この悪魔とどうなりたいのだろうということだ。


 キスしたり、ハグしたりすると、すごいドキドキするし、もっと、えっちぃ想像もたくさんする。

 ミレイを叱りながらも、それよりも、メディを独占したくなる。


 もう一つは、ずっと前から、漠然と感じていることだ。


 メディは、わたしを好きなのではないかと想いつつ、いつもここからいなくなる準備をしているのではないか。

 そんなことを感じている。


 転生者として、役割を見出して、そのあと、ヒイロの成長をみて、昇進して、

 そして、メディはどうするのだろう。


 いつも聴けないままだ。


「ネネ」

「ん。なに?」

「高魔力結晶と、あとは、この鍵を探そう」

「うん。そうね」



 いつか、いなくなる

 貴方のために、いまできること。




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