ヒイロと異界ファルティ
隠れ部屋から、ヒイロを連れだして、ネネとミレイ、メディはルルファイスのいる司書カウンターいく。
ルルファイスは、忙しそうだが、ヒイロをみると、カウンターからでてきた。
「ヒイロ。久しぶりね」
「ルルファイス、その」
「いいよ。ネネ、ミレイ、メディありがとう」
ヒイロは、うつむいていて、少し泣きそうだ。
「ヒイロを適性者として、異界ドラゴンに会いにいってきます」
「わかった。あの部屋、封印はそのままでいいから、わたしが出入りしてもいい?」
「うん。わかった」
ルルファイスは、ヒイロを抱きしめる。
額にキスしたあと、羽をさわりだし、
ひとみを見つめて
「はい。やめてください! ヒイロ誘惑しないで」
ネネが間に入ってとめる。
「ネネでもいいのよ。一緒にイチャイチャしましょう」
「それより、カウンターいいんですか?」
「あ、忘れてた。いっけなーい!」
慌てて、カウンターに戻っていく。
「さぁ、いきますか」
図書館のカウンターに、閲覧制限のパスを返却すると
"ありがとうございます"
自動音声で、お礼をいわれる。
夕方、図書館の玄関で、ヒイロをみると、メディの後ろにいて、服をつかんでいる。
こうしてみると、ヒイロは、小さな悪魔子どもだ。
ヒイロも一度、異界にいっているため、転移はできるはず。
ネネが、ヒイロの横に立ち、手をつなぐ。
ネネ、ヒイロ、メディが横に並ぶと、
「あんまり甘やかしてはダメよ」
ミレイがあきれて言う。
転移の魔法をつかい、異界にいく。
異界ドラゴンのエリアにつくと、
ドラゴンは寝ていた。
たぶん、悪魔たちの異界送りが一段落したのだろう。
とにかくあいさつをしてみる。
「ファルティ、ネネよ」
「起きて。ヒイロきたよ」
「ヒイロです。その、ドラゴン、えと」
もぞもぞと、羽を動かすと、顔を少しだけ持ちあげる。
「ヒイロ。連れてきてくれたんだな。ありがとう」
「いいえ」
「あとは、高魔力結晶と、それか、適性なら転生魔法使いのための魔力修行だな」
「あの、ファルティ」
「なんだ。ヒイロ」
「転生魔法使いになると、これからは、もう中央図書館にも、街にもいけないの?」
「それは、ヒイロ次第だ」
「えっ」
「いまの転生魔法使いが、選んだのは、悪魔たちの転生を留めないように、何百年でも、それを続けるという道だった」
「はい」
「だが」
「うん」
「妖精界では、それをこなしながら、旅を続けたり、師匠とさまざなことにチャレンジした妖精もいるそうだ」
「それって」
「しばらく訊ねてみるといい。もう少し、時間はある」
「わかった」
「ネネとミレイ」
「はい!」
「メディと、それからヒイロの力になるんだ。」
「はい」
すると、ファルティは、メディをみつめたあと、尻尾をふりつつ、ノートをだしてくる。
息をふきかけると、ノートがパラパラと、めくれる。
そして、ひとつの魔法を示す。
「閃光よ。はるか上空より、お前の未来を解き放つ。メディナナタリアの名は、異界に留まろう」
「わかった」
ネネとミレイは、よくわからなかったが、メディには、なにか理解したようだった。
そのあとファルティは、自分のノートをとじる。
「じゃ、いこう」
「うん」
「これから、どうするの?」
「ネネの持っているような、魔力結晶を探して、あと転生魔法を封印から、とりだそう」
「うん」
異界から、降りるときに、
ヒイロは振り返ると、
そこには、あくびをしながらも、
優しい笑顔のような異界ドラゴンがいた。
再び、中央図書館の玄関をくぐる。
「ルルファイスは、どこかな?」
カウンターには、いないようだ。
二階の閲覧制限のフロアにいくと、
「あ、戻ってきたのね!」
と笑顔で迎えてくれる。
「ルルファイス、ただいま!」
「どうだった?」
「うん。旅にでるよ」
「そう」
「これからも、この図書館を帰る場所と、想っていい、わたし、帰る場所ないから」
「うん。いつでも」
ルルファイスが、手を広げると、
ヒイロは駆けていき、抱きとめられる。
「しっかり、覚えた魔法の使い道を覚えるのよ」
「はい」
「魅惑の果実、好き嫌いしないで」
「わかってる」
「男の子には」
「気をつける」
ちらっとメディのほうをみる。
「女の子には」
「甘える」
「天使とは」
「ケンカしない」
聴いていた、ネネとミレイが、ふふっと笑う。
「よし。閲覧制限のパスと、あと禁書エリアで、少し集まらない?」
「はい」
「じゃ、少し待ってて。許可もらってくるわね」
ルルファイスが、パスだけ置いて、一階に降りていく。
先に閲覧制限のフロアに入って座っていると、ルルファイスがきた。
「禁書エリア、どうするの?」
「少しみてもらいたいのがあるの」
ルルファイスにしては、珍しいことだ。
禁書エリアで、いくつかの新魔導書をもって、戻ってくる。
「これと、これ、それに」
テーブルに置いていく。
「炎」
「転生」
「召喚と血の契約」
「未来視」
「クラフト」
「魅了」
それに
「閃光」
「ねぇ、ルルファイスこれって」
「悪魔なスキルのなかでも、禁書指定のものは、危険か、不明瞭か、一度使われて、もう二度と使われてはいけないもの」
「うん」
「ここに並べたのは、みんなの固有スキルのなかで、いまの最大値になるものよ」
「みていいの?」
「危険だけどね。でも、もしもがあったときに、この魔法を使えるように、いまみせておきたくて」
「うん。ありがとう」
メディ、ネネ、ミレイ、そしてヒイロのそれぞれにあった禁書指定のスキルをどうにか、覚えていく間に、時間は過ぎていた。
何度か、ルルファイスが聴きにくる。
「旅は、いつから」
「四日後には」
「わかった」




