悪魔なみらいし未来なミレイ
「それで、結局、その転生悪魔はなにものなの?」
となりの悪魔なミレイが聴いてくる。
「ほら、あそこのブルーの髪した、男の子だよ」
懸命に、慣れない翼で飛びながら、仕事をこなしている。
「いや、姿じゃなくてさ、悪魔になるんなら、なにか理由でもありそうなんじゃ」
「キャー、途中でコケってなった、、可愛いー!」
「ちょっと話しきいてる?」
「わかってるわよ。それで、仕事紹介所に連れていって、悪魔仕事商会に登録して、いま仕事覚えてるところ」
「そこ、じゃない!」
「いいじゃん、とりあえず、まじめそうだよ」
「悪魔がまじめでもね。まぁ、たしかに働きそうだけど」
となりのミレイは、パンツスタイルで、緑のジャンパーを着ている。
長い髪でめがねで、地味めにみえるが、じつは、休日になると派手はでメイクで、踊りまくっている。
なかに着ているのは、ライブTシャツだ。
MAJO、なんとかとかいてある。
仕事するときだけ、モテすぎないように、地味めにしている、超美悪魔だ。
わたしたち、悪魔や天使界に住む天使の主な役割は、異界送りだ。
正確には、異界の扉をまもる竜の場所まで、ヒトの世界でいう幽霊のようになった、エネルギー体になった者たちを回収して、そこに渡す。
そうすると、エネルギー体の魔力の一部と交換して、わたしたち悪魔は、魔力を得たり、進化したり、する。
しかし、悪魔は、未老が過ぎて不老となるため、成長はしない。
あとは、悪魔召喚の契約をした者に仕えることや、悪魔界で育つ、魅力な果実と怠惰な実を育てて、管理することだ。
今回の回収担当は、場所が離れていたため、夕方、仕事終わりに、話しかける。
「どうだった?」
「うん。ネネ、そんなに、まだ覚えられないよ。すぐ道わからなくなるし、何より回収がこんなに大変とはね」
「そうだね」
「天使や悪魔は、毎回このエネルギー体のヒトや妖精や、植物などを観ているんだね」
「それが仕事だからね」
「知らなかったよ。こういう世界があったなんて」
「ふふ。少しずつ慣れていってね」
そういう風にいいながら、メディは、ときどき遠くをみる眼をしている。
「このあと予定ある? ないなら、一緒に遊びいこ。遊ぶ場所教えるね」
「となりの悪魔は?」
「あぁ、未来系悪魔のミレイだよ。そうだ、ミレイに、未来観てもらおうよ」
「はじめまして、メディナナタリアです」
「わかったわ。ミレイよ」
「キレイなスタイルですね」
「ふふん、ありがとう。でも、わたしはまだ認めてないんだからね」
するとネネがいう。
「百日前後で、占ってあげてー」
「だから、わたしのは占いじゃない! しっかり未来だからね。もう、百日前後でね。そんなに正確な日付ではないよ。
時間計算するのメンドウなんだから」
「ありがとうございます」
「ミレイは、面倒見いいの。そこが素敵」
「妖精には、預言者レポートっていって、預言者による未来を視られる妖精もいるみたいだけど、わたしの未来視のほうが、はっきりだわ。MSPの消費もけっこうするけどね」
「そうなんだ」
「あ! 貴方すごい。もうオフィサーから、エリアマネージャーになるみたい」
「えー」
「あ、三年後。ヤバ。統括エリアマネージャーになってるよ」
「あ、それ、緑のヤバジャンパーですよね。たぶん、バンド活動してる」
「えー! あなた、知ってるの? やだ、もう。悪魔で知ってるやつ初めて!」
「ええ、詳しくないけど、観たことある。」
「ごめん。ネネ。この悪魔、わたしもらうわ」
「え、マジ!!
