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悪魔ネネの昇進お祝い

 ミレイにおくれて一年、ネネ (21)は、統括エリアマネージャーになった。

 今日は、休みの日にみんながお祝いしてくれる、らしい。

 でも、先にミレイに聴いても、たいして教えてくれない。


 なんだろ。


 とりあえず、デビルズゲームセンターの二階にある、ベンチに座って待っている。


「なんで、ゲームセンター?」


 と思っていると、ミレイがやってきた。

 後ろからは、ギャル系悪魔のスズネがいた。


「え、スズネも一緒なの?」

「ネネせんぱーい、おめでとうございます!」

「あ、うん、ありがとう」

「ゲームセンターで集まるなんて、楽しいすね」

「うん」

「集まるって言ったのメディせんぱいなんすよ」

「そうなんだぁ」


 ネネは途端に嬉しくなる。

 そっかぁ、始めましてのとき、一緒にいたところか。

 でも、メディは少しおそいようだ。


「スズネ、あなた口調戻したら。普段から、普通なのにすれば、もっとモテるのに」

「えー、そうすか? なんかクセなんですよね。ねえー?」


 そう言って振り替えると、後ろには後輩の男悪魔もいた。


「そうみたい。でも、いいやつですよ。あ、せんぱいおめでとうございます」

「ありがとう。あなたも来てくれたの?」


 この後輩悪魔とは、最近知りあった。

 わたしのエリアでよく見るようになり、話しかけてくれたのだ。


「あの、スズネが来たいっていうから、そのついで、みたいなです。せんぱいの顔も見たかったし」

「ふふ、そうなんだぁ」


 ミレイが何か言いたそうな感じだ。


「どうしたの?」


 ゲームセンターのがやがやしたなかで、聴いてみると、ミレイが近くにきて話す。


「この後輩、実はスズネが本命なの。みんなにかわいいっていうけど、いつもスズネのこと観てるよ」

「え、そうなの!?」


 ちょっと小声で話す。


「え、なに、ネネせんぱい?」

「いいえー」


 そっかぁ、だから、スズネが来るから、この子もついてきたのか。

 少し可愛い感じだけど、やっぱり男悪魔って感じだ。


「メディせんぱいおそいね」


 すると、黒バラをひとつ持ったメディがみえた。


「あ、来たみたい」


 メディが、手に持っているものを渡した。


「これ」

「え、黒バラじゃん」

「管理者に許可とって、持ってきたよ」

「それでおそかったの。ありがとう」


 "メディ大好き♡"


 ネネは声にだしていないが、瞬間シンパシーで伝わったのだろう。

 ミレイがにやにやしている。


「す、少しクレーンゲームしてこ」

「うん」


 みんなで、クレーンゲームや小さなキャッチゲーム、デビクラなどをしたあとで、カラオケにいくことになった。


「カラオケ楽しみ」

「そうだね」


 デビルカラオケに着くと、


「せー。何名ですか?」

「五名かな」

「あー、した。じゃ、三○一でお願いします。魔力交換選べますよ」

「はい」

「わたしが魔力支払いするからね」


 ミレイが、ここの支払いはしてくれるようだ。

 あの悪魔店員は、いつもやる気がなさそうだ。



「順番で、すわろうか」


 ネネを真ん中にして、

 左にミレイとメディ、右にスズネと後輩悪魔が座った。


「さ、はじめましょっか」

「はーい」

「まず、だれから」

「やっぱり主役のネネからね」

「なに歌おかな」


 ネネはアイドルの曲にしようと、端末で探す。


「闇病みの曲だね。始めはやっぱり」

「いつも聴いてるやつだね」

「一撃ハートを群青(ぐんじょう)に、歌います」


 拍手が起こる。


「続けてミレイ歌うよ」


 ネネの続き、ミレイが歌う。

 後輩悪魔が曲をいれて、スズネは四番。

 メディが五番めに曲を入れる。


「うん。カラオケ楽しいね」


 ネネが言う。


「でしょ」

「ミレイせんぱいが、ネネせんぱいアイドル好きだから、カラオケとかで盛り上がろう、て話しになったんすよ」

「そうなんだぁ」


 ミレイが珍しく照れている。


「このぉ」

「ふふん」

「さぁ、次いくよぅー!」



 カラオケで、たっぷり一時間は歌っていた。


「休憩ね」


 ドリンクをおかわりにいき、席をたつと、戻ってきたら、スズネが、メディに話しかけていて、自然とミレイの隣になる。


「交換する?」

「ううん。大丈夫」

「そう」


 スズネが、メディの腕をつかんでいたりして、ネネは少し気になる。

 何話してるんだろ。


 あ、笑ってる。


 なんか、スズネ顔近くないかな。


 あ、なんか抱きつこうとしてるような。


 手にぎった。


「あの、交換しよ。ね」

「うん」


 ネネとミレイは場所を代わる。


「ね、ねえ、メディ?」

「あ、メディせんぱい手おおきい」

「ねえ」

「抱きついてもいいですかぁ?」

「ねえ」

「なに」

「あ、いい香りしますよ、せんぱい」

「め、メディ!」

「なに、ネネ」

「ちょっと、スズネとくっつき過ぎよ。」

「あ、うん」

「せんぱい、眼みて、ねえ」

「ちょっとスズネ!」


 カラオケの曲が流れるなか、少し大きい声をだしてしまい、恥ずかしい。


「もう、ネネせんぱいなんですかぁ?」

「あの、次あなたよ」

「はーい。あ、メディせんぱい一緒に歌おうよぅ」


 後輩悪魔が、少しハラハラしている。

 ネネは、だんだん自分が、怒っているのがわかってきた。


「ちょっと、スズネあの」


 ミレイがこそっと言う。


「スズネは、わざとよ。気にしないの」

「わかってるわよ! でも、あの」

「あ、ちょっと、ドリンクいってくるー」


 スズネが動いて、ドリンクをとりにいく。

 戻ってくると、またメディのとなりにすわって、くっつく。



 二時間くらい経って、あまりにスズネが、メディを離さないため、


「スズネ!」

「え」


 思わずカバンから、ネネはトロピカルガンをとりだした。

 魔力エネルギーレベル三○だ。


「もう! その手離して!」

「え、わ、せんぱい、あの」


 ミレイが止めようとすると


「いや!」


 すると、暴走するトロピカルガンのエネルギー。

 バチッと音がして、空中にトロピカルガンが舞う。


 メディがキャッチしようとするも少しおそかった。

 空中でトロピカルガンの銃口は、ネネのお腹辺りに向いた。


 そのまま暴発したそのエネルギーは、ネネに向かっていった。


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