表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/122

悪魔な女王の悩みなレンアイ

 わたしたちは、この悪魔な女王の前に、

 いま正座をしている。


 こんなことになったのは、(さかのぼ)って三時間前のこと。



「ネネは、今日は仕事終わりどこかよるの?」


 ミレイがきいてきた。


 ミレイとは、担当エリアが似ているため、よくこうして話しができる。


「えー、メディに聴いてみてからかな」

「ネネは、メディにべったりね」

「そ、そんなことないよ」


 メディが悪魔になってきてから、百日が過ぎていた。

 すっかり、仕事に慣れてきて、通常の担当から、オフィサーになっていた。


 オフィサーは、十名くらいのチームをまとめる。


 仕事終わりにメディのところにいくのが、すっかりネネの行動となっている。


「図書館によりたいんだよ」

「ほうほう」

「転生や召喚について調べておきたい」

「そっかぁ。メディもいつ喚ばれるかわからないよね」


 悪魔召喚は突然やってくる。

 召喚をした者の、その条件により喚ばれる悪魔が違う。

 メディは、まだ新しい悪魔だが、召喚で喚ばれれば、血の契約か、主従関係を契約しなくてはいけなくなる。



 街にある図書館では、足りないため、少し街のようをすませてから、悪魔教会都市までいくことにする。

 悪魔教会都市は、女王 管轄(かんかつ)の都市で、ネネの実家のある場所だ。


 というか、女王の住む城と塔が、ネネの実家だ。

 街の中央通りにある、占いの館による。


「はーい」

「このメディの能力と召喚について、教えてほしいんですけど」

「占いと、魔力鑑定とあるけど」

「魔力鑑定で」

「それじゃ、座って」


 メディが椅子にすわる。


「悪魔なあなた珍しい。光属性だよ。」

「え、光」

「そう。それに、加速進化もあるね」

「えーと、それは?」

「修行してレベルを上げるときに、魔力が倍で進化できるのさ」


 そのあと、三十分ほど、魔力鑑定をしてもらった。


「街のショップで、魔改につかえそうなアイテムが、入っていないか、確認してからいこうかな」


 魔力交換でネネは、買いものをした。

 ネネとミレイ、メディはそのあとすぐに、教会都市に向かう。



 始めは、魔列車もいいかも、と話していたが、魔力を吸い取られる魔列車は好きじゃない、とミレイがいい、普通に翼で飛んでいくことにして。


 このごろは、メディも飛ぶのに、不安はない。


 ネネの買いものを終えて


「いつもパーツみてるの?」

「そうだよ」

「じゃ、いくよ」

「ゴー!」


 翼を拡げて、飛びたつ。

 教会都市までは、二時間くらいだ。



 途中、雨も降られずに、教会都市の玄関口になる、門の前の通りで降りる。


「ふう、けっこう一気(いっき)にきたけど、大丈夫?」

「少し疲れた」

「ミレイは」

「わたしは、余裕」

「そっか」

「図書館による前に、実家の塔よるね。預けてる、子どもたちもみていきたいし」

「子ども?」

「そう。わたし放置されてた子どもたちを、保護して、施設が決まるまでの悪魔保護と一時預かりも、女王のところでやってるの」

「そうなんだ」

「悪魔の子どもたちは、十年を数えると仕事にでるから、それまでだけどね」

「そっかぁ」

「じゃ、いこ」


 こうして、教会都市の中心にある塔と城に向かっていった。


「ネネでーす」


 城に入るところで、いきなり、悪魔なメイドたちに捕まった。


「え、ちょっと!」


 イエローを基本にしたメイド服をきたメイドと、パープルを基本としたメイド服を着たメイドは、無言で、ネネたちを連れていく。



 こうして、正座することになった。


「また魔改して、変なことしなかった?」


 女王がきいてくる。


「してないよ」

「また、お城とかの設備、途中で改造したりした?」

「その前に、メイドたちに捕まったよ」

「さすが、優秀ね」

「そんなことより、わたしたち」

「あら、貴男がいまの彼氏さんかな? はじめまして、悪魔の女王です」

「ちょ、ちょっと彼じゃないし、第一まだ」

「そう、それでいつ誕生かな?

 子作りはもうしたんでしょ?

 もしかして、もう見せてくれるの、早いわね。」

「は、話しをきけーー!」

「何を急に、そんな」

「だから、まだ、その、ごにょごにょで、

 ナイショで、そんなことなくて、モジモジで、だから、その」


 ミレイが、イライラしてきて、代わりに言ってしまう。


「つまり、メディとは、そんなではなくて、ただの仕事仲間っていうか、友だちくらいです、女王」

「えー! まだ、なの。悪魔十七なのに」

「う、うるさいな!」

「わたしの世代だと、もう十七のころなら

 キスをピー (放送注意)で、行為ガー (放送危険)で、ドドー (放送注意)なことくらいはしてたわよ。性に関してはまだなのねぇ」

「うるさーい! 女王のばかー!」


 そんな、危ない話しをしているところに、悪魔の子どもたちが、この謁見(えっけん)の間と呼ばれる、ただ広い空間なだけで、何もないところを走ってくる。


「兄ちゃんて彼氏?」

「ミレイ、さ、さわっていい、ちょ、ちょっとだけだから」

「ネネみない間に、女になったーなんていうか、えろー、あ、でも胸ない」

「ねえ。ネネ、この子どもたち、殺していいかな、殺すわよ」

「いや、気持ちわかるけど、ダメ」


 散々走りまわって、怒られるーていいながら、去っていく。


「な、なんで子どもたちって、あんなに走るの!? デリカシーは? わたしたちって?」


 メディが言う。


「深く考えすぎないほうが、いいよ。子どもたちって、みんな元気」


 メディは、少しヒトの世界を思い出せたようだ。


「さ、帰ろう」

「え、もう帰るの?」

「いいの!」

「じゃね。女王」

「あ、待って」

「なに?」

「悪魔な娘ですが、メディ、今後とも見捨てないでね」

「ちょっとー、変なこと言わないの」

「はいはい」



 城の外にでてみると、わたしはため息をつく。


「もう。女王のところには、あまりよりたくなかったのよね」

「でも、一年くらいで、帰ってるんでしょ」

「保護悪魔子ども、連れてくるだけよ」

「えらいなぁ」


 ふいに、そう言われると、照れる。


「でも、召喚について、聴きそびれたわ」

「うん、自分たちで調べよう」

「なんか疲れた」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