「ええ、一緒にライブいったり、仕事で活躍してるとこみたいの」
「そう。わかった。トロピカルガン電気ショックレベル百で、打ち殺してあげるわ」
「ネネそれなら、未来改変で、未来メチャクチャな道にしてやるわ」
「やんのかぁ!」
メディが話しかける。
「あ、あの、少し待っててもらっても」
「あなたは、だまって」
「あ、その、ごめん」
はっと、気づくネネ。
「や、やだなぁ。もう。そんな、ケンカなんてぇ。ね、ミレイ、わたしたち仲いいしぃ」
「なによ、ネネ。メディの前だと、素直な可愛い悪魔になるのね」
「ええー、そんなぁ、いつも通りだよ」
すると、突然ネネの頬にキスをするミレイ。
「そんな、ネネも可愛いー!」
「そうだった、ミレイ百合もあるんだった。油断ー」
「ははっ、仲いいなぁ」
メディが笑う。
「あ、ミレイのニックネーム、秘書だから、そう、呼んであげてね」
「そうなの?」
「仕事してる間のミレイは、そう、呼ばれること多いよ」
このあと、ネネの案内でギャンブル場を観て、メディは、服探しをすることになった。
「あー、ギャンブル場は、怪しいのばかりだったね」
「まぁ、ギャンブルな魔力交換で、膨大な一攫千魔力狙いだからね」
「わたしは、特に新規魔力手に入れなくても大丈夫。もう十万は越えてるから」
「そうなんだ。わたしは、七から八万魔力値くらいかな」
「メディのMSPはどれくらいなの、わからないか」
「どうやって測るの、それは?」
「そうだね、あとでそこも案内しないと」
「とりあえず、服選ぼうよ。その一着じゃ、仕事してたら、すぐ穴だらけ」
こうして、この街なかの服屋さんを周ることになった。
「とは、言っても、三軒くらいしか、お店ない。もっと、悪魔教会都市に近いところのが、いいなぁ」
「あなたなら、すぐに探せるんじゃない? 実家近いんだから」
「だめー。この街も気にいってるけど、服屋が少ないの」
「はい、まず一軒めね」
メディに似合う服を探せ、が始まった。
これは、これはどう、と、次つぎにメディに服を着せていく。
「ちょっと合うのないかな」
「はい、次は二軒め」
一軒めと同様に、メディに服を着せていく。
そのたびに、試着室で着替えるため、メディは忙しい。
「この青いのはどう?」
「うーん、もう少しダークめがいいかな」
「このグリーンのは?」
「わたしは、好みじゃないわ」
「もう、ミレイの好み合わせてたら、決まらない」
「ちょっとメディ、次はこれね」
そして
「じゃ、次は三軒ね」
「ねえ、少し休まない?」
メディがきくが、
「もう夜になっちゃう。はやく」
急かされて、結局、三軒目にはいることになる。
「これだ。これと、はい」
メディに、わたされたのは、少し模様がはいるズボンと、薄く赤い色に腕に、印があるやつだ。
試着してみると、
「いい感じね」
こうして、メディの外出時の服を購入する。
魔力交換で、ネネの魔力から、購入してくれた。
そのあと、案内され、泊まるところを探してくれる。
ここのホテルなら、格安魔力交換で泊まれるから、しばらくここで滞在しなよ、とネネが話す。
「金銭はいらないの?」
とメディがきいてくる。
「悪魔にお金は意味ないよ。わたしたちは、魔力交換で、サービスをうけるの」
ホテルで魔力交換をしてもらい、滞在の説明をうける。
あとは数日ここで滞在して、上限魔力を引きあげながら、仕事してを繰り返して、そのうち、自分で魔力管理できるようになるよ、とネネがいう。
「ごめん、お世話ばかりかけるね」
「いいの。それより、明日も仕事きてよね」
「仕事の割り当てはどうなるの」
「一日仕事、一日休みと、五日入って二日休みと選べるよ」
「わかった。商会できいてみる」
こうして、ネネとミレイは、メディとわかれる。
ネネは、とても嬉しそう。
「ねえ、ネネ、メディに、前世聴かなくていいの?」
すると、途端に顔を怖くさせて
「だ、だ、だって、超怖い。きくの」
「でも、どういう経緯の悪魔か、聴いてみないとね」
「そ、そ、そ、そうだね、ミレイ。じゃまた今度ー」
「まったく、トロい」
ミレイの一言は、聴かないことに、ネネはした。




