天使おみやげを探そう
天使事務所の展示室で休んだアヤネは、ようやく動けるようになったようだ。
みんなに、声をかける。
「さぁ、また次の用を押し付けられる前に、ササッとここをでましょう」
「そうね。賛成」
展示室をでると、オフィスがあるけど、中には誰もいないようだ。
「階段?」
「ううん。上が屋上庭園だから、そこから降りましょう」
階段から、上の階にいくと、鍵のかかった扉がある。
アヤネが、右手を扉の鍵の部分にふれると、鍵がひらく。
「うわぁ。いいながめね!」
屋上にでると、ヒイロとアマツキが端まではしる。
メディ、ネネ、ミレイが屋上にきたところで、アヤネは扉の鍵を閉める。
「ふぅ。ここまでくれば、追ってはこないでしょ」
「アヤネ、追われる者なのね」
「アヤ、大変ね」
「アヤネ、気持ちわかるよ」
ヒイロとアマツキが、屋上庭園を探検しおえて、戻ってくる。
「ねぇ、なんか暗くない?」
「どうしたの」
「うん。なんか仕事つかれよ」
「そうなんだ」
「アマツキは、飛べそう?」
「どうかな。練習してない」
「やってみよ」
「うん」
アマツキが、天使の羽を拡げてみると、以前傷んでいた羽は、だいぶスッキリキレイになっている。
「てい」
羽をパタパタさせると、少しずつ高くなる。
「アマツキ、上手ね」
「もしかして、しばらく前は、自分で飛んでたのかも」
「そっかぁ」
屋上庭園で、一回りすると、降りてくる。
「うん。いいね」
「じゃ、いきましょ」
アヤネが先頭に、飛んでいく。
屋上から飛びたち、案内されながら、次の場所に移動する。
「上層の秘書のところにいく前に、もう一か所あるのだけど、いいかしら?」
「えぇ。いいわよ」
「アマツキ、平気?」
「なんとか、飛べてる」
「わかった」
ネネは、揃って飛ぶのは、久しぶりで気持ちいいって、想っていたら、ヒイロとアマツキがお互いにフラフラしながら、手を繋いで、高くあがる。
「メディ」
とメディを呼ぶと、いつの間にか、ミレイがすぐそばにいる。
「ミレイ、はや」
「わたしは、いつでもメディのそばよ」
「わたしもそばがいいの」
腕をとると、メディに体重がかかり、フラつく。
「ほら、ネネ。飛びづらいみたいよ」
「じゃ、ミレイが離れればいいじゃん」
「ワガママね」
そんなことをして、空中で移動すること三十分ほど。
天使繁華街の中心に降りたつ。
「ねぇ、アヤネ。お店たくさんあるけど、なにか買いものなの?」
ヒイロとアマツキもおくれて到着して、すぐそばにある建ものをみると、音楽ショップ、ライブハウスの並びに、ゲームセンターがあった。
「ここよ」
「ここか」
「ゲームセンターだね」
「なにかしら」
ヒイロとアマツキは、不思議そうだ。
「ヒイロとアマツキは、きたことあるの?」
「ないよ」
「ないね」
みんなして、ゲームセンターに入ると、
すぐにおおきめな音で、BGMが流れている。
「アヤネは、なにを探しているの」
「あ、ちょっと待ってね」
アヤネの隣を歩きながら、ミニットクロスみにっとクラブのそばを通りすぎ、ダンスステージを通り、クレーンゲームの前までくる。
おおきめなクレーンゲームの間を通ると、いくつかのミニクレーンゲームが設置されている。
右にいったり左にいったりしながら、
ある場所で、立ちとまる。
「これね」
キラキラした背景に、ポーズを決めるキャラクター絵の缶バッジだ。
せまいなかに五つ並んで置いてある。
「魔力交換で、二回」
「アヤがんば」
「てか、やるのね」
「これが、目的みたいよ」
ヒイロとアマツキは、ゲームセンターははじめてらしく、目をキラキラさせている。
あまり、ハマらないと、いいけれど。
「アヤネ。アームのおおきさと、左右から少しみてみて、距離をはかって、あと、一回はどれくらいかを試す感じでね」
「ありがとう。メディ。このバッヂははじめて」
「前は違うのだったの?」
「クイーンの秘書は、二天使なんだけど、好みが違うのよ。まずは、これをゲットしないと」
「必死だね」
「会うたびに、おみやげ持っていかないと、ガッカリさせちゃうのよね」
メンドウな天使らしい。
いや、秘書をしているのだから、天使のなかでも、有能なんだとは、思うけれども。
「もしかしてだけど、二天使いるから、もう一か所もおみやげなの?」
「そうね」
アヤネは、真剣だ。
毎回探すのだろうか。
大変だな、とメディは想っていた。
「あ、う、あーー」
「アヤ、もう一回あるよ」
「うん」
二回のアームを動かす。
「う、く、あーー」
これは、とれるまでやるんだな、とメディは確信した。
「もう一回だよ。アヤ」
「うん。がんばる」
「あ、う」
「ううん」
「う、お、あ」
「えぇぇぇぇ」
「あぁぁ」
「もう一回!」
「あ、や、う」
「うん。いけるよ」
「ほら」
「やったぁぁぁぁ」
「もう一回分まだ、ある」
「よし」
「よ、う、あ」
「やったぁぁぁぁ」
二つゲットできた。
「やったね、アヤ!」
「うん。ありがとう」
ヒイロとアマツキが、手を繋いで、やったぁと踊っている。
「あ、でも、とれたの、一つだけでいいのよね」
「そうなの?」
ひとつは、女の子がグリーンの衣装をきて、ブイサインを顔の正面で構えているやつ。
もうひとつは、男の子が、パープルの衣装をきて、指ハートをつくっている。
「こっちの男の子のは、たぶん好みじゃないから、あげるって言われちゃう。アマツキか、ヒイロいる?」
「はい!」
アマツキが、手をあげる。
「じゃ、アマツキね」
手のひらに、にこっと笑顔の男の子絵がらの缶バッジを渡すと、アマツキが、喜ぶ。
「やったね」
そう言ったあと、ぎゅっと、胸の前でだきしめる。
「どうしたの?」
「嬉しいんだ」
「そんなに、ほしかったの?」
「服は、教会でもらったけど、こういうプレゼントって、なんだか嬉しい」
「そっかぁ」
ヒイロは、アマツキの頭をそっとなでる。
「ん。ありがとう」
ミレイが、ヒイロとアマツキの背後から近づいて、ヒイロにハグをしようとするも、避けられた。
「なんで、よけるのよ!」
「なんか、予感した」
「ふふっ、ミレイの行動もだんだんわかってきたみたいね」
アヤネが、まだ缶バッヂをながめている。
「アヤネ、もしかして、次もあるのかな」
「うん。あ、そうだよね」
バックにしまう。
「ヒイロとアマツキは、なにかゲームしていく?」
「ううん。平気。またこよーよ」
「うん。わかったわ」
ネネが、ぐるっと周ってくる。
「どう?」
「なかったわ。やっぱり闇病みのは、悪魔界だけかも」
「そう」
「闇病み?」
「悪魔界のアイドルだよ」
「ネネ好きなの?」
「うん!」
「わかった! 今度探してみるわね」
ゲームセンターをでると、
またアヤネが先頭になり、全員でその場から飛ぶ。
「次は、雑貨屋さんよ」
「やっぱり目当てのがあるのね」
「とりあえず、行くだけいって、あるのか、どうかね」




