アヤネ合流
展示室に移動すると、ヒイロとアマツキが、展示品をみて回っていた。
「あ、きたね」
「そうだね」
「ここは、どういうの?」
「天使魔力資料の展示と、天使の歴史とあと街並みのパネルとか」
「あとは、これみて!」
壁にかけられている、絵がある。
けっこうおおきなものだ。
みんなで、絵に見入ってしまう。
"妖精の再会の丘"
「再会」
「うん」
「書いてあるサインが読めないわね」
「う〜ん。り? りりあ?」
「わからないね」
「どこかで、聴いたことあるような」
ヒイロは、思い出そうとするも、イマイチ浮かばないようだ。
「どこかで観たの?」
「わからないわ」
展示は、魔力がこめられているモノがおおく、部屋の壁隅には、セキュリティ魔力装置もつけられているため、あまり触らないほうがいいみたいだ。
真ん中に、机があるため、端によせてあるベンチに、ネネとミレイが座り、メディとヒイロ、アマツキが、展示を二周するころになって、部屋の扉に影がみえた。
「だれ?」
「うう、う……しぬかとおもった。てか、もういちど、しんだわ」
ヘロヘロになったアヤネが、天使の羽もしょぼんとして、部屋に倒れてくる。
「「アヤネ」」
ヒイロとアマツキが、メディの手を放してかけよる。
「アヤネしっかり!」
「お水もってくる?」
「まって、ベンチ」
「あぁ、やつれてる」
「しなないで!」
ミレイが、すばやく言いはなつ。
「いや、仕事つかれだから、しなないから」
「かろうしーー!!」
「だから、しなないとおもうわよ」
ミレイ以外は、アヤネを介抱して、ベンチに座らせ、慌てて、エンジェル自販機に、飲みものを買いに走ったりしている。
「もはや、ここまでのようね」
「わたしの天使の時間も、そんなに長くなかったわ」
「でも、いいの」
「みんなに、出逢えたから」
「みんなのこと、わすれないから」
「だから、あなたまだしなないわよ」
「アヤネしっかりして!」
「メディ言ってあげてよ」
「気持ちは、わかるよ。仕事しすぎると、頭パンクするよね」
「悪魔、みんなやさしい。わたし、転生したら悪魔になるかも」
「まずは、体力回復ね」
ヒイロが慌てて買ってきたミックスダークグレープフルーツジュースを一口飲み。
「ふぅ。生き返るわ」
ベンチの上で、横になりながら、アヤネは、すっかり介抱されている。
ネネは、そんなアヤネの隣にたって、頭をなでている。
ミレイが、すっかりあきれている。
けれど、すぐにネネの笑顔をみて、想っていることをいう。
「ネネ、悪くないわ」
「ミレイって、ネネのこと全肯定よね」
「全肯定じゃないわ。エ○肯定よ」
「そんなのあるの?」
「ヒイロ、あるわけない」
「ネネは、悪魔界のロリエ○の先駆者よ」
「だれ、そんなこと言ってるの。ミレイだけでしょ!」
「スズネも賛成してくれてるわ」
「スズネめ! 覚えておくわよ」
「あ、アヤネ」
「ありがとう。みんな。わたし、ふっかーつ!」
「まだ寝てなさい」
なんだろう、ミレイがマトモなようなそうじゃないようなのが、メディはみていて可笑しくなる。
「ミレイって、けっこうお世話係になるよね」
「メディの秘書やってるからだわ」
「そんなに迷惑かけてる、かけてるな」
「やだぁ、迷惑じゃなくて、お世話よ」
「お世話と迷惑って違いあるの?」
「とうぜん、あるわね」
「ネネは、どう?」
「メディなら、ありっちゃあり」
「ネネのは、メディ限定ね」
ヒイロとアマツキが、アヤネの両手をとっている。
「どう、アヤネ、少しは気分落ち着いた?」
「アヤネ、回復する?」
「したした。ありがとう」
よかったぁ、よかったぁとヒイロとアマツキが交互に言い合う。
「アヤネ、すっかりなついたね」
「てか、天使のハハと、悪魔の子どもと天使の子どもって、チチはどうなるのかしら」
「そこは、言わないほうが」
「ミレイ、わたし子ども産んでないわ」
「知ってる」
メディが笑っているけど、ネネとしては、最近ヒイロとアマツキがベタベタなため、メディのそばにあんまり、いられないのは、悩みだ。
「少しアヤネが回復してきたら、話しきかせてよ」
「あ、うん。そうだよね。てか、びっくりしたでしょ。いつもあぁなのよ」
「いつも?」
「今回のが、いつもなの!?」
ミレイが信じられない、という顔だ。
「そうなの。事務所にいくたびに、アヤって、何度も呼ばれるの」
「それで」
「教会の手続きしたいだけなのに、ほかの用事や書類作成や、エンジェルスマホの使いかたとか、なんかみんなわたしに聴いてくるんですけどぉ!?」
「アヤネ姉さん頼り」
「アヤ姉だね」
「それで、アヤって呼ばれてるのかしら」
「やめて。もう。ミレイのほうがよほど、姉さまって感じじゃんね」
ネネがさっそく否定する。
「ミレイは、ただの甘えガールよ」
「それは、ネネにだけよ」
「ネネってモテモテなのね」
「ミレイが、もうずっとなの」
「わたしも、ネネがいいなぁ」
ヒイロが、ネネをみつめている。
「ヒイロ、ネネは渡さないわよ」
「わ、わたしだって」
「じゃ、一緒にネネを堕としましょ」
「そうね」
「そうね、じゃないわ」
アマツキが、メディと顔をあわせる。
「メディ、前からなの、これ?」
「もうずっとだよね」
「ぼくは、恋愛とかまるでわからないけど、でもヒイロといると、少し嬉しい」
「それは、よかった」
「あとアヤネもそばにいると、少しほっとする」
「アヤネよかったね」
「わたし、子どもウケはいいのよね」
「教会の子どもたちも、みんなよってきていたね」
「アヤネ、もうハハみたい」
「ハハやめて。子どもい過ぎでしょ」
「教会の子どもたちは、みんなアヤネのことハハよ」
「それは、シスターに任せるわ」
それで、とメディが改めて聴く。
「アヤネの準備はできたの?」
「そう! もう囲まれすぎてて、後まわしにされそうになった。ひどい」
「あ、わたしもある」
「それでね、教会の運営状況と、それに関係した書類と、あと仮のアマツキ手続きと、あとクイーン秘書たちへの手続き書類かな」
「アマツキのは?」
「教会預かりにしようとおもって、手続きだけしたの」
アマツキが不思議そうな顔をしている。
「アマツキのこれから先のに、必要かもとおもって。イヤかな?」
「ううん」
「そう、よかった」
アヤネが、アマツキに笑顔を向けると、反対にアマツキは、うつむいてしまう。
「いいのかな」
「どうして?」
「教会は、たしかに居心地よかったよ。天使子どもたちも、にぎやか。シスターも、そばにいてくれる」
「うん」
「でも、なぜだろう。ぼくの居る場所ではない気がしたんだ」
ヒイロが、アマツキのそばにより、眼をみつめる。
「アマツキは、もうどこでもいけるよ。教会に、手続きをしただけ」
「そうだね」
「うん」
アヤネが起きあがると、しっかりした様子だ。
「もう平気。みんな、心配ありがとう」
「アヤ、さっきの手続きは」
「あ、これね」
手に抱えていたバックから端末をとりだすと、画面を操作する。
表示されたのは、天使アマツキの名前と、預かり場所だけだ。
「なによ。なにも書いてないわ」
「当然よ。アマツキは、これからなのよ」
力強くアヤネが言うと、
アマツキは、照れていたようだ。




