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悪魔な小悪魔ネネの転生者にアレコレしてもう恋しちゃったじゃん  作者: 十矢


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悪魔ヒイロ

「あなたは」

「ネネだ。それにミレイも。やっぱりここまで来たんだね」


 その悪魔は、赤の長い髪に、赤いひとみ。

 少し背は小さめで、子どもよりは少し大きいかもしれない。

 少し破れのはいったシャツに、黒い長袖上着、

 ブーツに、少し短いスカートをはいている。


 メディのことは、わざと話しにしないようだ。


「うん。いつも図書館内で、わたしたちのこと観てたのは、あなたなのね」

「ヒイロって呼んでね」

「わかった。ヒイロ」


 ネネが近づくと、している腕輪の色が変化している。


「やっぱり。あなたが転生適性者なのね」

「転生魔法のこと?」

「うん」

「異界のドラゴンのところに、一度いったきりだし、よくわからないわ」

「そうだよね」

「でも、ここの閲覧制限のかかった図書は、ほとんど読んで、一部禁書もいまみてるわ」

「そう! ルルファイスが困ってたわ。」

「ルルファイスが」

「そうよ。話しかけるにしても、扉は封印されているし、禁書は、許可してるひとしか、扱えないって」

「うん。たしかに、そうみたい。いつも本としゃべってるけど、なにしても、わたしの固有スキル以外のものは、すぐに弾かれてしまうの」

「だから、扱いたいなら、司書のルルファイスに、しっかりと話さないと」

「うん。はじめに、ここを紹介してくれたのは、ルルファイスだし、すっかり許可とか忘れてたわ」


 ミレイが話しかける。


「あなたが、転生適性者なのよね。でも、封印魔法使いでもある。スキルは」


 すると、ヒイロは、机に置いてある悪魔ノートをひろげる。


「うん。固有スキルは、スウィート (テン)

「え、どういうの?」

「こう使うの」


 ヒイロが、赤の長めの髪を払って、眼の部分に手をやると、片方の眼のなかにハートが浮かんでいる。

 そのまま、まばたきして、メディに向かってにこりと笑って、それを使う。


 メディは、はじめなにもなかった。


「う、なにこれ。え、えーー!」


 十秒ほど数えると、顔が真っ赤になっている。


「うそ。メディ顔赤くなってる」

「これ魅了だよ」

「うわぁ、なんかヒイロみると、恥ずかしい。なんだろ」

「ふふっ。これで、メディはわたしのものよ」


 ネネが、(なか)ば泣きそうな顔をする。


「メディ、しっかりして! もう、魅了がなによ。ちゃんとこっち、向いて」


 "ヒイロ、かわいくみえる。ヤバいな"


 瞬間シンパシーで、ミレイとネネは、メディの考えを受けとる。


「う、このぉ」

「ま、まって。ネネ。スキルだから」

「どう、解除するの?」

「ふふっ。実は前からメディ、色っぽくて、好きだったのよね。でも恥ずかしくて」

「ヒイロ、はやく解除しなさい!」

「え、もうちょっとぉ」


 すると、ネネの持っているネックレスの宝石から、解除魔法が発動する。

 一瞬のうちに、空間に閃光がはしり


「あ、戻った!」


 メディの魅了は解除されていた。


「え、ネネ、いまなに使ったの!?」

「わたしは、なにも」

「ネネの宝石だよ。すごい。わたしの魔法打ち消した」

「まいが」

「その宝石、まいって言うの?」

「そう」

「わたし、宝石解析と加工もできるの」

「そうなんだ」

「触ってもいい?」

「ううん。これはダメ」

「そっかぁ。残念」


 メディが、気持ちをもちなおして、話す。


「魅了、初めてかかったかも。ヒイロ、魅了つかわなくても、一緒に話しできるんだから、これからは、すぐに使わないようにね」

「えー、だって。その。メディと、なに話したら、いいのか、わかんなくて」


 モジモジしている。


「それで、ヒイロ。転生適性者なら、異界にいるドラゴンに、会いにいかなくちゃ」


 すると、一冊の禁書をだしてくる。


「これは」

「タイトル、転生魔法使いになろう」

「うん。そうだね」

「でも、そんなにたいしたこと書いて、ないんだぁ」

「みせてもらってもいい?」

「うん」


 メディが、それを手にとり、読んでみる。


「転生魔法の適性者は、三つの条件をクリアし、その上で経験を積み、高魔力結晶から、転生魔法をつくりだす」


 メディがそのあとを読もうとすると、文字が歪んでいき、本も歪んだようにみえる。


「えっ」


 閉じて、机におくと


「どうしたの、メディ?」

「本、歪んでない?」

「ううん。ちっとも」

「えーー!」


 メディは、もう一度本を手にとると、本は歪んでもいないし、なにも起こってはいない。


「そっか。適性がないと、禁書読めないのか」


 となりのネネが、今度は手にとる。


「みせて」


 メディの続きを読もうとするも


「きゃっ」


 本を机の上に、置いてしまう。


「なにこれ! 本が歪んでいく」

幻視(げんし)ね。魔力で判定して、読めないように制限されているのよ」

「じゃ、ヒイロは読めるんだ」

「うん。でも、条件や状況、魔力のつかいかたとか、なぜか、簡単な要件しかでてこない。なんか特別なんだね」

「そっかぁ」


 ミレイが、なにか考えているようだ。


「わたしがみつけた本は、歪んでたけど、それはあなたが、制限したのよね」

「そう」

「封印魔法の全部ではないけど、つかえるから」


 ヒイロが答える。

 ミレイが、話す。


「きっと、転生魔法を取得するのに、足りないものがあるのよ」

「ネネはなにか知ってる?」

「ううん。なにも」

「そっか」

「ねえ、ヒイロ、ここにはいつもどうやってくるの。あの手順をずっとやるわけないよね?」

「うん。わたし専用のカードを登録してあって、自販機の場所に差してある。あとは、いま持っているカードで、いくつか壁にあるセンサーの近くで、かざすと自動で通れるよ」

「そんな、簡単な」

「禁書エリアは」

「あぁ。禁書エリアは、魔力センサーの部分に、一部探知妨害をかけると、映らなくなるよ」

「はぁ。ルルファイスが苦労するわけね」

「とりあえず、ルルファイスに報告!」

「わ、わたしは」

「あなたもくるの、ヒイロ」

「ええぇ、やだな」

「ダメ」

「うん。メディが言うなら」

「メディの言うことなら、きくのね」

「うん」


 ネネは、内心複雑だが、とにかくルルファイスに、説明して、異界ドラゴンにも(しら)せてみなくては。


「ねぇ、メディは名前って」

「メディナナタリアだよ」

「そっかぁ」


 ネネは、なんだか宿敵(ライバル)が、増えただけな気がしてきた。


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